兄弟姉妹のおこづかいの金額の決め方、上の子どもからの文句にはどう対応すればいい?

おこづかいをはじめるタイミングって、家庭によってその時期はさまざま。

兄弟姉妹がある家庭で、すでに上の子どもが中学生や高校生になってしまっていて、おこづかいの金額もルールもじつは曖昧のままというケースをよく聞きます。下のお子さんにおこづかいをあげたいけれど、上の子から自分のその学年の時のおこづかいの金額より多いなどのクレームを受けてしまったという相談も。

子どもたちのためにお金の教育をしようと始める準備をしたけれど、子どもたちから文句があがってしまったら、どう対応したらいいでしょうか。


兄弟姉妹のおこづかい事情

子どもが2人以上いる場合で、下の子どものおこづかいスタートのために金額をきちんと決めたにも関わらず、上の子から自分のときよりも金額が多いなどと文句をいわれることがあります。

「上の子どものときは、おこづかいの金額をなんとなく決めて、なんとなくあげていた」「しかし、お金の教育は大切だし、おこづかいについて、ルールを決めてちゃんと行いたいと、考えたときには、すでに上の子どもは大きくなってしまった……」「下の子どもはまだ、おこづかいはあげておらず、このタイミングではじめる」というパターンです。

このほかにも、子どもたちにはおこづかいは与えていたが、特にルールも決めていない状態なので、あるタイミングできちんとしておきたいという家庭もあります。

子どもごとの教育方針でオッケー!

おこづかいの金額やそのやりくりの範囲は、子ども一人一人が違って当然。おこづかいをきちんと考える時には、子どもにあった教育方針を考えてからはじめます。

教育方針は親だけに留めておくのではなく、子どもに伝えることがとても大切なのです。まずは、子ども一人一人に、親の考えを伝えましょう。そして、おこづかいの話もしてみましょう。

歳が近い兄弟姉妹でしたら、おこづかいの金額が同じになることも考えられます。また、上の子の金額が下の子よりも多くなければいけない決まりはありません。

子どもの特性と成長にあったおこづかいのかたち、やりくりの範囲、そして金額を親子で話し合ってください。

すでにおこづかいをもらっていた上の子がいれば、納得してくれるのに、時間が必要かもしれません。しかし、ここをあやふやにしてしまうと、後々、子どもたちとのトラブルになってしまう可能性があります。

長女中学2年生、二女小学3年生の例

ある家庭の保護者の方が、小学3年生の子どもを連れて「お金のしつけ」に関する講演を聴きにきてくれていました。おこづかいの話や、わが家のエピソードなどをお伝えしたのですが、おかあさんといっしょに来てくれていた小学3年生の子どもがおこづかい制度にとても乗り気ですぐにやりたいと話していたと伺いました。

この家庭には、中学2年生のお姉さんがおり、そのお姉さんもおこづかいをもらっているとのこと。

しかし、おこづかいをもらえるようになったのが中学1年生からだったので、下のお子さんが小学3年生からおこづかいをはじめることに、不公平に感じているといいます。

上のお姉さんにしてみたら、自分だって小学3年生からおこづかいをもらいたかった…と思ったでしょう。もしかすると、上の子どもにとって「うちのおこづかいは中学生になってからだ」と理解していたのかもしれません。

さらにこの上のお姉さんからは、「本来なら自分がもらえるはずだった小学3年生からのおこづかいの分を欲しい!」という要望があがったそうです。その気持ちはわからなくもありません。

わが家流の教育方針を伝えることから

下の子どもはやる気満々。しかし、下の子がおこづかいをはじめるとしたら、上の子から不公平だというクレームがあがる。

先ほどもお話したように、この家庭においても、お子さんのそれぞれの成長や特性にあったおこづかいの金額とやりくりの範囲であればいいと思っています。

そのためには、親は子どもたちに、「わが家ではおこづかいを通じてお金の教育をしていきたい」という宣誓をしなければなりません。その時期は上の子が小学生のうちではなかったことは親としても残念に思っていると素直な想いを伝えてみてもいいでしょう。

上の子どもにも値上げのチャンスを

おこづかい制度を取り入れると、単にお金を与えることではなく、お金を使ったり、お店の人とやり取りをしたり、価格を調べたりすることで経験を積むことができます。もちろん、失敗することもあります。

小学生のうちは、これらの経験をもとに心を育むことができます。中学、高校生になればおこづかいを使う範囲も広がり、経験値もグンとふえていきます。この積み重ねは生きる力をつけるものと考えています。

わが家の教育方針は、まさに生きる力を身に付けてほしいという目標の下に考えていました。長女には、お金の管理だけではなく、経済や投資の知識も身に付けてほしいと考えていました。長男は、生活するための基礎的なルールと、そのためのお金の管理や考え方を身に付けてほしいと考えていました。
その子の特性をよく理解している親だからこそ、方針や目標が立てられるのだと信じています。

子どもたちには、お金に関わってほしいなどのわが家流の教育方針を伝えてほしいと思います。そのうえで、おこづかいについて、話し合いをしてほしいのです。

先ほどの例では、上の子どもの今のおこづかいの金額が彼女に合っているとは限りません。下の子がおこづかいをはじめるからその子だけにおこづかいをあげればOKというわけではなく、上の子のおこづかいについても、あらためて再検討をしてあげる必要があります。

上の子はおこづかいの金額が足りなくなっていて、困っているかもしれません。値上げの交渉を上の子にさせてあげる良い機会にもなるのです。


兄弟姉妹がいれば、兄弟姉妹間に生まれる不公平感は生じます。それはおこづかいに限らず、習い事、洋服など子どもにかかるお金すべてにおいて同じこと。

子どもたちに理解してもらうには、親の考えを持つこと、そして、それは子どもたちのためを思ったわが家オリジナルの教育方針であることを丁寧に伝えてみることが大切なのではないかと思っています。

© 株式会社マネーフォワード