『宇宙でいちばんあかるい屋根』藤井道人監督、映画作りの故郷・広島での凱旋舞台挨拶に出席

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2020年9月4日より絶賛公開中の映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』のメガホンをとった藤井道人監督と、美術を手掛けた部谷京子氏が広島での舞台挨拶に登壇した。

本作は、作家・野中ともその大人気小説「宇宙でいちばんあかるい屋根」(光文社文庫刊)待望の映画化。星ばあが教えてくれたあかるい屋根の秘密。懐かしくて愛おしい、大切な心を探す奇跡と愛の物語。
主人公の14歳の少女・大石つばめを演じるのは、映画初主演の清原果耶。つばめの前に現れた老婆・星ばあ役には、桃井かおりが演じる。
つばめが恋するお隣の大学生役に、伊藤健太郎。つばめの父役には吉岡秀隆、つばめの義母役には坂井真紀。そして水野美紀、山中 崇、醍醐虎汰朗など注目のキャストが出演。

9月20日広島バルト11にて舞台挨拶イベントが開催された。
藤井監督にとっては、映画作りの故郷“広島”凱旋舞台挨拶となった(2011年広島ダマー映画祭で審査委員特別賞を、12年に観客賞を受賞)。

冒頭の挨拶

藤井監督「広島の皆様こんにちは!自分にとってゆかりのある、縁のある、恩のある広島へ帰ってこれて光栄です」

部谷氏「だだいまでございます!藤井監督と広島の地で舞台挨拶にたてることは想像すらしておらずでしたので、夢のような気持ちです」

映画人生始まりの広島への想い

藤井監督「20代頃は自主映画監督をやっていまして、2011年に広島ダマー映画祭で審査委員特別賞を、12年に観客賞をいただいて、そこで 多くの海外の監督と出会ったりする中で、自分の意識がとても変わったんです。その実行委員長が部谷さんで、部谷さんと一緒に作品を撮るのがひとつの目標でした。今回が初!!なんですよ」

――藤井監督の第一印象は?
部谷氏「イメージとしては全然かわっていない。金髪だったり(笑)。東京でダマー映画祭の同窓会をやると、監督は忙しくても必ず駆けつけてくださる、頭がさがる思いでした」

――お仕事をされていかがでしたか?
藤井監督 「さすが!!!って感じです。ロケハンでバスを降りた瞬間に「ここで撮りたくな~い」って僕より先に言って...(笑)。「ですよね」みたいな。 はっきりした方がチームにいるというのは力になるし、頼りになります」

部谷氏「映画の美術は監督がつくりたい世界観をつくるために何ができるかというところが仕事。この映画で監督がやりたい世界をとらえられるかが勝 負。清原果耶ちゃんが14歳の中学生役なので、私も14歳になってがんばろうと思いました(笑)」

――現場の監督は?
部谷氏「粘り強い。監督は、もうすごく話をされます。俳優と常にお話をされていて、演出というよりかは人間関係というか、俳優と監督を超えたところでお話をされているような気がしました」

ーー『新聞記者』とはガラリと路線の違う作品。このテーマに挑んだのは?難しさは?
藤井監督「逆に『新聞記者』が急に横から入ってきたような、全く予期せぬ作品だったんです。今回の作品は、これまでは 20代のフラストレーションを自分で書いてきたんですが、家族ができて30歳になって、暗いところから光を見るのではなくて、明るいところから光を照らしてあげるような作品を、30代前半のうちにつくりたいなという想いがありこの企画をやろうと思いました」

Twitter での質問に回答

Q.とても素敵な映画をありがとうございました!一番好きな邦画になりました!監督に質問です。ラストで星ばあとつばめがダンスを踊り合うシ ーンでは、今までの大人びたつばめではなく、少女らしい笑顔のつばめで、果耶ちゃんの素も少し垣間見えるような、桃井さんと果耶ちゃんの信頼関係の集大成のような目頭が熱くなる素敵なシーンでした。あれはどのように誕生したダンスなのでしょうか?
藤井監督「あの踊りを考えたのは桃井さんなんですよ。桃井さんが「いいかい、これはね、このくらげのダンスは顔が重要なの」と、変な顔してるんですよね。水族館で踊りだしたのがあのダンスのはじまりなんです。桃井かおり発案!ポイントは口!果耶ちゃんがそれを受けてやったという。あのシーンは、いいシーンだなあとモニターを見みていたんですが、後ろでプロデューサーやスタッフが号泣しながら見ていて、いいチームだなと思った瞬間でした」
部谷氏「わたしもできますー(笑)」

Q.以前、部谷さんが手がけられた作品のお部屋のセットが、部屋の主である各登場人物の、性格、心情、生き方を表現したものだったことに感激しました。今作では、大石家全体や、つばめちゃんや亨くんの部屋、笹川くんの家、そして星ばあの居場所の屋上を、どんな思いで作られたのでしょうか?
部谷氏「今回は全編通して一枚の絵本を一枚ずつめくったような、そんな映画になればと、絵本的な感覚が入れられればなと思いやってみました。つばめちゃんの部屋の壁面に惑星が並んでいるんですが、これは宇宙に繋がっていくということで絶対やりたくて。天体模型も置いています」
――キックボードについては?
藤井監督「原作にあるんです、原作をブラッシュアップしたものです。桃井さんがずーっと LA で練習されていたんですよ」
――屋上の貯水タンクは?
部谷氏「『バグダッド・カフェ』という映画が大好きで、あの映画のようなタンクを置きたくってあのタンクにいきついたんです。でもよく考えると『バグダッド・カフェ』のタンクは、まん丸の球体ではくて、円筒形 ...。何やってるんだと思ったんですが、可愛いんでいいやと(笑)。うまく監督が活かしてくださり、桃井さんもタンクに乗っかって宇宙をみるような画もとっていただいたので感謝しています」

Q.私は本を読むと映像が頭に浮かぶのですが、趣味のイラストや漫画にしようとすると構図に苦労します。監督は原作を読んだときにある程度カット割りされたシーンとして映像が浮かんだのでしょうか。どのように頭の中のイメージを作品にするのか知りたいです。又それは原作の有無で違いがありましたか?
藤井監督「原作の有無でかなり違いがあると思います。最初に原作読む時は、はっきり輪郭がないんですよ。でも漠然と自分がやりたいことはそこにあって。脚本を書いていくと場所を決めないといけないので、場所が頭の中で浮かんできて、キャストが決まると顔が決まってくる。チームが決まると色味が決まってきて、服が決まってきて、どんどんディテールをつめていく。クランクイン直前には100%頭の中に完成されていないと駄目だと思っています。 100%固めているからこそ現場で壊せるんです」

Q.くらげのキーホルダーがとてもかわいらしくて星ばあの方からお揃いにして心を通わせていくところがとても好きです。このキーホルダーや最後の 糸電話の糸が毛糸になっているのはなにか意図があったんでしょうか?季節は夏だったのにとても温かみを感じました
藤井監督「あのキーホルダーは全部部谷さんの手作りで、僕もすごく気に入っていて一個持っているんですが、販売しているものも何個か見させてもらったんですがやっぱり思い通りのものには出会えなくて、くらげの足をレースにしたりとか手編みがいいっていうのを全部部谷さんが叶えてくれました。最後の糸電話の糸は星ばあが着ていた服の布なんです。気づいた方もいると思いますが、あの糸電話の糸はたるんでいて、なんでたるんでいたかと言うと、つばめは糸電話をやったことがなくて最後ラストのカットでは糸電話の糸がなくなっているんです。あの毛糸の糸っていうのはやっぱり人と人との繋がりのメタファーとして、部谷さんがしてくれたんだなって思います」

部谷氏「あの糸はやっぱり星ばあに繋がっているということで、星ばあの着ているなにかがいいなと思って、目立っていたカーディガンの糸をいただいてそ れを短くしてそれを繋いで作りました」

最後に挨拶

部谷氏「今日は遠くから来てくださった方もいらっしゃるかと思いますが、貴重な4連休の日曜日にありがとうございました。またこの作品を応援していただければ幸いです。ありがとうございました」

藤井監督「今日は短い時間でしたがありがとうございました。今回まだまだ話したりないですが、またこうやってみなさんにお話しできる機会があればいいなと思いますし、映画は劇場で観ていただいてこうやって直接ご挨拶できるっていうことが映画作りの一つだと思います。また次の『ヤクザと家族』という映画も部谷さんと撮りまして。また別の問題作も試行錯誤しながら進めていて(笑)それも部谷さんとですので、また劇場に広島のみなさんのもとに帰ってこられるように頑張りたいと思います」

あらすじ

お隣の大学生・亨(伊藤健太郎)に恋する 14 歳の少女・つばめ(清原果耶)。優しく支えてくれる父 (吉岡秀隆) と、明るく包み込んでくれる育ての母 (坂井真紀)。もうすぐ 2 人の間に赤ちゃんが生まれるのだ。幸せそうな両親の姿はつばめの心をチクチクと刺していた。しかも、学校は元カレの笹川(醍醐虎汰朗)との悪い噂でもちきりで、なんだか居心地が悪い。つばめは書道教室の屋上でひとり過ごす時間が好きだった。ところがある夜、唯一の憩いの場に闖入者が―。 空を見上げたつばめの目に飛び込んできたのは、星空を舞う老婆の姿!?派手な装いの老婆・星ばあ(桃井かおり)はキックボードを乗り回しながら、「年くったらなんだってできるようになるんだ―」とはしゃいでいる。最初は自由気ままな星ばあが苦手だったのに、つばめはいつしか悩みを打ち明けるようになっていた。

映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』

絶賛公開中

出演:清原果耶
伊藤健太郎 水野美紀 山中 崇 醍醐虎汰朗 坂井真紀 吉岡秀隆 桃井かおり

主題歌:清原果耶「今とあの頃の僕ら」(カラフルレコーズ/ビクター)
作詞・作曲・プロデュース:Cocco
脚本・監督:藤井道人
原作:野中ともそ「宇宙でいちばんあかるい屋根」(光文社文庫刊)
配給:KADOKAWA
© 2020『宇宙でいちばんあかるい屋根』製作委員会