熊本地震と7月豪雨、被災経験の小中学生交流 益城町と人吉市

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豪雨災害で被災した小学生の遊び相手をする益城町の中学生ら(手前)。熊本地震を振り返り「自分がしてもらったことを返してあげたい」と話した=21日、人吉市の西瀬小

 熊本地震を経験した益城町の中学生らが21日、7月の豪雨災害で被災した人吉市の小学生らと遊びを通して交流した。地震直後に不安を抱える中、ボランティアと遊んでもらった記憶が残る生徒たち。「人吉の子どもは4年前の私たち。恩返しがしたい」と一緒になって歓声を上げた。

 豪雨災害後、人吉市と球磨村で子どもたちの学習支援や居場所づくりを続けるNPO法人カタリバ(東京)が企画。益城町の木山中と益城中の12人が人吉市の西瀬小を訪れた。

 同市からは小学生を中心に約10人が参加。男の子はサッカーやバスケットボール、女の子はブロック遊びやカードゲームなどを中学生らと夢中になって楽しんだ。

 地震の際も、多くのボランティアが被災した子どもらを支えた。その記憶が益城町の中学生には残っている。

 自宅が全壊した木山中2年の井上心愛[ここあ]さんは、避難所で大学生らと段ボールで椅子やバッグを作った思い出がある。「遊んでもらっているときだけは地震の怖さを忘れられた」と振り返り、「自分がうれしかったことを人吉の子たちに返してあげたい」と話した。

 車中泊を2週間経験した同校2年の大滝美晴さんも「被災した子たちを元気で笑顔にしたい」と意気込んだ。

 児童の中には足元から水かさが増す恐怖を経験した子たちもいる。西瀬小3年の高村龍正君が「胸まで漬かってばあちゃんちまで逃げた」と話すと、妹の1年生こはるさんは「私は顔まで漬かったけど、お父さんがいたから大丈夫だった。お兄ちゃんたちとボール遊びをするのが楽しい」と笑った。

 ボランティアで参加した保育士の吉田美和さん(56)=人吉市=は「避難所では子ども同士のトラブルが起きるなど、ストレスによる荒れが目立つ。日によって不安定な子もおり、見守りが欠かせない」と話す。

 カタリバの井下友梨花さん(32)は「益城の中学生も同じように被災し、自分なりに考えて接しているようだ。年が近いお兄さん、お姉さんと遊べて子どもたちが楽しそう」と手応えを語った。(福井一基)