第1回SB-Jフォーラム2020分科会「7Need Stateをコンパスに、Z世代に出会う旅」

サステナブル・ブランドの法人会員コミュニティ「SB-Jフォーラム」は15日、2020年度の第1回目となる分科会を開催した。株式会社 電通 グローバル・ビジネス・センター、電通Team SDGs、電通 GIRL’S GOOD LABをコラボレーターに迎え、グローバルイニシアティブ「Brands for Good(以下、BfG)」に焦点を当てる。第1回はBfG で設定される、地理・性別・年齢・ライフスタイルを超えた価値観「7Need State」をきっかけに、Z世代をペルソナとしてどうアプローチするのかという参加者によるワークショップを行った。

ブランドの力で持続可能な暮らしを未来の「グッドライフ」へ導くには

分科会前半はナビゲーターの青木茂樹サステナブル・ブランド国際会議アカデミック・プロデューサーによるBfGの紹介があった。BfGは企業によって生活者の新たなGood Lifeをけん引していこうという意志を持ったイニシアティブだ。業界を横断した多くの企業が参加し、初期メンバー企業には電通のグループ会社「電通イージス・ネットワーク」(英ロンドン)が名を連ねた。

参考記事=
黒船ならぬGreen Shipの船出 #BrandsforGood で企業の力を示せ
「リジェネレーション」を実現するには――2020年度 第1回SB-Jフォーラム

本分科会では、電通の「グローバル・ビジネス・センター」「電通Team SDGs」「電通 GIRL’S GOOD LAB」がBfGの解説や価値観の共有、そして具体的なツールを活用したワークショップなどを行い、参加者を巻き込んで議論することで、持続可能な社会を見据えた企業活動についての理解を深める。

電通がBfG のツールキットを日本向け/オンライン向けにカスタマイズした説明によれば、その構成は「人が必要とするもの」「地球・社会が必要とするもの」「ブランド独自の提供価値」の3領域から成り、すべてが重なる領域が「Idea Canvas」として設定される。

初回は「人が必要とするもの」に焦点を当てたワークショップが行われた。手がかりは米SBが実施したインタビューと10のエスノグラフィーの結果に基づいてつくられた価値観「7Need State」だ。

普遍的な消費者の価値観「7 Need State」

7Need StateはSBが実施した100人のオンラインのGood Lifeインタビュー(アメリカ、2017)と10のエスノグラフィーの結果に基づいてつくられた。若者、プレミアム消費者を問わず、地理・性別・年齢・ライフスタイルを超えて、強く1つにつながることができる価値観だ。

1. MOMENTUM :成長実感
2. WORTH :自己承認
3. BELONGING :帰属意識
4. SIMPLICITY :シンプル
5. ROOTED :ルーツがある
6. SAVVY :楽しむ工夫
7. PURPOSE :パーパス

分科会では、この7つの価値観をさらに時間軸、空間軸に沿って整理し、詳細を説明。企業の具体的な事例も提示された。

WORK:Z世代へのアプローチ

辰野アンナ氏(左上)によるZ世代へのアプローチ解説。資料:電通

BfG は「サステナビリティ初心者」の人をどう巻き込んでいくかがひとつのテーマだ。そのためには等身大の感覚が重要で、時には正論よりもユーモアやセンス、人間性が重視されることもある。ワークショップは「SDGsと事業を関連づけにくい現場担当者の行動きっかけをつくる」を目的に据え、「持ち帰って社内で再現する」ことを念頭に置いて行われた。

まずは消費者のペルソナを設定する。今回は「Z世代の女性」だ。電通 GIRL’S GOOD LABの辰野アンナ氏はZ世代のキーワードとして「デジタルネイティブ」「寛容」「独学による教養」「起業家精神」「社会的意識」「責任感」などを挙げ、Z世代の傾向と、消費のドライバーなどを詳細に紹介しながら具体的な想定消費者像を提示した。

ワークショップでは、7Need Stateを活用してこの「ペルソナ」にどうアプローチするか(7Need Stateは想定した消費者像を動かせるか)を話し合った。 参加者はオンライン上で少人数のチームにわかれ、気軽にアイデアを話し合う。このワーク中、参加者はメモを取ったり、録画をしない。情報を交換するのではなく、話者の心の中でSDGsの「共感」の世界観と、リアルなZ世代の像がつながるかが重要だからだ。

次回、第2回 SBJフォーラム2020分科会は11月17日(火)13:30~15:00 にオンラインで開催します。地球・社会が必要とするもの【環境】に焦点を当て、「ブランドと親和性の高い9サステナブル・アクションは?」と題し、Brands for Goodで開発されたマーケター向けツールキットから「9サステナブル・アクション」について、日本事例・海外事例を用いて解説。相互交流のワークショップを行います(内容は予告なく変更する場合があります)。

<お問い合わせ>
分科会の参加はフォーラム会員企業様に限定していますが、ご興味のある方は事務局までお問い合わせください。
SB-Japanフォーラム事務局(株式会社博展) 
E-mail: forum@sustainablebrands.jp

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