旅館、ホテル巻き返しの秋 「GoTo」東京追加追い風 高級旅館中心に

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 北陸の旅館とホテルが巻き返しを図っている。政府の観光支援事業「Go To トラベル」の対象として東京発着旅行が10月1日に追加されることを追い風に、割引額の大きい高級旅館を中心に予約が増え始めた。ただ、価格を抑えたビジネスホテルなどは、利用者が値引きの恩恵を受けにくいとして、稼働率は伸び悩んでいる。

 GoToトラベルは、国が旅行代金の50%相当を補助する。代金自体を35%引きとし、残り15%分は地域共通クーポンを発行して対応する。1泊当たり1人2万円が上限となる。

 七尾市和倉温泉の旅館「加賀屋」は、1~6月の稼働率が前年同月に比べて4割で推移していたが、7~12月は7割まで回復している。週末を中心に予約が増え、担当者は「少しずつ改善されてきた。感染対策をして安心して泊まってもらえるよう準備したい」と話した。

 能登町の旅館「百楽荘」は10月、平日を含めた稼働率が7~8割となる見込み。週末だけでなく、平日も満室となる日があり、担当者は「県外からの旅行者が多く、GoToキャンペーンの効果が出ている」と手応えを語る。

 金沢ニューグランドホテル(金沢市)は9月の稼働率が4割半ばだったものの、予約ベースの稼働率は10月が5割、11月が7割となっている。庄田正一社長は「東京解除によって、予約が入る勢いが全然違う」と話す。

 例年よりも駆け込み予約が目立つことから、予約はさらに増えると見込む。

 10月に始まる金沢市の「五感にごちそう金沢宿泊キャンペーン」については「いいタイミングで始まる」と期待を寄せた。

 2万円前後のプランを展開する黒部市宇奈月温泉の旅館「桃源」は9~11月、土曜日は予約でほぼ満室となっている。女将(おかみ)の石田有紀さんは「今月中旬から予約が増え始めた。東京発着の旅行がキャンペーンに追加され、コロナに対する警戒感もいっときに比べて落ち着いたことが影響しているようだ」とみている。

 氷見市の旅館「ひみのはな」は宿泊客が豪華な料理を選ぶ傾向があり、今月の売り上げは前年同月の9割程度まで回復した。

 一方、富山市のビジネスホテルのダイワロイネットホテル富山は今月の平日の稼働率は2~3割で「前年同期をかなり下回っている」(広報担当者)。1泊約7千円で、平日はビジネス利用客が多いことがGoToトラベルの恩恵が及びにくい一因とみられる。施設が新しく1泊2千円程度高い市内のダイワロイネットホテル富山駅前のほうが予約が伸びており、「少しでも高いホテルに泊まりたい」と願う心理が感じられるという。

 都市型ホテルの富山第一ホテル(富山市)では今月の平日の稼働率は2~3割で、来月から始まる飲食店支援事業「Go To イート」で館内レストランの利用が伸びることに期待する。