大学祭中止、苦渋の決断

「悔しい」「自分たちで作りたかった」

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 毎年10月に県内各地のキャンパスで開かれる大学祭が新型コロナウイルスの影響で軒並み中止となっている。学生だけでなく地域住民や高校生らでにぎわい、大学の魅力を発信する恒例イベントだけに、実行委員会の学生たちは「苦渋の決断だった」と残念がる。オンラインでの作品・活動の発表や、小規模なイベント開催など代替策を検討する動きも出ている。

 山形大小白川キャンパス(山形市)の「八峰祭(やつみねさい)」は取りやめとなった。代替策として対面授業が始まる後期からキャンパスに足を踏み入れる1年生を対象に、部活やサークルを紹介する「新歓祭(しんかんさい)」を開催する予定だったが、これも8月に中止が決まった。今後、大学広報の会員制交流サイト(SNS)などで各サークルや部活の情報を発信する予定といい、実行委員長の一条敬洋さん(20)=理学部2年=は「1年生に楽しんでもらおうと準備を進めていたので、残念で申し訳ない。来年は規模を拡大して開催できれば」と語った。

 米沢市の山形大工学部、米沢女子短期大、米沢栄養大の3大学合同で開催していた「吾妻祭」も中止に。実行委員長の新渡戸大洋さん(20)=山形大工学部3年=は「お化け屋敷を中止し、アーティストライブでは間隔を開けるなど『3密』対策を施した上でなんとか開催できないか考えたが、厳しいとの結論になった」と説明。「(台風の影響で期間を短縮せざるを得なかった)昨年の悔しさを晴らしたかった。自分たちの祭りを作りたかった」と悔しがった。小規模な代替イベントを検討している。

 山形市の東北芸術工科大は6月に実行委員の学生と大学側がビデオ会議アプリを利用して「芸工祭」の開催可否を協議した。学生と地域住民の感染リスクや準備期間の短さなどを考慮し、中止を判断した。「学生作品の販売など新しい試みも企画していただけに苦渋の決断だった」と、実行委員長の加藤裕也さん(21)=デザイン工学部3年。SNSなどを利用して学生の作品や取り組みを紹介する案も浮上している。

 同市の東北文教大は学生からアンケートを取り、8月上旬に「東北文教祭」の中止を決断した。実行委員長の阿部真結さん(20)=人間科学部3年=は「昨年は台風の影響で1日目の午前中のみの開催で不完全燃焼の学生も多かった。今年も開催できず悔しい」。オンラインでの文化部の発表を検討しており、「毎年楽しみにしている人のために、各部の部長と話し合い、実現させたい」と意気込みを口にした。

 一方、酒田市の東北公益文科大の「公翔祭」は開催される。ただ、10月17、18の2日間の予定を18日の1日に短縮、学生のみが参加できる方式に変更する。模擬店の出店もしない方針で、新型コロナの感染拡大の影響で、春先に新入生に課外活動などを紹介する機会が少なかったこともあり、担当者は「クラブやサークルの発表や活動紹介が主体になりそうだ」と苦しい胸の内を明かす。例年、同時開催していたオープンキャンパスは予定通り行う。予約制にし、高校生1人に保護者の同伴は1人までと人数も制限する考えだ。