デスク日誌(9/18):近説遠来

©株式会社河北新報社

 取材で印象に残った言葉がある。「近説遠来(きんせつえんらい)」(近者説遠者来=近き者は説(よろこ)び、遠き者は来たる)。近くの人々が喜ぶと、遠くの人も続々とやって来る-との意味という。政治の要諦を問われた孔子の教え。論語に収められている。

 現在の富谷市に宿場が築かれてから今年で400年を迎えるのを記念し、観光施設「富谷宿観光交流ステーション」の整備が進む。新施設を拠点とした活性化策を発表するコンテストが8月にあり、そこで聞いたのが冒頭の言葉だった。

 「自分の地域に愛着を持たないと人は集まらない」と発表者。ないものねだりではなく、地元に眠る資源に目を向けて「あるもの探しツアー」をしようと提案した。

 わがまちの自然や歴史、文化に通じて初めて、心に響く対外発信になる。そんな趣旨と受け止め、大いに共感した。

 10月に開館予定だった新施設は、新型コロナウイルスの影響で来春に延期された。宿場町に息づく魅力を掘り起こし、磨きをかける時間ができたともいえる。

 地域の動きを遠方に伝えるのは支局記者の仕事。丹念にフォローしたい。 (富谷支局長 藤田和彦)