テイラーさん射殺事件への大陪審の判断に失望を示すNFL選手たち

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タンパベイ・バッカニアーズのカールトン・デイビスとニューオーリンズ・セインツのマイケル・トーマス【AP Photo/Brett Duke】

現地23日(水)、ケンタッキー州の大陪審がブリオナ・テイラーさんの死についてルイビル警察の罪を問わなかったことに、複数のNFL選手たちが失望感を示している。

大陪審が起訴を決めたのは、免職された警察官のブレット・ハンキソン1人だけで、それも3月13日(金)の手入れ中にテイラーさんの近所の家に発砲し、他人の権利を無視して周囲を危険にさらした容疑によるものだった。事件についてはFBIが今も連邦法違反の可能性について調査している。

検察はテイラーさんに武器を発砲した他の2人の警察官については、正当防衛が認められると述べた。

テイラーさんの家族の代理人を務めるベン・クランプ弁護士は、この判断を“無法で侮辱的”だと非難し、抗議者たちは“正義なしくて平和なし!”と叫んで通りを行進した。中にはただ座りこみ、涙を流す者もいた。その後、警察と抗議者たちの間で乱闘が勃発し、逮捕者も出ている。

救命士だった26歳の黒人女性テイラーさんは事件の夜、麻薬調査のために無断立ち入りの捜索令状を持って侵入してきた警察官たちに複数回銃撃された。その際に使われた令状はその家に住んでいない容疑者のもので、室内から薬物は発見されなかった。無断立入り令状の使用は事件後、ルイビル地方行政局によって禁止されている。

ミネソタ州で起きたジョージ・フロイドさん殺害事件と共に、このケースは5月以降、アメリカ全土で抗議活動を巻き起こすきっかけとなり、根深い人種差別への喚起や警察の組織改革への要求につながっている。テイラーさんの顔写真は通りに描かれたり、抗議のシンボルとともに飾られたり、Tシャツにプリントされたりしており、セレブレティたちによって着用されている。

「もしこれが俺の妹や母や父、あるいはいつか生まれる俺の子どもたちの誰かに起きたと考えたら――怒りを抑えられないだろう。絶対に許せない」とワシントン・フットボール・チームのクオーターバック(QB)ドウェイン・ハスキンズは述べた。「この事件で最も大きかったのは、人生が公平じゃないと分かったことだ。いつでも望んだものが手に入るわけじゃないことを知らされた。本当に失望したよ。だって正義は彼女、ブリオナ・テイラーの死に役立てられるはずのものなのに。それと今起きている“Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)”の運動のためにね。そして黒人だけじゃなく、有色人種全般へのネグレクトを周知させるために使われるべきなんだ」

「不公平、警察の残虐行為と組織的人種差別、その類の全てはスポーツや政治、あるいは肌の色よりも大きい。人をどう扱うかに関わっている。俺は子どもの頃からずっと、母と父から自分がしてほしいのと同じように人を扱いなさいと教えられて育った。もし俺が彼らと同じような扱いを人にして、誰も他人を尊重しなかったら、俺は今いる場所にいなかっただろう。俺たちは国として、人としてもっと良くならなくちゃいけない」

今月初め、ニューオーリンズ・セインツは黒人女性の社会的正義と人種的平等を支持する#SayHerName(彼女の名前を言おう)キャンペーンを立ち上げた。

選手連合のメンバー、セインツのワイドレシーバー(WR)マイケル・トーマスとラインバッカー(LB)デマリオ・デービスはソーシャルメディア上で大陪審の判断に嫌悪感を示した。

ロサンゼルス・チャージャーズのランニングバック(RB)ジャスティン・ジャクソンは『Twitter(ツイッター)』にこう記している。「ブリオナ・テイラーの殺人犯が裁判も受けずに罪を免れるなんて、まさに人々が抗議しているシステムの腐敗そのものだよ。どれだけ抗議しても、正義を求めて叫んでも、裁判すら開かれない。怒りなんて言葉じゃ今の俺の気持ちは到底表せない。#BreonnaTaylor」

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