「国際平和デー」に響く鐘 長崎の被爆者ら、恒久平和願う

青空の下、平和を願い「長崎の鐘」を鳴らす参加者=長崎市、平和公園

 国連が定める「国際平和デー」の21日、被爆者らが長崎市松山町の平和公園で、世界の恒久平和を願い「長崎の鐘」を鳴らした。
 国連は9月21日を「世界の停戦と非暴力の日」とし、全ての国と人々に敵対行為の停止を働き掛けている。長崎市も活動に賛同。2013年から寺院や教会に一斉に鐘を鳴らすよう呼び掛けている。
 平和公園では、県被爆者手帳友の会会員や公園を訪れた観光客ら約30人が正午から約1分間、綱を引き鐘の音を青空に響かせた。福岡県春日市から訪れた会社員、吉岡治樹さん(37)も家族4人で参加。「(娘2人に)平和公園などを見せたいと思って来たが、貴重な体験をさせてもらった。核のない平和な世界であってほしい」と願った。
 一方、同公園と県護国神社(同市城栄町)では、名古屋市の任意団体「和プロジェクトTAISHI」が平和とコロナ禍の収束を願う「奉納揮毫(きごう)」を開催。福岡県を拠点に活動する書道家の杉田廣貴さん(37)が同公園で、長崎日大高書道部員が同神社で、平和への願いを込めて力強く筆を振るった。

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