「やられ方が悪い」逆転勝利も専門家が見過ごせないヤクルト打線の“無抵抗な三振”

ヤクルト・高津臣吾監督【写真:荒川祐史】

ヤクルト球団OBの飯田哲也氏が解説「ただ振っているだけのスイングに見せました」

■ヤクルト 3-2 DeNA(16日・神宮)

ヤクルトは逆転勝利で1分けを挟んだ連敗を6で止めた。1点を追う7回2死から、共に代打で登場した荒木と宮本の連続適時打で勝ち越しに成功した。勝利したが球団OBで野球解説者の飯田哲也氏はその流れの中にあった“無抵抗の三振”に目が留まり、後輩たちを叱咤激励した。

まずは7回の攻撃を振り返る。先頭の村上が代わったばかりのエスコバーから四球を選んだ。これには飯田氏も「村上は全打席出塁。素晴らしい」と2打数2安打1本塁打2四球の主砲を絶賛した。しかし、次の西浦の打席。高めの球に手を出して、空振り三振。1点を追いつきたい場面で何もできなかった無抵抗な姿に「5番打者というのもあったかもしれないですが、きっちり送るバッティングをしないといけない場面だった」と打席内容に苦言を呈した。

続く、坂口は右前打。後にホームに生還するがヘッドスライディグの気迫は勝利への執念を感じさせるものだった。坂口の後に打席に入った廣岡も空振り三振。この内容も見過ごすことはできない。

「廣岡は前の打席からずっと工夫が見えなかった。直球が強いのに直球の絶好球を見逃してみたり、それでいて変化球狙いかと思わせて、スライダーを打ち損ねたり……この7回でもストレートを前に飛ばすことしか考えていない、ただ振っているだけのスイングに見えました。もう少しコンパクトに振るとか、やられるにしてもやられ方が悪い」

2死となり、結果的に井野の代打の荒木が同点の左前適時打を放ち、代打の代打、宮本の二塁内野安打で勝ち越すことができたが、もっと簡単に得点を奪うことができたはず。チームはセ・リーグの最下位に沈んでいるが、期待値の高い若手は多い。一つの勝利で終わらさずに、反省をして、次に生かせる勝利にしてほしいと願っていた。(Full-Count編集部)

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