NYの治安さらに悪化

発砲事件やまず 殺人も前年比47%増加

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 ニューヨーク市では拳銃発砲事件のみならず殺人、強盗、強姦等の重大犯罪の件数が昨年よりも増加している。ニューヨーク日本総領事館が11日、在留邦人に注意を喚起した。また、市内の交通事情についても交通量は昨年より少ない一方で、車の速度は早くなっており、交通事故も昨年よりも増加していると報告した。同総領事館では、地元の報道などから最新の情報を入手し、市内の治安情勢や交通情勢にも注意して安全確保するよう呼びかけている。主な内容は次の通り。

 NYPDによれば、本年8月中におけるニューヨーク市内の犯罪発生状況は、拳銃発砲事件は242件で、前年の91件から166%増加。スタテンアイランド地区を除く4地区全で増加傾向にある。殺人事件による被害者は53人で前年の36人から47%の増加、強盗事件は1276件で前年の1226件より4%の増加、侵入窃盗は1310件で前年の1076件より22%増加している。殺人、強盗、強姦等の重大犯罪全体の発生件数は9093件で、前年の9033件と比較して0・7%と僅かに増加している。NYPDでは、暴力犯罪が多発している地域に多数の警察官を投入して対応するとともに、リアルタイムの犯罪情報の収集、分析を強化している。また、違法な拳銃を根絶する取組を強化しており、8月中に拳銃関連の犯罪で359人を逮捕している。(前年357人)。

ウエストチェスターで自動車盗難被害相次ぐ

被害は郊外にも広がっている。ウェストチェスター郡においては自動車の盗難が急増していることから、同郡検察当局から注意喚起が発出されている。

 邦人が多いスカースデールでは、昨年同時期に比べて2000%、ママロネックでは600%、ライブルック1200%、アーヴィントン400%の車両盗難数の急増が報告されている。今年1月から8月までの同郡での自動車盗難件数は、ライで23件、スカースデール21件、ハリソン19件となっている。路上駐車の日本車、高級欧州車など転売価格の高い車が狙われている。窓ガラスを割られて盗難されることが多いため、ハンドルバーロックなどを装着して、直結点火でエンジンをかけても運伝できないように防御するとか、アラームを付けるなど比較的シンプルな防犯対策だけでも路上駐車の盗難被害から免れることができる。オートパーツショプなどで市販されている。

地下鉄構内が危険 日本人も被害に

8月29日午前11時頃、地下鉄のレキシントン街と東63丁目駅内プラットフォームで、地下鉄を待っていた女性が男性に襲われ強姦未遂被害に遭い軽傷を負った。9月5日午前中、バッテリーパーク付近の地下鉄車内で、不明瞭な言葉を発する挙動不審の見知らぬ男性から、日本人夫妻が突如暴行を受け軽傷を負った。日本人夫妻は男性と何度か目が合い「マネー」と言われ暴行を受けた。加害者は車掌や他の乗客に取り押さえられ、地下鉄から降車させられた。

コロナ予防の保釈が原因

今年犯罪が昨年比で急増している背景には、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、刑務所内での集団感染を警戒したニューヨーク市が3月下旬から、感染リスクの高い服役囚、銃器不法所持など凶悪犯罪以外で服役している囚人をコロナ特赦として大量保釈したことがあると米地元紙などが報道している。

 ガーディアンエンジェルスの元NY隊長で現日本代表の小田啓二さんによると春のパトロール中は、地上に一度も出ることのないE線がホームレスのホテル化したことを指摘、マジソンスクエアガーデン地下のペンシルベニア駅では「明らかに今までの路上にいたホームレスとはタイプの違う元気の有り余ったホームレスたちが喧嘩などをする光景が見られた。ニューヨーク市長は、囚人を守るために一般市民を危険に晒す判断をしたのは大きな間違いだ」と話している。

スピード違反 夜間暴走増加

車両の速度は昨年と比較して10~16%程度速くなっている。車両の衝突事故で運転者や同乗者が死亡した交通事故の死者数は、8月末現在71人であり、昨年1年間の全死者数を上回っている。深夜のウエストサイドハイウエーなどは暴走族の改造自動車による街道サーキット化している。ニューヨーク市は、危険性の高い主要な9道路の最高速度を5マイル引き下げ、2021年までにスピードカメラを約2000台増設する策を講じている。