河北抄(9/17):モダンなたたずまいの首相官邸だが、中庭に…

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 モダンなたたずまいの首相官邸だが、中庭には日本らしい石と竹がシンボルとして配されている。石は「力強さと安定感」、竹は「天に向かって伸びる未来への挑戦」を表しているという。

 果たして、新たな「主」はその言葉を実践できるだろうか。昨日、菅義偉氏が新首相に就任した。官房長官という、いわば女房役からの大出世である。

 前首相の安倍晋三氏は歴代最長の連続在職日数を記録した。国政選挙で6連勝するなど「安倍1強」の安定感こそ演出したが、肝心の国民の信頼を勝ち得ていたとは言い難い。

 集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法の成立過程は、あまりに強引だった。森友・加計学園や「桜を見る会」の問題も生んだ。振り返れば、あちらこちらに「おごり」が感じられた。

 竹は成長が早いが、地上に伸びる前に時間をかけて地下にしっかりと根を張る。早期の衆院解散が取り沙汰される菅政権も、まずは山積する課題に謙虚に向き合い、「国民の信頼」という根を着実に伸ばしてほしい。