薬の富山 一丸でアビガン 各メーカーが増産へ連携

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富士化学工業の郷柿沢工場=上市町郷柿沢

 23日に新型コロナウイルス治療薬として10月中に承認申請される見通しとなった抗インフルエンザ治療薬「アビガン」。県内医薬品メーカーが増産態勢の構築に寄与している。各社が連携して生産工程の一部を担っており、富山発の薬の安定供給に貢献していく考えだ。

 アビガンは2014年に抗インフルエンザ治療薬として製造販売承認を受けた。新型コロナ対策として、20年3月から富山市内の工場で増産されている。本年度内に備蓄用として200万人分が政府に納品される見通しという。

 医薬品はさまざまな化学反応の積み重ねで出来上がる。1社単独では量産が難しいため、複数の企業が工程別に生産することが多い。県は4月、説明会を開き、県内企業に増産への協力を求めた。

 アビガンの増産には国内外の十数社が協力する。県内では立山化成(射水市)が原料と医薬品の途中にある材料の「中間体」、富士化学工業(上市町)と富山市八尾地域に拠点を置くアクティブファーマ(東京)が有効成分の「原薬」を作る。富士フイルムの要請を受け、各社は既に生産を進めている。

 ダイト(富山市)は原薬を錠剤化して包装する「製剤」を担う。生産準備は整っており「要請があれば、いつでも製剤化できる。安定供給に貢献したい」(経営企画室)とする。

 県薬業連合会は県と連携して県内企業への増産に向けた連携を働き掛けてきた。

 高田吉弘専務理事は「承認されれば、薬都富山の知名度が上がる。県内メーカーが一丸となり、増産を後押ししたい」と話す。(熊谷浩二)

アクティブファーマ富山八尾工場=富山市八尾町保内
ダイトの本社工場 =富山市八日町