ギル系ルアー『ゾーイ』愛用者4人に訊く「ゾーイを使う理由」

濱田禎二さんが製作するバス釣り用のギル系ルアー『ゾーイ』。その人気は名だたるプロも御用達とするほどだ。今回は自らが勝つための手駒としてゾーイを選ぶバスプロ、川村光大郎、金森隆志、藤田京弥、山木一人の4名に、このルアーのどこがどう凄いのか、釣れる秘密を訊いてみた。

川村光大郎「ギルがいなくても、釣れてしまう凄さ!」

川村「人づてに存在を知って、買って使うとすぐに釣れましたね」

当初はゾーイ、後にジョイントゾーイを手に入れ今も現役だという。テールラバーをタイイングして補強するのが川村流とのこと。

ゾーイ(T.H.タックル)
ジョイントゾーイ(T.H.タックル)

川村「中層ただ巻きでi字系からのトゥイッチ、速巻きでウェイキングボトム放置と、こんな多才なルアーは他にはありませんね」

トゥイッチを絡ませるi字引きに、表層でのウェイキング、ボトムに置いた上でリアクションを狙う…等々、使い方の幅の広さがゾーイの魅力の一端だ。

金森隆志「直球で言うなら…ズバリ、ハリが多い!」

金森「ギル型それぞれに良さがあって、ゾーイもお気に入りのひとつです」

カナモのギル系プラグに対する熱い思いはすでに解説済み。i字系としてゆっくり引いたり、ボトムで立つゾーイの特性を利用して、放置からのリアクションバイトを狙うのだという。

また、金森さんはゾーイがそのサイズ感に反してフックの数が多い点にも着目する。

金森「バフッとひと口で食ってくれる魚ならいいけど、ボディにアタックする魚も少なくない。その場合、せっかくヒットがあってもハリ掛かりに持ち込めないこともあります。その意味で全身にフックを備えているゾーイは非常に優秀。最終的には『獲る』ことが一番大事ですからね」

藤田京弥「謎の魅力を持つルアーのひとつですね」

藤田「なぜか釣れてしまう魅力を持つルアーっていくつかあるんですけど、そのひとつがゾーイです」

『なぜか釣れてしまう魅力』…。いったいどういうことだろう?

藤田「ルアーとしての魅力です。エサに似てるとか、そういうことじゃないんです」

藤田さんのジョイントゾーイは18JBトップ50七色ダム戦における劇的な優勝ほか、数多くの大会で入賞に貢献した。魔性がそこに…?

京弥さんのマネーベイト・ジョイントゾーイのカラーは#野池ギルだが「見る角度で色が変わる塗装で、初期ロットのみのレアもの」なのだという(製作者・濱田禎二談)。藤田の言うゾーイの『魅力』を解くカギは、こういうところにも詰まっているのかもしれない。

現在は#F(復刻)野池ギルとして限定発売中だ。

山木一人「拾って使ったら釣れた(笑)

2013JB河口湖B第2戦、山木さんの優勝ルアーがリトルゾーイ。その使用法はいかに?

山木「ピチャンと落としてスラックだけ回収。ボトムに着くまでに食ってたよ」

i字系として使ったわけではない?

山木「だって、当日の朝に係船ロープの深い所に引っ掛かってたのを救出して使っただけもん、詳しい使い方なんて知らねぇよ(笑)」

大会当日に拾った使い方のわからないリトルゾーイで優勝してしまう山木さんの胆力も流石だが…。

分からなくても釣る&釣らせる「山木さんとリトルゾーイ」両名のポテンシャルの高さが伺えるエピソードと言えるだろう。

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