核禁締約国会議 日本政府にオブザーバー参加を要求 ICAN川崎氏

核兵器禁止条約の展望についてオンラインで講演する川崎氏

 非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲国際運営委員は21日、核兵器禁止条約の展望についてオンラインで講演した。条約発効後1年以内に開かれる締約国会議に向け「被爆国の日本政府は少なくともオブザーバー参加すべきだ」と訴え、条約批准に向け国会での議論の開始も求めた。
 発効に必要な50の批准国・地域まで残り6に迫り、川崎氏は年内か年明けにも発効する可能性があると指摘した。締約国会議では批准国を増やす取り組みや、核保有国が批准した場合の核兵器解体の期限をはじめ、核実験被害者の援助や環境回復も議論される見通しで「日本は貢献しないといけない」と強調した。
 1999年の対人地雷禁止条約発効で、批准国以外も地雷を使わない規範意識が高まったとして、核禁条約で「核保有国の肩身は狭くなる」と語った。「核兵器には核兵器で対抗するという考えは原始的」と批判し、国際協力による軍縮が必要と述べた。被爆100年となる2045年までの核廃絶を目標に掲げた。
 講演は、国連が定める21日の「国際平和デー」に合わせて開き、約160人が聴講した。

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