LMDh”完全導入”は2023年の見込みも、2022年途中からの参戦は「技術的には可能」

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 IMSAプレジデントのジョン・ドゥーナンは、ル・マン24時間レース期間中のプレスカンファレンスで最終版規則を発表したLMDhカテゴリーについて「2022年後半にそのマシンがレースをすることは技術的に可能」と発言したが、LMDhマシンが開幕からフルシーズンを戦うのは2023年からになるものと見られている。

 ドゥーナンはカンファレンス内で、2023年の開幕に「複数のマニュファクチャラー」が参戦する見込みであることを示唆。当初LMDhは2022年からIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に導入が予定されていたが、“完全な”デビューにはもう少し時間がかかりそうだ。

 本来LMDh規則の詳細は2020年3月、IMSAとWEC世界耐久選手権のジョイントイベントである『スーパーセブリング”』で発表予定だったが、新型コロナウイルスのパンデミックによりイベントが中止に。その後5月に規則のドラフトがリリースされ、9月になってル・マン・ウイークの金曜日に最終版が明らかになった形だ。

「世界的な危機により、多少遅れが生じたことは間違いない。ただし、2022年後半のある時点において、誰かが(LMDhマシンを)走らせることは、技術的には可能だ」とドゥーナンはSportscar365に述べた。

「我々はハイブリッド・パワートレーンを構成する3社の優れたパートナーを発表した」

「現在の危機を考えると、(LMDhで争う)フルシーズンのチャンピオンシップが2023年になることはイメージできる。だが、2022年の後半にいくつかのLMDh車両がレースをする可能性はある」

「IMSAサイドとしては、2023年の(開幕戦)デイトナでは、複数のマニュファクチャラーが確実に参戦していることを期待している」

 ACOフランス西部自動車クラブ会長のピエール・フィヨンは、LMDhのロールアウトのわずかな遅れに関するこのドゥーナンの発言に反応し、2022年にはLMDh車両がWECにも参戦できるようになることを確認した。

「2022年のシーズン途中に、いくつかのマニュファクチャラーが出場することを期待している。だが、それは(年間を通じた)チャンピオンシップを争うことにはならないだろう。完全なシーズンは2023年だ」とフィヨン。

 ドゥーナンはまた、「彼ら(マニュファクチャラー)がいつ、準備が整うか。それはマーケットが決めることだろう」と語る。

 LMDhに興味を示しているブランドのひとつはポルシェで、すでにその実現可能性について検討を進めている。

 だが先月、ファクトリーモータースポーツ部門の責任者であるパスカル・ズーリンデンは、タイムスケジュールを考慮すると2022年のデビューはチャレンジングであると述べていた。

 ポルシェは役員会での決定を2020年末までに行ないたい考えのようだが、その決定を待つと、早くてもマシンが完成するのは2021年6月頃になると見られ、そのマシンが2022年1月にレースデビューを飾ることは「あまり現実的でない」とズーリンデンは語っている。

 現在、IMSAにDPiマシンを送り込んでいないメーカーとしては、ヒュンダイ、レクサスが興味を示していると見られる。

■DPiを22年末まで延長。アキュラの新パートナーはまもなく発表

 一方ドゥーナンは、LMDhへの移行期間にIMSAのトップクラスの参戦台数を確保するため、現在採用されているDPiカテゴリーマシンの参戦を2022年末まで延長することを認めた。

 チーム・ペンスキーのアキュラDPiプログラムが2020年で終了することを受け、2021年のDPiの参戦台数は、2020年同等か、あるいはわずかに減少するものと、Sportscar365は理解している。

 アキュラは、ル・マン24時間レース翌週にミドオハイオで行なわれるIMSAのレースにて、ペンスキーに代わる2021年の新たなパートナーチームを発表する予定だ。

2020年限りでチーム・ペンスキーとのジョイントを終了するアキュラ

「我々には現在、アキュラ、キャデラック、マツダという3つのパートナーからコミットメントを得ている」とドゥーナン。

「彼らはプログラムを続けたいと考えており、2021年も参戦を続けるだろう」

「(LMDhの完全採用に向け)1年間の橋渡しをする必要があるのであれば、現在のスペックと現在のカテゴリー構造でのレースを我々が許可することは間違いなく可能だ」