中村七之助と永山瑛太がW主演! 天才絵師・伊藤若冲と僧侶・大典顕常の絆を描く

中村七之助と永山瑛太がダブル主演務める正月時代劇「ライジング若冲 天才 かく覚醒せり」が、2021年1月2日に、NHK総合とBS4Kで放送される(時間未定、後日BSプレミアムでも特別編を放送予定)。

同作は、老若男女を問わず人気がある江戸時代の絵師・伊藤若冲(1716~1800年)の謎に包まれた実像を、綿密な考証と大胆な仮説に基づき、初めて本格的にドラマ化。「奇想の画家」と呼ばれた若冲(七之助)と、終生の最高の理解者であり、名プロデューサーでもあった美しき僧侶・大典顕常(永山)の深い心の絆で結ばれた交流と、若冲の最高傑作「動植綵絵(どうしょくさいえ)」(全30幅)の誕生の秘密を描き出す。作・演出は、同局の「京都人の密かな愉しみ」「スローな武士にしてくれ」を手掛けた源孝志氏が務める。

七之助は「若冲の絵は歌舞伎役者になじみの深い浮世絵とは全然違う色合いで時代を超えています。脚本では芸術家が仏教者という違う世界の人間とコラボするのが面白いと思いました。若冲自身は激しい起伏のある人間ではありませんが、大典たちとの出会いによって段々と変わっていく、それまで見つけられなかったものを見つけていくさまを演じられればと思います。不器用だけど大典とは深いところでつながっているさまを見せたいと思います」と意気込みを語る。

永山は「源監督が想像し、描こうとしている江戸中期の美術史の黄金時代はエンターテインメントに富んでいました。伊藤若冲は『技を持ってして売る事を求めるばかりで、未だに技の領域からさらに進んでより深い表現に達した者をみない』と語っていたと、大典顕常は書き残しています。私は七之助さんと共に新境地へ向かい、この現代に生きる方々へ、日本の素晴らしさを再確認できるような作品にできるよう、私自身、精進して演じきりたいと思います」と気合十分で作品に臨んでいる。

また、千載具眼の徒を俟つ(せんざいぐがんのとをまつ)」(千年後に理解されればいい)などとカッコいい言葉を残したこともあって、今まで“孤高の偏屈”というイメージが強かった若冲。しかし、史実をひもとくと、18世紀・京の都に生きた若冲の周りには、ビジュアルも言葉も刺激的な美意識高い系の男たちが群がっていたという。そんな若冲をめぐる人物として、路上で茶をたてる謎の仙人・売茶翁役に石橋蓮司、山登り大好きアウトドア派画家・池大雅役で大東駿介と愛妻・玉瀾役で門脇麦、貧しい農家出身ながらセレブ御用達の画家に上り詰める円山応挙(岩次郎)役で中川大志も出演する。

中川は「この時代の画家さんとはなじみがなく知識も少ない状態でしたが、台本を読んでとてもテンポがよく、エンターテインメントとしてワクワクしました。決して硬すぎずコメディーの要素も多く、僕の役はコメディー担当でお客さんの目線に近いと思っています。台本から遊び心がいっぱい伝わってきているので、どこまで遊べるか楽しみです。若くて、エネルギッシュで、パッションにあふれたキャラにしたいと思います」と役柄を分析し、役作りに励んでいる。

大東は「もともと美術館に行くのが大好きで、絵を見て、作者の歩みや見た風景などを想像するのが好きでした。今回、絵画指導の先生に池大雅の描き方を教えていただき、指で山水画を表現しようとしたら、大雅が見た風景が立体的に見え、彼の感性が自分に伝わってくる気がしてドキドキしました。好奇心を持って日本中を旅した人なので、自分も好奇心をもって自由な心で演じたいと思います」と意欲満々。

そして「台本をいただいた時からすてきな作品になる予感しかなく、本読みでその予感が確信に変わりました。参加させていただけて光栄です」と出演を喜ぶ門脇は、「アニメーションなどの演出もあるようで、私も今から完成が楽しみです。出番が多い役ではありませんが、一つ一つに心を込めて演じたいと思います」とメッセージを寄せる。

さらに、石橋は「売茶翁は、見てくださる方々にとってもあまり知られていない人物だと思いますので、自分の演技に売茶翁のイメージがかかっているかと思うと緊張します。有名な人物を演じる時は逆に崩してやろう、と思うのですが…(笑)。ヨーロッパには画家や詩人のサロンがあったことは知っていましたが、かつての京都にも文化サロンがあり、芸術家たちが支え合い本質的なつながりをもっていたことに感じ入りました。若冲や大雅などの作品の中に売茶翁の存在が表われているかもしれないと思うと責任を感じます」と語っている。

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