年収1200万でも老後破産の危険!43歳独身女性の家計のどこが問題?

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読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回の相談者は、43歳、会社員の女性。老後の備えに何をしたらいいかわからないとお困りとのこと。年収1200万ほどもある相談者ですが、このままだと老後破綻の危険も⁉️ FPの秋山芳生氏がお答えします。

独身でライフイベントがないためどのように資産を形成していけばいいのかわからない。iDeCo、つみたてNISAなどはやっているが、それ以外に何をすればいいのかわからない。

【相談者プロフィール】

女性、43歳、会社員、未婚

同居家族について:なし

住居の形態:賃貸

毎月の世帯の手取り金額:60万円

ボーナスの有無:あり

年間の世帯の手取りボーナス額:140万円

毎月の世帯の支出の目安:50万円

【毎月の支出の内訳】

住居費:10万5,000円

食費:7万円

水道光熱費:1万5,000円

教育費:0

保険料:3万円

通信費:6,000円

車両費:0

お小遣い:特に決めていない

その他:特に決めていない

【資産状況】

毎月の貯蓄額:6万円

ボーナスからの年間貯蓄額:20万円

現在の貯蓄総額:900万円

現在の投資総額:600万円

現在の負債総額:0


秋山: ご質問いただきありがとうございます。ファイナンシャルプランナー兼FP YouTuberの秋山芳生です。今回は、非常にタンパクなご相談ですね。

いや、もしかすると、タンパクなのではなく、本当に何を聞いたらいいかわからない、何をすればいいのかわからないという心の叫びなのかもしれない……。だとしたら全力でサポートしないといけない、と思い、今回は妄想も含め、気になるポイントをお話していきたいと思います。

年収1200万に対して貯金が少なめ

まず、ご収入が非常に高いですね。毎月60万円の手取り、年間ボーナス140万円が入ってくるということは、額面にすると1,200万円を超えてるのではないでしょうか。その上で、毎月の貯蓄が6万円、ボーナスから20万円ほどしか貯蓄ができていないことは気になります。ご年収とご年齢から考えると貯蓄900万円は少いと思われます。

攻めは強いけど、守りはボロボロ、しかも現状把握ができていないということだと思います。今の状態をサッカーに例えて言うなら、ゴールキーパーが辛うじて一人守っているけど、フィールドプレーヤーはディフンスを放棄して常に敵陣に攻めている状態。しかも肝心の監督は寝っ転がって試合中にYoutubeを見ているような状態です。

「え……そこまでひどくないでしょw」と思われるかもしれませんが、このままの家計が続いたらどうなるかの資産推移のシミュレーションを組んでみましょう。

このまま老後を迎えるとどうなるか?

頂いている情報が少ないので、こちらで前提条件を組んでいます。

・今後も独身を続ける前提にしています
・2年に1回は家賃の更新が発生
・10年に1回は引っ越しがあり敷金礼金や引っ越し代で50万円が発生
・保険は3万円のうち2万円を貯蓄型とし65歳で満期として計算
・65歳で退職
・老後は現役時代の8掛けの生活費に抑える
・iDeCo2.3万円、つみたてNISAは3.3333万円を3%の複利運用で計算

するとどうなるでしょうか?

こちらは資産推移のグラフになりますが、69歳で資産ショートしているのがわかると思います。

この他に、ご自身の介護費用や、ご両親がご健在でしたらご両親の介護費用なども発生すると考えるとさらに厳しいものになると思います。

高収入の人のありがちな問題点

さて、年収が高いのに、なぜこうなるのでしょうか? 今回は根本原因から考えてみたいと思います。先程お伝えしたサッカーの例にたとえると、ディフェンスができていないということは、支出のコントロールができていないということになります。また、監督が機能していないというのは、家計把握と将来のシミュレーションができていないと言うことになります。

家計のところで一番気になるポイントは、お小遣いの金額を特に決めていないで、結果的に貯蓄に回せるお金がほとんどなく、ボーナスもほとんど残っていないことです。おそらく家計簿をつけて細かく把握されていないと思います。

年収の高い家計に多い傾向ですが、「仕事頑張って、けっこう稼いでるんだから、たいして贅沢しているわけじゃないし、これくらいはご褒美だから大丈夫」と、支出の目処もつけずに買い物をしていないでしょうか? ファッションや化粧品、美容には「自己投資」と無制限にお金を使っていないでしょうか? または通販などでは「レコメンドされた今しかこの商品を買う機会がないかも」と刹那的な衝動買いをしていないでしょうか? また、「ボーナスが出たら旅行に行く」という習慣ができあがり、旅行で散財することを生きがいに働いていないでしょうか?

家計を把握する習慣をつくらないと、いくら稼いでもバケツに大きな穴が空いている状態ですので貯蓄はたまっていきません。まずは、マネーフォワードMEやその他の自動家計簿アプリなどを活用して自分の支出を把握する習慣をつけられると良いと思います。

具体的にどこを改善すればよいか?

改善ポイントとしては、食費の7万円と保険の3万円が気になりますね。

食費は、一人暮らしで7万円かかっているのは高額だと思います。またお一人様で保険に3万円もかける必要はないでしょう。貯蓄型の保険の可能性が高いと思いますが、今の貯蓄額からも、もしもの時に誰かに残すことを考える必要はないのではないでしょうか。資産を増やしていきたい、貯蓄をしたいということであれば、投資を勉強してちゃんと運用にまわしていくとよいでしょう。

ご収入も高くいらっしゃるので、お仕事はお忙しいのではないかと思います。ストレスがたまることもあるかと思いますが、刹那的な支出に走らず、貯蓄に回すお金や資産形成はしっかりと考えて設計されると良いと思います。また、健康で職能が高い状態であれば年収をキープしたり上げていくことも十分に考えられますが、例えばご両親の介護などがあり、ごきょうだいがいない場合、仕事をキープすることが難しくなる局面もでてくるかもしれません。

月の支出50万円を20万円減らすことができれば

ちなみに、月の支出を20万円減らして貯金した場合のシミュレーションがこちらです。

女性は長生きすることが多いので、95歳以上まで生きることも珍しくありません。そう考えると、やはり90代後半までは資産が残る状況を考えたいものですよね。月の支出から20万円減らすということは、家計をしっかり把握することや、マインドセットも含めて考え方を変えていかないと達成できないかもしれませんが、リアリティを感じる為にも、詳しくライフプランニングを組んでみてるとよいでしょう。

長期目線でみたときに、生涯独身だったときに、自分自身の介護にも費用がかかるかもしれないなどと、リアルに想像できれば生活のスタンスを切り替えていけるのではないでしょうか。

その上でご自身の人生を再度デザインして、長期目線で「生涯でいくら稼ぎ」「生涯で、いついくら使うか」を検討されると良いと思います。そもそものご収入が非常に高いので、攻めの力を守りにまわしていくことで資産状況は劇的に改善していくと思います。

以上、参考になれば幸いです。