杉咲花、「おちょやん」での篠原涼子、トータス松本、成田凌との共演に「これからも大切に過ごしていきたい」

杉咲花がヒロインを務める、NHK総合ほかで11月30日からスタートする連続テレビ小説「おちょやん」(月~土曜午前8:00ほか)の撮影現場から、杉咲と篠原涼子、トータス松本、成田凌の共演シーンが公開された。

同ドラマは、“大阪のお母さん”と親しまれた女優・浪花千栄子をモデルにした、昭和の喜劇女優の一代記。大阪・南河内の貧しい家庭に生まれた千代が、道頓堀の芝居茶屋の女中奉公を経て喜劇女優となり、やがて上方を代表する女優に成長する姿を描く。タイトルの「おちょやん」とは、大阪ことばで茶屋や料亭などで働く小さい女中さんを意味している。

9月上旬の京都。100年前の道頓堀が再現された撮影所のオープンセットで、17歳となった千代と、千代を取り巻く主要キャストの共演シーンを撮影。まずは、道頓堀に奉公に出された千代を、一人前のお茶子へと育て上げる芝居茶屋「岡安」の女将(おかみ)・岡田シズ役の篠原が登場。この日、初めてオープンセットに入った篠原は、薄紫色の着物姿だ。精巧なオープンセットを見回すと「すてき! すごいセット!」と手をたたき、スタッフの仕事ぶりを称える。篠原と杉咲が笑顔で言葉を交わす姿はほほ笑ましく、撮影現場は一層華やかな雰囲気に。そんな篠原も本番になると、威厳と気品を兼ね備えた女将に変身。千代に対して、厳しくも温かみのあるたたずまいで接していた。

続いては、千代の父・竹井テルヲを演じるトータス松本がセットに。2人の共演シーンでは、杉咲、トータス共に表情は真剣そのもの。程よい緊張感の中、無事にシーンの撮影が終了すると、2人は達成感のある笑顔を見せる。広報用の2ショットを撮影する際にもトータスが笑顔で「あ! 日ぃ出てきた!」と声を上げると、杉咲が応えるように笑顔で「めっちゃまぶしい!」と一言。そんな何げないやりとりの端々から、本当の父娘のような和やかな空気を感じられた。

そして最後は、千代の後の伴侶となる天海一平に扮(ふん)する成田凌との2ショット。幼少期から、父・天海天海(あまみてんかい)の劇団で役者として舞台に立ち、芝居茶屋「岡安」にも出入りする一平は、お茶子として働く千代とも顔なじみ。千代の成長とともに描かれることとなる一平との関係に注目だ。これまでドラマや映画、CMで何度も共演してきた杉咲と成田。撮影の合間も笑顔で冗談を言い合う2人は、劇中でも抜群のコンビネーションを見せてくれそうだ。

杉咲は「キャストの皆さんと共演して、篠原さんのチャーミングなお人柄が、厳しくも愛のあるシズさんの中にそっと潜んでいるからこその温かさ、だめだめなお父ちゃんだけれど、それでも千代が手を差し伸べてしまう理由を現場に立って強く実感したのはトータスさんが演じられているからこそだと感じています。そして一平とのシーンの時だけに感じられる安心感は、きっとこれまでに成田さんと数々の作品でご一緒させていただいた今までの時間を含めて、お互いに培ってきたものが役ともリンクしているのではないかなと感じていて、出会うべくしてお互いにこの役と出会えたのではないかと、私は勝手に思ってしまっています。すてきな共演者の皆さまとの時間を、これからも大切に過ごしていきたいと思います」と、3人との共演についての思いを伝えた。

また、当時の道頓堀の町並みを緻密に表現したセットの詳細も公開。日本家屋と西洋建築が混在する大正時代の道頓堀のオープンセットは、美術空間デザイナーの荒川淳彦氏と、連続テレビ小説「スカーレット」でも美術デザインを担当したNHK大阪の掛幸善氏のタッグによるもの。

荒川氏は「あすなろ白書」や「ロングバケーション」(ともにフジテレビ系)、近年は「過保護のカホコ」(日本テレビ系)、「やすらぎの刻~道」(テレビ朝日系)など、民放の人気テレビドラマに加えて、舞台や映画のセットも手掛け、美術空間デザイナーとして活躍する人物だ。この2人が、大正時代に道頓堀に実在した劇場をモチーフに、本編に登場する「鶴亀座」や「えびす座」といった芝居小屋をデザイン。さらに全長およそ80mにわたる道頓堀の通りに連なるカフェーや、中国料理店、ウナギ点、すし店、パン店といった飲食店や、芝居茶屋、テーラー、写真館、時計店、雑貨を扱う店舗もデザインしている。

これらのセットは、大正時代の道頓堀を撮影した写真や残されていた地図、当時発行されていた雑誌の挿絵などの資料を基に制作。また、荒川氏いわく「地面から立ち上がっているように建物を見せたい」というこだわりを実現するため、セットとして組まれた建物のそばには、実際に側溝も掘られているとか。屋内のセットではできない“溝を掘る”という工程を加えたことで、オープンセットに絶妙なリアリティーが与えられている。

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