ヤマハ、完全ワイヤレス最上位機「TW-E7A」でラインナップ強化。早速レビュー

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発売延期となっていたヤマハの完全ワイヤレスイヤホンの最上位モデル「TW-E7A」(予想実売価格 税抜24,000円前後)が、9月30日についに登場する。

ヤマハはオンラインにて発表会を開催し、「TW-E7A」の再アピールや、同日発売となるネックバンド型Bluetoothイヤホン「EP-E70A」の発表、ヘッドホン/イヤホン事業戦略について説明を行った。本稿ではそちらの内容に加え、「TW-E7A」の試聴インプレッションについてもお伝えしよう。

既発売モデルは「予想を超える実績」獲得

昨年11月に完全ワイヤレスイヤホン3モデル/Bluetoothイヤホン2モデルを揃えてヘッドホン/イヤホン市場に“再参入”を果たした同社。しかし、発表時の予定どおり昨年12月に発売となったのはエントリーモデルである「TW-E3A」と「EP-E30A」のみ。中級機「TW-E5A」「EP-E50A」は生産の遅れによる延期を経て今年8月7日に発売。そして最上位モデル「TW-E7A」も開発の遅れにより9月30日に満を持しての発売となる。

ついに発売となる「TW-E7A」に加え、新登場した「EP-E70A」により今年度のラインナップが完成する

発売延期が相次いだことを謝罪した同社。しかし昨年12月に発売された完全ワイヤレスイヤホンのエントリーモデル「TW-E3A」は、「予想を超える実績を掴むことができた」(同社AV・流通営業部マーケティング課 課長 飯田哲也氏)のだという。

その理由を同社は「独自技術『リスニングケア』を前面に押し出し、市場内で “ヤマハにしかできない価値” を提供できた」こと、「(発売時の)トレンドカラーであるスモーキーカラーが若者に支持された」こと、「実売1万円以下という手頃な価格設定」、そして「音にこだわるエクスペリメンタル・ソウルバンド『WONK』やダンサー『BAMBI』とのコラボで、商品力だけでなく “ストーリー” も伝えられた」ことだと説明した。

完全ワイヤレスイヤホンのエントリーモデル「TW-E3A」は「予想を超える実績を掴むことができた」という

さらに、中級機「TW-E5A」およびBluetoothイヤホン「EP-E50A」も立ち上がりが順調だと紹介。背景には、コロナ禍によるテレワーク増加をうけて、外音を取り込む「アンビエントサウンド」機能の需要が増加したことで、市場における注目度が上がったことがあると分析した。

中級機「TW-E5A」も好調とのこと

2020年度は数量・金額ともに年間シェア2%超え目指す

ヤマハの推定によると、国内イヤホン・ヘッドホン市場は2,350万台、1,500億円前後。特に今年4-6月は、コロナ禍によるテレワーク需要により数量・金額ともに市場が大きく伸びたとのこと。その後ゆるやかに減少傾向にあるものの、2020年は数量で1ケタ、金額で2ケタの成長を見込んでいるという。特に完全ワイヤレスイヤホンは単価の高いモデルが売れることから、金額ベースで多くの割合を占めると分析した。

国内イヤホン・ヘッドホン市場(ヤマハによる推定)

同市場内におけるヤマハの立ち位置は “チャレンジャー” であり、シェア2%獲得が当初の目標だったが、これをほぼクリア。特に「TW-E3A」は数量シェアで1.99%、各種サイトのカスタマーレビューも音質やデザインが高評価とのことだ。

当初の目標である「シェア2%獲得」はほぼクリア。ユーザー評価も高いという(同社AV・流通営業部 部長の野口直樹氏)

9月30日で完全ワイヤレスイヤホン3モデル/Bluetoothイヤホン3モデルという製品ラインナップが完成することから、店頭での展開拡大やプロモーション施策により、数量・金額ともに年間シェア2%超えを目指す考えだという。プロモーションには引き続き「WONK」を起用。「TW-E7A」「EP-E70A」を訴求する新ビジュアルも公開された。

プロモーションには引き続きWONKを起用

また今後は独自の信号処理技術をコア・コンピタンスに、イヤホン等音楽試聴ユースの製品群を進化させていくとともに、YouTubeやゲーム等エンタテインメント分野の取り組みを強化。翻訳やナビゲーション等ヒアラブル分野にもビジネスのフィールドを広げていきたいとの展望を示した。

イヤホン/ヘッドホンをはじめ様々な製品でホームAV市場を創造。今後はさらにビジネスの範囲を広げていく考えだという

完全ワイヤレスイヤホン最上位モデル「TW-E7A」レビュー

完全ワイヤレスイヤホン最上位モデル「TW-E7A」レビュー

「TW-E7A」

「TW-E7A」のサウンドを体験することができたので、ここからは簡単なインプレッションをお伝えしよう。試聴には米津玄師「感電」とWONK「Signal」を使用した。

「TW-E7A」の概要

一聴して感じたのは「端正な音」ということだ。低音ががっつり出るタイプではなく、どの帯域も強調感がないバランスの良いサウンド。とはいえ無味無臭のいわゆるモニター的な音ではなく、中身がきちんと詰まったツヤのある音色が音楽を聴く楽しみを味わわせてくれる。特に好印象だったのは中高域の表現。ボーカルはもちろんのことホーンセクションがリアルに聞こえるのは、ヤマハが楽器メーカーであることに由来するのかも知れない。

「TW-E7A」を横から見るとこんな感じ

「感電」は ドラムやハイハット・シンバルがチャキチャキと小気味よくキマり、トライアングルの高音がきれいに伸びる。随所にちりばめられたエフェクトも粒立ちがよく、アレンジの面白みを味わい尽くせる。ボーカルやホーンセクションもつややかで、グルーヴ感の表現もばっちり。

WONK「Signal」は、幻想的なアンビエントサウンドがともすれば全体的にぼやけた印象になりがちだが、本機はピアノやボーカルなどそれぞれのパートを表現し分けてくれるので曲の奥行き感がきちんと分かり、この作品の魅力である宇宙をたゆたうような浮遊感に浸ることができた。

イヤホン部はころんと丸くやや大きめだが、耳に入れにくいことはなく装着感は良好。多少走っても脱落することはなかった。

より装着感を高めるものなど、スリーブを3種類付属
イヤーピースは6つのサイズを同梱

一方で、ノイズキャンセリングの効果はかなりさりげない。またケースにしまう際、入った感触はあるが微妙に位置がずれていて充電できていなかったということが何度かあったので、そのあたりは注意したいポイントだ。

発売延期になっている間に、バッテリーケースに充電状況を確認できるLEDインジケーターが追加された。そのほか全体的な質感向上も図られたとのことだ
インジケーターが点き、充電が始まったことを確認してからケースを閉じるのがおすすめ