「百獣の王」武井壮さんも登場した「JeSU活動発表会」と「JAPAN eSPORTS GRAND PRIX」のオープニングセレモニーをレポート

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一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)は9月24日、今季の活動報告や今後の取り組みについて発表する「JeSU活動発表会」と、本日9月24日から開催される「JAPAN eSPORTS GRAND PRIX」のオープニングセレモニーをオンラインにて開催した。

まず、一般社団法人日本eスポーツ連合(以下「JeSU」)の会長・岡村秀樹氏がJeSUの現状を改めて紹介。発足時の会員企業は15社だったが、現在は正会員56社、賛助会員46社の計102社となっており、地方支部も25支部と47都道府県の過半を占めるまでになったという。

将来的にはすべての都道府県に支部を設けたいとしており、「引き続き、eスポーツのグラスルーツ(草の根レベル)の育成に努めていきたい」と岡村氏は語る。そのほか、新たな特別顧問の就任、国際eスポーツ団体・トラディショナルスポーツ団体との連携、新規オフィシャルスポンサーの参加などについて説明を行った。

本年度は「eスポーツ関連事業者が自走できるようになる」ことを重点政策として掲げており、eスポーツが産業として成立していくための環境整備に重きをおいて活動しているという。政府の公式文書でeスポーツが取り上げられるなど国からの注目も高いそうで「3年前には考えられなかったこと」と、岡村氏は自賛した。

2021年5月にタイで開催されるAIMAG(アジアインドア&マーシャルアーツゲームス)ではeスポーツが正式競技となる。この大会はアジアオリンピック評議会(OCA)が主催する国際総合競技大会であることから「JeSUとしてしっかりと準備していきたい」と意気込みを見せた。

そうした中でeスポーツを日本で広めていくための課題として「裾野の拡大」、「トップアスリートの育成」、「練習施設の普及」を上げ、さらに「練習の成果を発揮する大会の数を増やしていく必要がある」と岡村氏は強調。そのための法的整理が進んでいることを報告した。

特に注目すべきは「参加料徴収型大会のガイドライン」の設定で、「各選手から徴収する参加料の合計額は大会設営費用のみに充当する」など、いくつかの条件をクリアすれば、こうした大会は法的には問題にならなくなるとのことだ。

JeSUとしても参加料徴収型の開催は推奨していきたいそうで、そのための認証制度を設ける考えがあると岡村氏は表明。JeSUに届け出ることで大会がガイドラインに沿って運用されているか審査を受けられるというもので、「義務ではない」と強調しつつ、「より安全・安心な大会を開催できるので、ぜひ活用してほしい」と語っていた。また、法規制の面で留意すべき点をまとめた開催マニュアルの作成・配布も行っていくとのことだ。

今後の活動予定だが、まずeスポーツへの理解をさらに広く深めるためのセミナーを全国で開催していくという。すでに7月27日に岩手にて第1回が開催されており、地域におけるeスポーツの実情や今後の成長の見通しについて理解を深めてもらったとのこと。また、一般社団法人「超教育協会」と連携し、eスポーツ関係者と学校機関が一堂に集うコミュニティや連絡組織も形成していくと岡村氏は述べた。

そして、JeSUが主催するeスポーツイベント「JAPAN eSPORTS GRAND PRIX」(日本eスポーツ選抜競技大会)が本日9月24日から27日にかけて開催される。国際eスポーツ大会の日本代表出場権をかけた大会で賞金総額は500万円。実施種目は「eFootballウイニングイレブン2021 SEASON UPDATE」、「クラッシュ・ロワイヤル」、「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」、「ストリートファイターV チャンピオンエディション」の4つで、それぞれタイトルで日本の最強プレイヤーを決定することになる。

さらに都道府県対抗による大会「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2020 KAGOSHIMA」もオンラインで開催。日程は2020年12月20日と26、27日の3日間を予定していて、実施タイトルは「eFootballウイニングイレブン」、「グランツーリスモSPORT」、「パズドラ」、「ぷよぷよeスポーツ」になるとのこと。そのほかにも、さまざまな大会が国内外で開催される予定だが、コロナ禍で行われることになるため、特に国際大会については選手を安全に派遣できるか、しっかりとした確認を行うと岡村氏は語った。

■「百獣の王」武井壮さんがeスポーツへの期待を熱く語る

続いて、「JAPAN eSPORTS GRAND PRIX」のオープニングセレモニーと大会アンバサダー・武井壮さんによる「eスポーツトークセッション」が行われた。武井さんは「日本一を決めるただひとつの大会には別格の重みがある」、「選手たちには“この大会で日本代表が決まるんだ”という思いを持って戦ってほしい」と力説。「そこに新しい感動と興奮が生まれると思うので、非常に熱い思いで、この4日間を見守っていきたい」と展望を語った。

今回の大会はすべての種目に注目しているというが、現在自身が東京都社会人4部リーグ所属のサッカークラブ「One Tokyo」の監督をしていることから「ウイニングイレブン」が特に気になるようで、「優勝者には戦術担当としてウチのチームに来て欲しい」と発言していた。

eスポーツについては「時、場所を選ばずに世界中の人たちが戦える場所作りが進んでいる」と評価。さらに「もうスポーツとeスポーツの壁はない」と語気を強め、「スポーツの一歩先を行く存在として、これから可能性を広げて、さらに世界中で応援してくれる人が増えていくんじゃないかなと思います」と期待を述べた。

今回のイベントは、このようなバーチャル空間で行われた。
左は司会進行を務めたフリーアナウンサーの平井理央さん。

元サッカー日本代表で現在はブラジルのボタフォゴで活躍中のプロサッカー選手・本田圭佑さんが参加したスペシャルセッションのダイジェスト映像も上映された。現在、JeSU公式YouTubeチャンネルにてノーカット版が公開中。本田さんのゲーム愛があふれる内容になっているので、こちらもぜひチェックしておいてほしい。

最後に、本大会について武井氏が「eスポーツ史上最高の戦いが繰り広げられることと思います」とコメント。「世界に羽ばたく日本代表が今、生まれようとしています。その瞬間をぜひリアルタイムでご覧下さい」とメッセージを送り、セッションを締めくくった。

イベント後に行われた会見でも、武井氏はeスポーツについて「大きな盛り上がりを感じている」と改めてコメント。オリンピックや世界選手権でeスポーツとアスリートが一緒に戦う場が増えていくだろうとも考えているそうで、「頼もしい存在でもあるし、負けていられないなという気持ちで眺めている」という。

「JAPAN eSPORTS GRAND PRIX」で日の丸を賭けて戦う選手たちのことも「eスポーツの選手はゲームについての素晴らしい知識と操作技術を身に付けたリアルなアスリートだと思っている」と称賛。その上で「正しい努力をどれだけ積み重ねたか、その積み重ねの時間で得た技術と知識が勝利に導く。その最大の能力を持った、たったひとりの人間が勝つのが日本代表だと思うので、その座を賭けて全力で戦ってもらいたい」と大会への期待を述べた。

同時に「負けたとしても何かを失ったわけではない、まだ足りなかったと思ってほしい」とアドバイス。「さらに正しい努力を積む時間を過ごして、ぜひ頂点を目指して戦い続けてほしい」と出場する選手たちにメッセージを送った。

また、リアルなスポーツがコロナ禍の中でプレイと観戦の両面で制限を受けていることにも触れ、「eスポーツがスポーツ界の先頭に立って引っ張ってくれる存在なのではないか」と期待。「こんなふうに世界に届けている」、「こんなふうに世界のファンに愛されている」という部分でスポーツ界もお手本にしたいとのこと。

今回の発表会が行われたバーチャル会場にも感銘を受けたそうで、「eスポーツの可能性を感じざるを得ません。eスポーツのような映像をスポーツとミックスさせて届けられないか、スポーツの空間をテクノロジーでより進化させることはできないか。そういったことを常に考えさせられる業界に育ってきていると感じます」と神妙な面持ちで語っていた。

最後に武井氏はeスポーツもリアルのスポーツも、またそれ以外の職業でも「チャンピオンになる、トップを取るには、何かひとつの技術だけでは足りない」とメッセージ。そうしたことをより多くの人に見てもらい、より多くの経済価値を生み、より大きなマーケットに成長させていく。そのトップがチャンピオンになるべき人間ではないかと持論を述べた。

その上で「みんなで切磋琢磨し合って、人間としてのスポーツの技術、ゲームの技術を総合点で争える場が、もっと発展すればいいなと思っています」と話すなど、eスポーツとリアルなスポーツが同等であることを再三強調。「スポーツ選手とeスポーツ選手が双方向でクロスした業界になることを願っていますし、それが両方の世界を広げてくれる。今回アンバサダーとして、その世界の発展に全力で寄与して、応援していきたい」と熱く語った。

(C)JeSU 2020