「菅総理、やはり、ただ者ではありません」 豊田真由子が見た菅総理と菅政権

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菅新政権が発足しました。

菅総理って、ほんとのところ、どういう人なんでしょうか。新総理の素顔を掘り下げ、新政権の閣僚・党役員人事、政権の方向性について考えてみたいと思います。

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菅新政権の閣僚・党役員人事について

思った以上に、予想通りで、そのことにむしろびっくりでした。そして、よくよく見てみると、改めて奥が深く、手腕が発揮されたなと感じました。

たしかに、再任+派閥均衡+菅総理に縁の深い方たち、ではあるのですが、結果的には、非常に手堅くそつなく、実務をこなすメンバーを集めた安定した布陣となっています。斬新さはありませんが、着実に、やるべきことをきちっと前に進める、という意志を感じます。

政治的なことを言えば、満遍のない配慮で、党内の不満や軋轢が少なくなるので、一致団結して菅内閣を支えるという力学が、より働きやすくなります。党役員も、菅総裁誕生の功労+菅総理との深い繋がりですが、安定した政権運営のために、党内基盤を盤石にすることは必須です。

新任(再入閣含む)の方を見てみると、加藤官房長官は、能力高く、綿密で安定の女房役をこなされると思います。田村厚労相や平井IT相は、それぞれの分野で党内の第一人者、役所の勘所も抑えています。新型コロナや少子高齢化対策、デジタル庁構想をしっかりやる、ということでしょう。岸防衛相は、とても謙虚で真面目な方で、単に安倍前総理の実弟だから選ばれた、という穿った見方をすべきではないでしょう。

うーむ、菅総理、非常にうまくおやりになったなあ、と感じます。やはり、ただ者ではありません。

菅政権の方向性は?

「安倍政権の継承と発展」を掲げていますから、差し当たっての大きな路線変更はないでしょう。ただし、単なる「継承」のつもりはなく、「発展」を推し進め、これまであたためてきた政策の実現に向け、独自性を出していかれるでしょう。

そして、来年秋までの1年間の短期政権というようなつもりは、全くないと思います。菅総理は、これまでの人生、「当初は全くなるつもりがなかった」という議員秘書・市議になり、衆院議員になり、そして、なったからには、ここでがんばるぞ!と、コツコツと努力し、結果として実力者になってきました。日本国の内閣総理大臣となった今は、まさにそのクライマックス、本領発揮でしょう。

ちなみに、無派閥といわれますが、実は若手を中心にした「菅グループ」というものがちゃんとあります。

菅総理って、ほんとのところ、どういう人?

これをやる!と決めたら、一所懸命、コツコツ積み上げて、やり遂げる。楽して得しようとかは、決して考えない。元々は参謀タイプで、裏方で全体を見て、先を見通して準備をし、実現する。一番好きな武将は、豊臣秀吉を支えた弟の豊臣秀長。隙が無く、本音や感情をあまり出さないが、かといって、すごい野心家で策略家というわけでもない。義理人情を重んじる。

ご自分で「ふらふらしてた」とおっしゃる高校や東京でのアルバイト時代は、自分はどう生きるべきかの模索期間であり、そして、だんだん、見る世界と視野が広がって、自分はこれをやりたいんだ、と気付き、都度、邁進し続け、ここまで来た。その感性と精神力は瞠目に値します。

―これが、わたくしの見た菅総理です。

ちなみに、所見演説で「私のような普通の人間でも、努力すれば総理大臣を目指すことができる」とおっしゃっていましたが、全然「普通の人」ではないし、それはもう並大抵の努力ではないです。

◆豊田 真由子 1974年生まれ、千葉県船橋市出身。東京大学法学部を卒業後、厚生労働省に入省。ハーバード大学大学院へ国費留学、理学修士号(公衆衛生学)を取得。 医療、介護、福祉、保育、戦没者援護等、幅広い政策立案を担当し、金融庁にも出向。2009年、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官として、新型インフルエンザパンデミックにWHOとともに対処した。衆議院議員2期、文部科学大臣政務官、オリンピック・パラリンピック大臣政務官などを務めた。