デスク日誌(9/22):おらほの首相

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 2006年秋のこと。第1次安倍晋三内閣で総務相に就いた菅義偉氏の執務室にあいさつに行った。名刺交換の際、当方が秋田市出身であることを告げると、途端に相好を崩し、「俺は湯沢だあ」となまった言葉が返ってきた。

 菅氏が当時、何より優先して手掛けたのが地方分権改革推進法。内閣発足直後の臨時国会に法案を提出し、会期末には成立させた。なまりのある温厚そうな外見からは想像できない手際の良さと突破力に感心したものだ。

 正直、首相になるとは思わなかった。秋田弁で言えば「どでんした(驚いた)」。選挙区が神奈川であろうと、秋田は「おらほの首相」誕生に沸き立っている。いずれは銅像を建てる計画も進んでいるらしい。

 農家出身でたたき上げの経歴が好感度を高めているようだ。ここまで上り詰めるには人知れぬ努力があったに違いないが、生き馬の目を抜く「したたかさ」も欠かせなかったはず。

 政治課題は山積している。「ここ一番」でたたき上げのすごみを発揮できるかどうか。ひいきしたくなる同郷の感情は抑えて、まずはお手並み拝見。 (報道部次長 成田浩二)