西武止まらない負のスパイラル 山川&金子が満身創痍で辻監督「ケガ人だらけだよ」

西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】

山川はフルスイングした際に尻もち、辻監督「また右足首を痛そうにしていた」

結果が出ない焦りが、新たなケガ人を生んでしまうのか。5位低迷中の西武は24日、本拠地メットライフドームで2-12の大敗を喫し、浮上をかけて臨んだ4位・日本ハムとの3連戦に1勝2敗で負け越した。辻発彦監督は試合後、思わず「ケガ人だらけだよ」と嘆いた。

惨敗に追い打ちをかけるようなシーンだった。西武は9回、1死走者なしで打席に入った山川が、日本ハム・金子の3球目の147キロ速球をフルスイングで空振りした際、バランスを崩して尻もちをついた。そのまま打席に立ち、結局6球目を空振りし三振に倒れたが、指揮官は「また右足首を痛そうにしていた」と不安を隠せなかった。

山川は8月9日のオリックス戦で、やはり空振りした際に同じ右足首を痛め、登録抹消にこそ至らなかったものの、3試合スタメンから外れた。ケガの影響もあってか、ここにきて打撃不振に陥り、前日23日の同カードでスタメン落ち。この日は、定位置の4番ではなく、6番で先発復帰していた。

一方、抜群の守備力を誇る中堅手・金子も5回の守備で、ダイビングキャッチを試みた際に左膝を強打。無情にも打球をはじいて三塁打にした上、そのまま交代した。病院には行かずアイシング治療を施したが、翌日以降の状態は予断を許さない。この日の3回の攻撃では、中前打を放った後に二盗を決め、3試合連続盗塁をマークするなど打線の中で機能していただけに、プレーに影響するようなら、これもチームにとって痛恨だ。

打率チーム2位のスパンジーも死球禍

チームで栗山に次ぐ打率.280をマークしているスパンジェンバーグも、20日のオリックス戦で右肩に死球を受け、22日の日本ハム戦を欠場。翌23日に先発復帰したものの3打数無安打2三振に終わり、24日は再び欠場した。辻監督は「万全の状態ではない」と認めている。また、故障ではないが、昨季MVP&首位打者の森は打撃不振の上、スタメンで出た試合でチームが6連敗中。ここ2試合はドラフト5位ルーキーの柘植にスタメンマスクを譲った。

死球による右手首痛が長引いていた中村、腰痛に苦しんでいた木村の両ベテランが相次いで戦列に復帰したばかりだが、負のスパイラルは止まらない。コロナ禍による入場制限が緩和され、メットライフドームの上限も22日に5000人から1万人に引き上げられたとあって、辻監督は「お客さんにたくさん足を運んでもらえるようになって、こういう試合をしてはいけない」と猛省した。

あくまでリーグ3連覇を狙う西武だが、首位ソフトバンクに9ゲーム差、今年のクライマックスシリーズ進出圏である2位のロッテにも7ゲーム差をつけられ、残りは39試合。気長に故障者の回復を待っている余裕はなく、満身創痍の戦いを強いられることになりそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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