ベッテル、赤旗後のスタンディングスタートは「公平ではない」とF1規則を批判

 フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、赤旗によるレース中断後、スタンディングスタートでレースを再開するのは、グリッドの路面コンディションによって有利・不利が大きく分かれるため、不公平であると主張した。2020年F1第8戦イタリアGPと第9戦トスカーナGPは、決勝中に赤旗が出る荒れた展開になった。

 ムジェロ・サーキットでのトスカーナGPでは赤旗中断が2回発生し、全車がグリッドについてスタートするスタンディング方式でのリスタートが行われた。

 4度のF1チャンピオンであるベッテルは、この方式は路面状態がよくない側に並ぶことになったドライバーには非常に不利であり、運に左右される部分が大きすぎると考えている。

2020年F1第9戦トスカーナGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)

「1日でこれほど多くのスタートをしたのは初めてかもしれない。普通は1回だからね」とベッテルはトスカーナGP決勝後、『Sky F1』に語った。

「僕は(赤旗後のリスタートをスタンディングスタート方式で行う)このルールについて、よく思ってはいない。なぜなら、コースの荒れた側からスタートする場合と比べると、いい路面の側からスタートする場合は大きなアドバンテージを得ることになるからだ」

「モンツァ(でのイタリアGP)でも同じことが起きた。レース半ばだとラインを外れた場所にはマーブルがたくさんある。それは不公平だと思う」

「運試しをさせるのではなく、オーバーテイクできるようなマシンを作ることに集中するべきではないだろうか」

 F1はコース上のバトルを増やすため、前のマシンに近づくことが容易になるようなマシンの導入を目指して研究を続け、2022年に技術規則の大幅な変更を行うことを決定している。

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