NTT西日本と第一交通、沖縄県で実証 タクシーの運転支援とMaaS実現めざす

西日本電信電話株式会社(NTT西日本)と第一交通産業株式会社は、ニューノーマル時代における新たな交通サービスの提供や地域の賑わい創出を目指し、沖縄県で実証事業を行うと発表した。

新たな交通サービスの実現に向けて、(1)運転支援システムによる事故低減とタクシードライバーに応じた配車司令、(2)利用者属性に応じた地域回遊レコメンドを行うMaaS事業、以上2つの実証を、9月下旬から来年3月下旬にかけて沖縄県内で行う予定。

NTT西日本は、タクシー、バス、フェリーなど既存の交通サービスへのデジタル技術の実装、AI/IoTなどデジタル技術を活用したソリューション・ノウハウの提供、そしてパートナー企業との連携によるPoCの推進を担う。

第一交通産業は、タクシー、バス、フェリーなど既存交通サービスへのデジタル技術導入のほか、観光関連情報の提供、各種アプリケーションとの連携推進を担当する。

そのほか、パイオニア、NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアも技術提供を行う。

今後は上記パートナーに加え、多様な企業や自治体と連携し、新たな交通サービスを実現するプラットフォームの構築をめざす。

■取り組みの背景

両社は2019年8月26日にNTT西日本が開設した共創拠点「LINKSPARK」で、企業・自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進をサポートするで活動を続けている。

タクシーをはじめとする交通業界は、高齢化の進展に伴う担い手不足、MaaSやライドシェアの登場、新型コロナウイルス感染拡大による人々の行動変容の影響など大きな環境の変化に直面している。このような状況の中で事業を維持・拡大していくためには、地域の顧客ニーズに寄り添い、解決していくきめ細やかなサービスの提供が不可欠だとしている。

また、サービス提供の担い手であるドライバーにとっても使いやすく便利な機能を搭載することで、より高品質で安全な顧客対応が可能になる。

このような観点を取り入れた新たな交通サービスを実現していくためには、デジタル技術を駆使して実証データを取得し、概念実証(以下、PoC)を繰り返し行いながら改善・改良していくことが重要であることから、今回実証事業の実施に至った。

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