椎葉土砂崩れ、23日も3人見つからず 村の捜索25日まで

十根川下流で堆積した土砂を重機で掘り起こし、行方不明者を捜索する建設業者ら=23日午後、椎葉村下福良

 台風10号による土砂崩れで1人が死亡、3人が行方不明となっている椎葉村では23日、消防団員や建設業者ら約40人が捜索に当たった。ベトナム人技能実習生の遺体が発見された十根川沿いや下流のダム湖を重点的に捜索したが、3人の発見には至らなかった。24日は午前8時から再開する。
 消防団員10人は、発生現場から約6キロ下流に位置する耳川の岩屋戸ダムを双眼鏡で手掛かりがないか確認したほか、下流域の川沿いを歩いて捜索。日向地区建設業協会青年部の会員らは、現場から1.5キロほど下流の十根川の河原の土砂を重機で掘り返した。
 村は、消防団による連日の捜索を25日でいったん終了し、26日以降については川の水位が下がり、濁りが取れた際に適時捜索に当たる考え。椎葉晃充村長は「これまでに発見できていないのは残念。あと2日で発見できるよう頑張ってもらいたい」と話した。
 土砂崩れは6日夜に発生。同村下福良の建設業「相(あい)生(おい)組」の事務所や自宅にいた社長の相生秀樹さん(70)と妻勝子さん(68)、長男泰孝さん(39)、いずれもベトナム人技能実習生のチャン・コン・ロンさん(23)、グエン・ヒュー・トアンさん(22)が巻き込まれた。秀樹さんは自力で脱出したが肋骨(ろっこつ)を折るけが。トアンさんは17日に遺体で発見された。

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