珠算検定目指して継続 能力を引き出す指導

「そろばんは計算力だけでなく、集中力、記憶力、忍耐力、発想力などを向上させます」とその魅力を語るのは、ロングアイランドのそろばん教室「ジャパニーズ・アバカス・アカデミー」を開いて2年になる代表の四軒町(しけんまち)和重さん。そろばん指導歴10年、ニューヨーク補習授業校での教師歴20年のベテランだ。

珠算のレベルは14級から最高1級までで、同アカデミーでは10級から国際珠算普及基金の検定試験を受けることができる。生徒はその検定を目指して、教材に沿って学習していく。

「5月からオンラインクラスを行っていますが、保護者からもお子さんの様子が見えるので、レベルや学習内容が共有できます。時間も有効に使える上に、画面に常に顔が見えるので、生徒の緊張感も高まります」と、四軒町さんもその良さに驚いている。

生徒たちは皆とても仲が良く、オンラインクラスには現在8人が参加している

この日は能勢彩由佳(あゆか)ちゃんと児玉倖彩(さや)ちゃんが参加。共に7歳で、彩由佳ちゃんは6級、倖彩ちゃんは7級を学習している。

画面では2人がテキストを開き、パチパチとそろばんを弾いて計算に集中。計算を終えた彩由佳ちゃんが「1番は20ですか?」と答えると、「はい、そうです」と四軒町さん。その後も答え合わせが続いた。

「じゃあ倖彩ちゃんも3番いきましょう」との先生の声に、指を止めて考えこんでいる倖彩ちゃん。「259です」すると、「ちょっと違ってるかな。じゃあ一緒にやろう」とほほ笑みながら四軒町さんは「80入れて、その後17入れてください」と、根気よく正解へと導いていた。

「最後に暗算をしましょう。願いましては…」と読み上げる先生に、すらすらと答える生徒たち。「子どもはすぐできるようになって、どんどん上達していきます」と四軒町さん。「ありがとうございました」「来週もお願いします、さようなら」と2人は挨拶をして授業は終了した。

1回30分の授業に集中する子どもたち。検定試験という目標に向かって学習を続けている

通い始めて約2年になる彩由佳ちゃんの母親の典子さんは、「体験教室で娘が楽しそうにしていたので続けさせたところ、どんどんスキルアップしています。1年前は掛け算を覚えきれていなかったのに、できることが広がっておもしろくなっているようです。敬語も使えるようになって、礼儀正しく挨拶もできるようになりました」と顔をほころばせた。

教室に通って2年半になる倖彩ちゃんの母親の弓雅(ゆか)さんは、「娘は計算ができるようになって自信が付き、一つのことをじっくりやることで集中力も高まりました。先生は個々の子どもの性格を見抜いた指導をしてくださり、のんびりしている娘のお尻をうまく叩いてくださっています」と感謝していた。

四軒町さんは、「目標を定めてコツコツ続けていけば、自分の自信になるということを身に付けて欲しいです」と願っている。

互いに見習い合いながら成長している子どもたち

今週の先生 四軒町和重さん

「楽しいから分かる、分かるからできるようになり、できるから楽しい」というサイクルを大事にして、常に楽しい雰囲気作りに努めています。一人一人の子どもが持つ力を最大限に引き出す指導に加えて、社会のルールも身に付けてもらいます。シニアや多国籍の人にもぜひ来ていただきたいですね。将来的には、そろばんが普及していない国にも教室を広げていきたいです。

Japanese Abacus Academy

オンラインクラスは毎週月〜木曜日午後3時〜6時のうち、予約制で授業は1回30分。 子供〜大人まで誰でも参加可能。通常クラスの会場は、ロングアイランド・マンハセット。 【問い合わせ】 TEL:516-712-5120/shikemmachik@gmail.com/FB: nysoroban

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