「坂口涼太郎みたいな中学生はいないのか」『恐怖新聞』キャスティング秘話

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俳優の坂口涼太郎が、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『恐怖新聞』(毎週土曜23:40~)で演じる役柄への思いなどを語った。

独特の風貌と演技で“クセメン”俳優として話題の坂口。第1話から毎度ベランダ越しに詩弦(白石聖)と話す、隣人宅の病弱な息子・片桐ともをとして登場し、詩弦が相談するたびになぜか心情を察したかのような言葉をかけてくれていたが、第3話のラストで実は恐怖新聞の配達人・鬼形礼であると判明した。

つのだじろうの原作では主人公だったキャラクターの違う形での登場に、SNSでは「お前が鬼形礼だったのか!」とファンがざわつき、「あの笑み、夢に出てきそう」と視聴者の恐怖心をあおっている。

――オファーされたときの感想は?

すごくうれしかったですね。きっと、原作の漫画を読まれている方は「鬼形礼」って言葉が出てきたときに「ハッ!」って思ってくださると思うんです。これは人づてに聞いた話なんですが、当初、鬼形礼役をキャスティングする際、中田監督が「坂口涼太郎みたいな中学生はいないのか」っていう探し方をしてくださっていたみたいです(笑)

――原作での鬼形礼は中学生の男子ですものね?

そうなんですよ。結局中学生ではなく僕が演じさせていただくことになり、すごくうれしかったです。初めて監督やプロデューサーと顔合わせをさせていただいたときは「鬼形礼っていう名前の役なんだけれども、原作の鬼形礼ではない」ということを言われました。 中田監督の鬼形礼のイメージが、僕の容姿とか風貌だったようで、髪型はこのおかっぱのままでよいと即決。でも、僕の衣装については衣装さん他スタッフの皆さんが結構迷っていたんです。そんなときに中田監督のアイデアで、この白い衣装になりました。病床にいる人にも、何かを崇拝しているような宗教的な感じにも、民族衣装のようにも見えて、すごくいいですよね! 現場で最初に見たとき「おーーっ!」となりました!

――原作と、役づくりについて。

この作品をやるうえで、まずは原作を読んだんです。原作にリスペクトを捧げて、あの世界観をちゃんと踏まえたうえで、原作とスピリットは同じだけれどちょっとオリジナルを入れていければいいなと思いました。

ドラマでは、正体が明かされる3話のラストまでは片桐ともをだと思わせないといけない。けれども、原作漫画のなかで鬼形礼は摩訶不思議な経験をたくさんしていて、抗えないものに対して希望を持って行動したけど結局駄目で、最終的には恐怖新聞の配達人になってしまう…自分がそこに行き着かなければいけなかった何か運命みたいなものがあった人。普通そういう体験をしたりすると絶望して、この世界や人間に対して達観したような感じになってしまうと思うんですよね。

だから僕は少しホトケ感というか、この世界や人間に対して思念があり、俯瞰している部分がある鬼形礼をアルカイック・スマイル(※ギリシア初期の彫像や日本の飛鳥時代の仏像に見られる微笑)で表現できないかなと思いました。

そういう表情や佇まいで視聴者の方が「お隣のともをくんは、病気しているのかな? 引きこもっているのかな?」ってミスリードをしてくださるんじゃないかなって。同時に“独特で不思議な雰囲気”にも見えるように、登場時のファースト・インプレッション(第一印象)から、いろんな見方ができるといいなと思って演じていました。

――中毒性がある本作の中で、中毒性の塊のような役ですよね?

話が進むにつれてどんどん正体が明かされて、何が本当であるかもわからない。でも最後には謎が解けてすべてが明かされるという…。いろんなところに伏線が隠されていて、最終話まで見たらもう一回最初から見たくなる作品だと思います。

僕の役だけでなく、いろんなキャラクターの謎がどんどん明かされていくので、いろんな想像をして見ていただきたいですね。僕は、すべての表情・行動・言い回しに意味を持たせて演じて、後から見たら「アレこういうことだったのか!」っていう気づきのタネを毎回まいているつもりです。それを視聴者の皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

――主演・白石聖さんの印象は?

白石さんはすごく芯が強くて、本当にお芝居が大好きなんだろうなというのが伝わってくる素晴らしい方です。今回は巻き込む役(坂口)と巻き込まれる役(白石)でしたので、その役をお互いに生かすために、なるべく本物を宿せるように本番にすべてを注ぐ…。お互いそのことしか考えていなかったですね。詩弦と鬼形はどんどん心が通っていくのですが、実は裏切りがあるので、どうやって騙し騙されるかっていうね(笑)。そんな現場ならではの純度の高い雰囲気が、すごくいい空気となって映っているんじゃないかなと思います。

――視聴者に向けてメッセージをお願いします。

自分が関わっているからではなく「こんなに面白いドラマってなかなかないよー」と言いたいです。人間の美しさや汚さ、普通はさらさないような醜い部分、でも誰もが心に秘めている鬱屈したものをすごく表現しています。ホラーとか関係なく、見ている人がスカッとしたり、どこか救われたりする部分もあると思うんです。「ほらみろ!」とか「来たーーっ!」みたいな(笑)。出てくる人はみんな狂っていますが、人間同士が狂い咲いている姿を楽しんで見ていただければうれしいです!