投資信託の「分配金利回り」って?分配金利回りが高いのはいいことなの?

©株式会社ブレイク・フィールド社

「高い」イコール「いい商品」とは限りません

コロナ禍で、先の見通しがなかなか立てづらい状況になっています。またステイホームの影響も手伝って、今まで日ごろの忙しさについつい後回しになっていた「資産の見直し」をしようということで、証券口座開設数が大きく増加しているという報道はよく耳にします。

これをきっかけに口座開設して、いよいよ投資を始めようとする方は、「高い」=「いい商品」と思いがちですが、投資信託を購入する場合の分配金利回りという言葉は確認しておく必要があります。

分配金利回りは分子より分母が大事

分配金利回り=分配金÷基準価額で求めます。投資信託の募集開始は1万円からのスタートですから、もし販売用資料などで「毎月分配型で1万口(=1万円)あたり毎月50円の分配金をお支払いします」と書いてあったとして、募集開始時に10万円でその投資信託を購入したとします。

その後、皆さんが購入した投資信託について「分配金利回りが8%」という情報を得たとすれば、上がっているのか? と錯覚するかもしれません。ですが、分配金支払額が50円で変わっていなければ年間で50円×12=600円ですから、8%になるためには投資元本は、600円÷0.08=7500円に下落していることになります。

当初1万円だった基準価額が25%下落することによって、計算の答えとなる分配金利回りは高くなっているのです。600円が分配金として振り込まれていても、基準価額が2500円も投資したときより下がっていれば、大きく元本を割り込んだことになります。

分配金よりも基準価額の推移に注目

特に基準価額が下落した商品については、「分配金利回りが高い」という点をアピールしているケースがありますが、「何が」高いのかという主語に気をつけましょう。ついつい、分配金が支払われていると目先の収支だけで安心してしまいがちですが、分配の方針は基準価額の動向によって決定されるものですから、私たちが目を光らせておくべきなのは「基準価額」の動きです。

なぜ、上がったのか、下がったのか、今後はどうなると予想しているのか、その根拠は何か? この項目はぜひ販売会社に聞くなり、運用会社のホームページに掲載されている運用報告書やレポートで確認するなりして、把握しておきましょう。

いくら「投資信託は分散投資されているから株の売買のようなリスクは少ない」といっても、やはり数多くの銘柄から抽出して投資しているのですから、投資信託に組み込まれている銘柄が大きく落ち込めば当然下落します。自分の資産は誰でもなく自分で守りましょう。

執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

The post first appeared on .