無観客のル・マン24時間、コロナ禍でも「中止は考えなかった」とACO会長

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 ル・マン24時間レースを主催するACOフランス西部自動車クラブのピエール・フィヨン会長は、無観客でのレース開催が「大きなチャレンジ」だったことを認めつつも、コロナ禍にあってもレースをキャンセルするという考えはなかったと明かした。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、6月から9月に延期され、無観客で開催された2020年のル・マン24時間レース。88回の歴史のなかで、9月にレースが開催されたのは2回目のことである。

「これは挑戦だった」とフィヨン。

「3月の初めには、レースを延期する必要が生じることなど、想像もできなかった」

「だが、その後我々は9月への延期を決定した」

 当初は限られた数の観客の入場を許して、サーキットを複数の“ビレッジ(=村)”に区切り、それぞれの最大収容人数を5000人とするという試みが発表されたが、夏の間にヨーロッパで感染が拡大したことにより、無観客での開催を決定した。

「フランスでは、5000人を超えるイベントは開催できないという制約がある」とフィヨン。

「残念ながら8月15日以降も新型コロナウイルスは依然蔓延しており、安全を保ちながら観客の入場を許すということが合理的でないことに気づいた」

「我々にとっても非常に悲しい決断となったが、レースを開催するということが極めて重要だった」

「地方自治体と協力することは、挑戦だった。この(新型コロナウイルス対策の)プロトコルを適用することは、すべてのチームとACOにとって、非常に大きな仕事だった」

「今日、レースは開催された。これは我々にとって大きな成功である」

 レースをキャンセルすることが検討されたかと尋ねられたフィヨンは、チームの収益構造を維持するため、イベントを開催することの重要性を強調した。

 パドック全体が5000人の“バブル”に入れられ、ブガッティサーキットの外側(公道区間)に位置するマーシャルやスタッフは、サーキット内に立ち入れないという運用がなされた。

 バブル内の人間にはCOVID-19の検査を受け、陰性であることが求められ、またいつ何時でもマスクを着用する義務があった。

「このレースを開催するために動いてくれた、すべてのチームと人々に満足している」とフィヨン。

「もちろん、(この状況下で)レースを開催するということを恐れてはいた」

「だが、キャンセルするということは考えかった。なぜなら、チームには(スポンサー収入という)収益構造があり、キャンセルとなればそれは彼らにとって難しい状況を招くからだ」

「今日、レースを成功裡に終えられたことを誇りに思う。感染対策のプロトコルを策定するにあたり、力を貸してくれたFIAに感謝したい」