大島てるも解明できない、事故物件の“不思議な問題”とは? 「“怖いな”と思うけど、なぜかは説明できない…」

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日本が世界に誇る各界の“知のフロントランナー”を講師に迎え、未来の日本人たちに向けてアカデミックな授業をお届けするTOKYO FMの番組「未来授業」。9月8日(火)の授業講師には、事故物件公示サイト「大島てる」の管理人・大島てるさんが登場。未来授業2時間目となるこの日の放送では、「事故物件を隠しているのは、誰か?」をテーマに、お届けしました。

大島てるさん

2005年に開設された同サイトは、当初東京23区のみの事故物件情報を公示していましたが、徐々に注目を集め、現在では日本全国のみならず海外の事故物件情報も掲載するなど、規模を拡大。物件を探す人から不動産関係者にまでニーズの広がりを見せています。

また、大島さんはサイト運営だけでなく、「事故物件ナイト」と題した事故物件イベントを開催するなど、活動の幅を広げています。

◆事故物件情報が実際の数よりも少ない理由
事件や事故、自殺や孤独死などで、入居者が部屋で亡くなり、いわゆる“いわくつき”や“訳あり”になってしまった物件=事故物件。サイト「大島てる」には、日々そうした情報が寄せられています。ただ、事故物件全体の数と比べると、寄せられる情報は少ないのが実態のようです。

大島さんは、「日本では年間およそ2万人が自殺で亡くなっています。そして、そのうちの約半分が家のなかでお亡くなりになっている。そうすると、自殺に限っても単純計算で毎年約1万軒の事故物件が増えていることになります。ところが、そこまでたくさんの事故物件情報が集まってきているわけではない」と現状を語ります。

なぜ寄せられる事故物件情報が実際の数よりも少ないのかというと、「それは、当然隠したいから」。物件の売り主、貸主、そして管理会社や不動産会社、仲介業者などにそうした動機があることが考えられると大島さん。

世間一般的には「事故物件って安いんでしょ?」などと言われることがあるようですが、「それは正直に事故物件を『事故物件だ』と言っている場合の話」と言います。そして、なかには正直に事故物件であることを明かさない、さらには(売価や賃料を)安くもしない事例があふれていると大島さんは指摘します。

◆事故物件であることを隠しているのは…
では、その“隠している業者”とは具体的には誰で、その思惑とはどんなものなのか、大島さんはこう話します。

「みなさんのクレームの矢面に立つのが不動産会社の営業マンですから、どうしても“この人が悪い”“この人が本当のことを教えてくれなかったせいだ”と思われがちですが、仲介業者というのは貸す側と借りる側、売る側と買う側の間に入って手数料をもらっているだけですから、そんなに必死になって売り主や貸主の肩を持つ理由がないのです」

そう前置きし、「事故物件の“真実”を隠ぺいしているのは、大家さんだということになる」と断言。そして大島さんいわく、大家には“攻めの大家さん”と“守りの大家さん”の2通りのタイプがいると言います。

まず「攻めの大家さんは、新規に土地を取得してそこにビルを建てよう、あるいはもともと建っている中古のマンションを買って、それを人に貸して家賃をもらおうと。大金を投じて物件を取得するわけですから、そこが“いわくつき”や“訳あり”だと嫌だなということで、当然自身でも調べますけど、『大島てる』のサイトも参考にしてくださっている」と大島さん。

対して、守りの大家さんはというと「(例えば)先祖代々相続してきた古いアパートを守っていて、そこで自殺が起きてしまったとなった場合、(世間に)“隠したい”ということになるわけです。だから彼らは、我々に対して敵対的になる」と話します。ただし、「どこかの業界が一丸となって『大島てる』を敵視しているということではない」と付け加えます。

事件や事故、自殺や孤独死など、現在も事故物件は増え続けるなか、情報が明らかにされず、価格も下げられないといった悪質な物件も少なからず存在しているのが現状です。

◆“事故物件のプロ”も説明できない摩訶不思議
そうなると、どうしても気になるのは事故物件の話をするときに避けて通れないのが、“ある問題”です。

大島さんは、「私自身、幽霊を見たことはないのですが、今まで見たことがないというだけで、今日帰りに初めてお目にかかるかもしれない。そういう自分が知らないもの、見たことのないもの、イコール世の中に存在しないものと言い切るのは、おこがましい。なるべくして事故物件化してしまった物件がかなりある。だけど、ある意味『当然ながら』と言うべきか、『不思議だ』としか言いようがない事故物件もある」と言います。

火事で人が亡くなってしまったある木造アパートでは、その事故を受けて建て替えることに。その場所に、鉄筋コンクリートの新築マンションを建てたそうですが、「今度はそのマンションで殺人事件が起きてしまったと。そうなると、2つの事故、事件になんの関係もないのかと聞かれても、私もなぜなのかわからない。しかも重要なのは、この物件が存在する地域周辺では、私が知る限り(そこ以外)全然事故物件がないのです。私も単純に“怖いな”と思いますけど、なぜかは説明できないです」と話していました。

<番組概要>
番組名:未来授業
放送日時:毎週月~木曜 19:52~20:00
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/future/