攻撃力抜群 不意の失点も ロアッソ 1試合得点、J3最多、リーグ前半戦終了

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第10節の八戸戦でゴールを決める熊本の谷口。前半戦だけでリーグ2位の10得点をマークした=えがお健康スタジアム(後藤仁孝)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で約3カ月半遅れて開幕した明治安田J3リーグは、18チーム中14チームが前半の17試合を消化。ロアッソ熊本は12勝2分け3敗の勝ち点38、J2昇格圏の2位で折り返した。前半戦の戦いぶりやコロナ禍で苦戦を強いられているクラブ運営を振り返る。(植山茂、河北英之)

 開幕から無敗で首位を走る秋田は1試合未消化ながら勝ち点40。2差で追う熊本は首位ターンした昨季前半戦の勝ち点33を上回り、3位長野に6差をつけている。

 過去6年の2位チームの年間勝ち点は、34試合換算で平均66・3。大木武監督は6試合ごとに最低でも勝ち点11を積み上げることを目標に掲げており、「(現時点では)上積みがある。このまま続けていきたい」と話す。

 前半戦は攻撃陣が威力を発揮した。ボールを保持した上で、ベースとなる自陣からの細かいパス回しや相手の裏を突くロングボール、ミドルシュート…。多彩な攻めでリーグ最多の1試合平均2点を奪い、大木監督は「練習でやってきたことに加え、新たな形でも得点できている。全く問題ない」と評価する。

 前線からの素早いプレスも効果的で、体力的に厳しい夏場の連戦でも機能。相手のパス回しを封じるだけでなく、敵陣でのボール奪取から素早くゴールにつなげる場面も随所に見られた。リーグ2位の10ゴールを挙げたFW谷口海斗は「(前線での守備は)自分の得意とするプレー。チームとしても徹底できている」と手応えを口にする。

 ただ、第5節の岐阜戦は自陣に引いて守りを固める相手を崩せず、唯一の無得点で黒星を喫した。今後も守備的な戦いで挑んでくる相手が増えることが予想されるが、「相手の戦術に臨機応変に対応し、一つ一つのプレーの質を上げたい」と谷口。熊本のシュート数はここまで全チーム中5番目に少なく、ゴールへ向かう積極性を高めることも求められる。

 一方、守備面には物足りなさが残った。前半戦の1試合平均失点は1・06と4番目に少ないが、首位秋田(0・25点)と比べれば大きく見劣りする。大木監督は「まだ多い。もっとできるはずだ」と球際の強さなどを求める。

 今季2敗目を喫した秋田との対戦では右サイドを簡単に破られ、決勝ゴールを献上。ほかにも、ゴール前の人数は足りているのに守備の粘りを欠いたり、DF間の距離が遠くてミスをカバーできなかったりと、もったいない失点が目立った。指揮官は「最後は体を張れるかどうか。『もっと頑張れよ』と思う場面もあった」と振り返る。

 今季からゴールマウスを守るGK内山圭も「納得はしていない」と失点の多さを反省。DF陣との連係や、キャッチするかはじくかの判断力向上を自身の課題に挙げ、「後半戦でどれだけ抑えることができるか楽しみ」とレベルアップを誓う。

 過去6年の上位2チームの1試合平均失点を見ると、1点以上は4チームのみ。ほかの8チームは1点未満だった。

 新守護神は、守備の安定が昇格争いを制する鍵と見る。「今のチームは攻撃力が高く、前からのプレスがはまって得点につながることも多い。後ろ(守備陣)がどっしりと構えて攻撃陣に安心感を与えたい」