植え込み型補助人工心臓を軽量化 女性や小柄な人も可能に 熊本赤十字病院

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重症心不全の患者の体内に植え込む補助人工心臓「ハートメイト3」。中央のポンプで全身に血液を送る。下のコントローラーは体外で操作する
心臓の模型につないだ植え込み型の補助人工心臓「ハートメイト3」を手にする、熊本赤十字病院の鈴木龍介医師=熊本市東区

 熊本赤十字病院(熊本市東区)は、心臓移植を待つ重症心不全の患者の体内に補助人工心臓を植え込む手術を県内で唯一手掛けている。2月に実施した2例目の手術は、最新型の補助人工心臓を使用。最新型は従来型に比べ軽量で、女性や小柄な人にも植え込み可能となった。

 植え込み型の補助人工心臓は心臓の左心室に小型のポンプをつなぎ、全身に血液を送る。コントローラーやバッテリーは体外にあり、ケーブルでポンプにつながっている。

 心臓血管外科部長の鈴木龍介医師によると、最新型の「ハートメイト3」は、ポンプ内の構造を改良し、血栓が血管をふさぐ「塞栓[そくせん]症」が起きにくくなった。ポンプ部分の重量は約200グラムと従来型より約80グラム軽く、手術の傷痕も小さいという。

 国内での心臓移植は、ドナーが見つかり手術を受けるまで平均3~5年かかる。体外型の人工補助心臓を装着すると入院が必要だが、植え込み型の場合、月1回の通院のほかは自宅で生活しながら待機できる。

 鈴木医師は「植え込み型は、体外型に比べ合併症のリスクが低く、自宅で過ごせるため患者の負担も軽減できる」と話す。

 2月に「ハートメイト3」の植え込み手術を受けた熊本市の女性(42)は、8月に退院し、自宅での日常生活を徐々に再開させている。

 2年前に拡張型心筋症と診断された。過去に心停止を3回経験。同病院で2年前に植え込み型の手術をした男性(67)の元気な姿を見て、手術を決意したという。「術後しばらくは違和感が強かったが、だいぶ慣れて買い物にも出掛けられるようにもなった。私も誰かの希望となれたらうれしい」と話している。(豊田宏美)