「心身とも極めて疲弊」介護中の90歳祖母殺害 22歳孫に猶予刑 神戸地裁

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神戸市須磨区の自宅で介護していた当時90歳の祖母を殺害したとして、殺人罪に問われた元幼稚園教諭の女(22)の裁判員裁判で、神戸地裁は18日、女に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。

神戸地裁

女は2019年10月8日、自宅で同居する祖母に対し、タオルを鼻に押さえつけたり口に詰め込んだりしたほか、鼻や口の近くを両手で押さえて窒息死させたとされる。

弁護側は、祖母と2人暮らしだった女が未明に「体を拭いてほしい」と言われて起こされ、その後、暴言を言われたうえに「あんたがおるから生きていても楽しくない」とも言われ、怒りを抑えることができなかったと主張。「1人では介護できない」と親戚に相談したもののサポートしてもらえなかったと述べていた。
また「睡眠不足や適応障害の影響で殺害行為を思いとどまることができなかった。また当時、物事の善悪を判断する能力が衰える心神耗弱状態だった」として刑の軽減を求めていた。

一方、女を精神鑑定した精神科医は証人尋問で「適応障害だったが、犯行に影響したものではない」と証言し、祖母から受けた暴言に感情を抑えようとしたりするなど「行動制御ができていた」と指摘した。

判決で神戸地裁は「家庭事情から自ら祖母との同居を申し出て、介護を一人で担っていた。認知症のため深夜に徘徊したり、トイレのために夜間何度も起きたりする祖母への対応で睡眠不足となり、心身ともに極めて疲弊していた」などとして懲役3年・執行猶予5年を言い渡した。

弁護側は判決後「若年の方が、一人で認知症の方を介護するのがいかに大変かということを、裁判官、裁判員に理解していただけた判決だ」とコメントした。