小田急、東京メトロ 新宿駅西口地区開発計画を発表 地上48階建て高層ビル建設 2022年度着工、2029年度竣工を予定

高層ビルのイメージパース(西側から計画建物を望む) 画像:小田急電鉄

新宿駅西口直上に9年後の2029年竣工を目指して、48階建ての超高層ビルが建設される。事業主体は小田急電鉄と東京メトロの鉄道事業者2社。2022年度の着工を予定する。

事業名は「新宿駅西口地区開発計画」で、新宿駅の西側部分に当たる小田急新宿駅、小田急百貨店、新宿ミロード、東京メトロ新宿駅(一部)などを総合開発する。ビルの高さは地上約260mで、東京都庁舎(243m)を上回る。今月、持ち回り開催された政府の東京都都市再生分科会で開発計画の素案が明らかになり、両社が計画概要を公表した。

新宿駅をめぐっては昨年12月、新宿駅直近地区土地計画整理事業が都市計画決定されている。両社は同事業と一体化して、駅と街の連携強化、重層的な歩行者ネットワーク形成、にぎわいと交流を生み出す滞留空間整備などに取り組む。

計画によると、高層ビルは敷地面積約1万5720平米、延べ床面積28万1700平米の地上48階、地下5階建て。14階までの低層棟と15階以上の高層棟に分かれる。概略のフロア構成では、地下2階がメトロ丸ノ内線新宿駅(改札は地下1階)、1階と地下1階が小田急新宿駅と交通広場、2階~11階が商業施設、12、13階が来街者と企業などの交流を促すビジネス創発拠点(機能)、9階~14階がスカイコリドー(空中回廊)、高層階がオフィスなど。

防災機能や環境負荷低減では、自然災害時などに約3400人が待機できる一時滞在施設や防災備蓄倉庫を整備。デジタルサイネージによる異常時情報発信、最新技術によるエネルギーの効率的運用などを実践する。

文:上里夏生

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