自身の経験伝えたい、相馬の母校で防災授業 ふたば未来学園高3年・稲田さん

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震災直後に自身が描いた絵を示し、母校の児童と交流する稲田さん

 「震災を知らない世代にも災害の怖さや備えの大切さを知ってほしい」。ふたば未来学園高三年の稲田凜さん(17)=相馬市出身=は二十四日、同市の中村二小で行われた三年生対象の防災学習授業で特別講師を務めた。震災から十年目を迎えた今、自身の経験を通じて教訓を伝えたいとの思いを強めている。

 同校出身の稲田さんは、自身が小学三年生だった東日本大震災直後の二〇一一(平成二十三)年五月、震災の混乱が続く中、学校の授業で絵を描いた。

 同級生の作品には地震や津波に対する恐怖や未来の古里への願いが表れていた。稲田さんは、津波にのまれた土地が緑の草花が一面に芽吹く公園に再生した風景を描いた。「日常が震災で一変し、不安で楽しさも感じられない日々を変えてくれたのが絵を描くことだった。自分の中で大きな転機になった」と振り返る。

 高校に進み、自身の経験を後輩たちに伝えたいと思うようになった。自ら小学校当時の担任教諭を通じて母校に働き掛け、今回の特別授業が実現した。「自分の大切なもの」をテーマに絵画で思いを伝える楽しさを児童に感じてもらった。一方で、震災時に逃げ遅れそうになった自身の体験も語り「自分の命や大切なものを守るため、自ら考え行動できるようになってほしい」と呼び掛けた。

 将来は教員を目指している。「震災を風化させたくない。未来の世代と一緒に学び続け、自分も成長していきたい」と誓う。