国勢調査、性別欄「男女」二択⇒総務省「判断に迷ったら、戸籍などで判断を」

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現在行われている国勢調査には、性別を選ぶ項目がある。その選択肢は、男と女だ。
「今どき、二択ってどうなんだろう」
多様な性への理解が広がる中、そんな声があがっている。

アメリカの2020年国勢調査も男女二択だ。これに対し、歌手のテイラー・スイフトは「(トランスジェンダーやノンバイナリーといった)特定のグループに属する人たちの情報を収集しないということは、この国は性的マイノリティの人たちを支援する意思がない、と世界に発信しているようなもの」と訴える。

女性の体だが、男性と自認している。
男性の体だが、女性と自認している。
男性から女性に性別を変えた。
女性から男性に性別を変えた。
......など様々なケースがある。

生物学的には、男か女。戸籍上では、男か女。
こうした区分はあるが、単純な二択にあてはらまないことがある。

日本の場合、トランスジェンダーや性自認が男性や女性でもないというノンバイナリー(Xジェンダー)の人はどう答えたらいいのか。総務省統計局国勢統計課に聞いた。

答えは、「ありのままに回答してください」。
戸籍などの届出書類ではなく、男だと自認していたら男だと書く。だが、男や女の二択に当てはまらないと認識していた場合「ありのまま」に回答する欄はない。判断に迷う場合は、「便宜上、戸籍などで判断してください」という回答だった。

なぜ「ありのままに」なのか。統計調査として、生物学的な区分で調査する必要はないのだろうか。例えば、合計特殊出生率の予測や性別ごとのワクチン製造計画などに調査結果が使われることがある場合はどうなのだろう。

これについて、総務省は「国勢調査はそもそも、その人のありのままを書いてもらうものです。生物学的な調査結果を活用したいという場合、活用する側が、調査数データの性質を鑑み、利活用の方法を決めることになります」と話す。

なお、総務省国勢統計課で統計処理を行う担当者は、性別について、戸籍と違っていたり、同性カップルであっても、性別を違うものに変えることはなく、そのまま反映するという。

総務省によると、調査項目を検討する機会が調査の約1年前にあるが、男女欄については、これまで検討されてこなかった。

男女の二択は、国際連合 2020年ラウンド人口・住宅センサスに関する原則及び勧告や国連欧州経済委員会勧告(UNECE 勧告 2020年ラウンド)を参考にしたという。総務省の調査によると、G7の2010〜2016年の国勢調査では、性別については全て男女の2択だったという。

では、同性カップルの場合、配偶者の欄はどう書くのか。
代表者が男性で配偶者も男性など同性が代表者と配偶者の場合、総務省によるとこの点でも「ありのままに書いてほしい」という。ただ、ありのままに書いても今年の調査では同性の配偶者の場合、「他の親族」に分類される。

異性同士のカップルならば「配偶者」と記入すればそのまま集計されるが、同性同士では、自動的に「他の親族」に分類されるのだ。同性カップルや支援者からは「実態にそぐわない」として批判の声が上がっている。8月には、関係団体が同性カップルの集計・発表を求める要望書を高市早苗総務相に提出している。

総務省は「いろいろな要望があるのは認識しているが、我が国では同性の結婚が法制度で認められていないため、同性パートナーの場合は『配偶者』に区分することができない」と説明する。

配偶者の欄については、今年の調査を前にした有識者会議では、「2020年国勢調査における調査事項の検討について」の中で触れたものの「少なくとも2020年国勢調査で集計・公表することは困難であると考えている」と報告した。

調査項目が変更された国もある。

アメリカ国勢調査では、2020年から同居する同性カップルがパートナシップを記入する欄が新設された。「『世帯主(person1)』との関係」についてという項目で、「同性の夫/妻/配偶者」と「同性の未婚カップル」という選択肢ができた。だが、同居していない同性カップルやノンバイナリーなどの人々が選べる選択肢はないという。

一方、アメリカも国勢調査の男女欄については、男女の二択だ。歌手のテイラー・スウィフトは6月26日にオンライン開催されたPride Live主催の“Stonewall Day”でこう話している。

国勢調査票を受け取ってみてみると、選択肢が男性・女性の2つしかありませんでした。トランスジェンダーやノンバイナリーの人たちを無視する行為に心がかき乱されました。特定のグループに属する人たちの情報を収集しないということは、この国は性的マイノリティの人たちを支援する意思がない、と世界に発信しているということ。一部の人たちの情報だけ収集しないのは残酷なことです