不動産投資の失敗事例。マンションや物件投資の失敗と成功の方法を紹介

不動産投資は、サラリーマンや公務員の副業として注目を集めていますが、知識や準備が足りないと失敗する可能性もあります。初心者にとって、初めての投資は何をすればいいかわからないもの。そこで、不動産投資で失敗しやすいケースや成功するためのやり方を紹介します。

不動産投資の失敗とは

不動産投資とは、マンションやアパートなどの不動産を購入し、それを第三者に貸し出すことで家賃収入を得ること。購入した時よりも高い金額で売れた場合も利益を得ることができます。

そんな不動産投資における失敗とは、最終的にトータルで赤字になることです。空室が続いて家賃が回収できなかったり、購入したときより価値が下がってしまったり、さまざまな理由で利益を出せないケースがあります。

家賃収入に繋がらない場合の対応

新築で購入した物件の場合、築浅のうちは高い稼働率を維持していたにもかかわらず経年劣化によって人気が低下することがあります。空室率が高くなってきたら、家賃を下げたり設備を新設したり、水回りをリフォームしたりして入居者を探すことになります。それでも空室が長引くようなら、物件そのものだけでなく、立地に問題があるのかもしれません。

所有している不動産のエリアが、購入した当時よりも人口や人気が下がってきたと感じられるようなら売却を考えてもいいでしょう。空室が続くとキャッシュフローを確保できなくなり、赤字運用になってしまいます。買い手がつかないなど最悪の事態になる前に撤退を検討してもいいかもしれません。

赤字になったときの考え方

不動産投資での赤字はそのまま失敗につながるわけではありません。不動産を購入するときには金融機関から融資を受けて不動産投資ローンを組むことになります。不動産投資のキャッシュフローを考えるときの鍵になるのが物件を所有することでかかる諸経費。

家賃収入が入ってきても、経費がかさめばローン返済中は赤字になる可能性はあります。ローン返済中に赤字になることは、不動産投資においては失敗だとはいえません。返済後、最終的に黒字になっていれば成功といえるでしょう。

運用中にほとんど利益が出ず自己資金を切り崩す状態でも、たとえば40年かけてローンを返済し、その後、物件を売却したときに収益が出れば成功ということ。不動産投資の成功・失敗は長期的に判断する必要があります。

ローンを組む際は、家賃収入を超えない返済額になるように資金計画を立てる必要があります。たとえば金利が上昇して返済額が増えてしまったり、家賃収入がうまく得られない状況で自己資金が底をついてしまったりした場合、物件を売却しなければならないこともあります。想定外の時期に短期間で不動産を手放すことになり、利益を確保できなければそれは失敗だったといえるでしょう。

不動産投資で発生しやすい失敗例

初心者にとって資産運用はわからないことが多く、失敗を避けたくても実際にどんな失敗パターンがあるのかわからず不安になることもあるでしょう。まずはよくある失敗例を知っておくとイメージしやすいかもしれません。

不動産会社の話を全て聞く

信頼できる不動産会社を見つけることができれば、不動産投資は成功に一歩近づいたといっても過言ではないでしょう。不動産投資の成功に欠かせないのが不動産会社の存在。しかしすべての不動産会社が条件のいい物件を紹介してくれるとは限りません。

信頼できる不動産会社であれば、よい物件の情報や市場の最新情報を教えてくれますが、中には自社の利益につなげたいばかりに条件のよくない物件を売りつけようとするような業者も。初心者からみると、どの情報が正しいかを判断することは難しいのですが、不動産会社の話をすべて鵜呑みにするのは危険です。

不動産投資は最終的には自己責任であり、お金を出すのもリスクを負うのも自分自身。不動産会社のアドバイスを聞くのはいいですが、言いなりにならないように注意しましょう。

中には、物件のメリットしか伝えずデメリットについて言わないような業者も存在します。「未公開物件」「優先的に紹介」「あなたにだけ紹介」「売却すればすぐに利益が出る」などの文句も要注意です。

相場とかけ離れた条件の良すぎる物件を紹介されたときも「なぜそんな好条件の物件を自分だけに紹介してくれるのか」という疑問を持つといいかもしれません。判断は主体的に、物件を購入する際は行動に責任をもって進めるようにしましょう。

賃貸者がいない

安定的な家賃収入を得るためには、借り手がいなくてははじまりません。入居者がなかなかあらわれず、空室が続くと家賃収入が入ってこなくなってしまいます。収入がなくても、ローンの返済は続きますし、管理費や固定資産税などの支出もあります。空室率を下げるには、借り手の需要が見込める物件を購入することや、複数の物件を所有してリスクを分散させるなども重要です。

物件の選び方を間違える

不動産投資では、長い目で見て利益性がある物件を選ばなければなりません。たとえば一棟まるごと購入するよりも、分散させて投資するほうがリスクが少なく、安定した家賃収入を得ることができるでしょう。ローン返済後は老後の生活資金の補填として考えているのであれば、リスクが少ない投資方法を選ぶのが賢い方法です。

人口が増加傾向で、長く賃貸の需要が見込めるようなエリアで、地域を分散させるのがよいでしょう。低予算でリスクも少ないワンルームタイプからはじめて、少しずつ投資先を増やしていく方法もあります。

不動産は高額なうえに流動性が低いので、一度購入したもののやっぱり売却して別の物件を購入するといったことが難しいのが特徴。物件を選ぶ際はくれぐれも慎重に、じっくりと考えて決断することが重要です。

新築住宅を購入する

条件のいい物件を探すとき、新築住宅の方が収益性がよさそうなイメージがあるかもしれませんが、一概にそうとは言えません。新築物件は物件価格に広告宣伝費が上乗せされていることが多く、価格が割高であるケースが多いといわれています。そして住み始めた瞬間から中古物件扱いになるので、一気に市場価格が下がるといったデメリットもあります。

一方、中古住宅であれば同エリアの新築物件よりも割安で物件数も多いので、条件に合った物件を見つけやすいというメリットがあります。築年数にもよりますが、減価償却費を経費として計上できるメリットもあります。新築住宅にこだわらず、中古物件をリフォームすることも視野に入れて探すとうまくいくことがあります。

実質利回りを予想しない

不動産投資においては、「表面利回り」と「実質利回り」のふたつがあります。利回りとは、投資した金額に対してどの程度の利益が出たのか、その利益の割合のこと。「(年間家賃収入÷物件価格)×100」で計算するのが表面利回り。家賃収入から、管理費をはじめとする各種経費や税金などを差し引いて考えるのが実質利回りです。

不動産を運用する際に、表面利回りにばかり注目していると失敗しがち。表面利回りがいくら高くても、経費が多くかかっていると実質利回りが低くなり、実際は利益が出ていないということになります。

たとえば家賃相場が高いエリアのワンルームマンションであれば利回りが期待できそうな気がします。ですが、入居者が思うように見つからず空室が続いたり、管理費や修繕費が想定以上にかかったりすれば、実質利回りは低くなってしまいます。表面利回りにまどわされず、実質利回りを想定した物件選びが重要になります。

投資の初心者が始めやすいものは?

初心者でも始めやすい不動産投資はワンルームマンションだといわれています。収益が出やすく、税金が安いことから最初の投資先としておすすめ。ワンルームマンション投資のメリットや失敗しにくいポイントなどをご紹介します。

単身者向けの物件

一般的に単身者でマンションを購入する人は少なく、賃貸物件への入居を選択する人が多いので、単身者向けのマンションは需要が高く、入居者を確保しやすいといえるでしょう。

学生は、一度契約すると卒業まで4年間住むケースが多く、安定して収入を得やすいというメリットがあります。毎月固定収入があるサラリーマンであれば、家賃を滞納するリスクも少なく安心できるかもしれません。

家賃、費用が安い

室内の面積が狭いワンルームのアパートやマンションであれば、ファミリー向けの広いマンションに比べると物件本体の価格は安くなります。面積が狭いということはそのぶん固定資産税などの税金も安くなり、トータルの初期費用が安く済むが利点。

ローンを組むとき、借入額が少ないので融資が受けやすいこともはじめやすいポイントです。月々の家賃が安いので、万が一空室になったときも損失となる金額がそれほど大きくなく、ローン破綻のリスクも少ないといえるでしょう。うまく運用すれば短期間で返済することも可能です。

東京に集中している

日本の人口集中都市である東京は、いまだに人口が増加しているエリアも多く、さらに単身者が多い地域でもあります。多くの大学や企業が集まっていることや晩婚化で長く独身世帯でいる人も多いなどの特徴があります。

そのため、単身者用の部屋に投資をするなら東京がおすすめ。将来的にもまだまだ高い需要が期待できると考えられている東京のワンルームマンションなら、物件価格や家賃相場が大きく下落するリスクは低いと考えられます。手堅く安定的な収益を上げられる可能性が高いのが初心者におすすめできる理由です。

建物の維持費が安い

単身者用のワンルームタイプの部屋は、初期費用だけでなく、維持費の安さも魅力的です。物件を運用していくうえで必ずかかる管理費や修繕積立金、毎年の固定資産税や都市計画税、管理会社への委託料など、いずれも部屋の面積によって金額が変わるので、部屋の面積が狭いワンルームタイプはランニングコストを安くおさえることが可能です。

室内の設備が人気のタイプ

ワンルームマンション投資なら設備や立地条件に注目すると入居者が集まりやすい

賃貸のワンルームマンションに入居する人は永住志向ではないので、ある程度必要なものが揃っていればそれほど厳しい条件で物件を選ぶことが少ない傾向にあります。特にひと部屋しかないワンルームでは設備にも限りがあります。たとえばオートロックやモニター付きインターホン、浴室乾燥機やバス・トイレ別など人気の設備を一通り備えていれば十分に入居者を確保できる可能性はあります。

不動産投資で成功するために

不動産投資で失敗しがちな例や起こりうるリスク、初心者がはじめやすいポイントがわかったところで、最後に成功するための条件についてご紹介しましょう。投資したお金を無駄にしないために何からはじめたらいいか解説します。

リフォーム、リノベーションで入居者を増やす

築浅のときには、特に何もしなくても次々と入居者が決まっていた物件でも、築年数がたつと少しずつ空室の期間が長くなることがあります。家賃を下げることで入居者が決まるうちはまだ大丈夫ですが、入居者がなかなか決まらない状態なら、リフォームやリノベーションを検討してみるといいでしょう。

同じエリアで同じような広さの賃貸物件と比べて、家賃を大幅に下げなければならないのでは、将来的に利益は見込めません。物件の古さが目立ってきたらリフォームをすることで家賃を上げたり、入居率を上げたりすることを考えましょう。

ワンルームマンションであれば、キッチンやお風呂、トイレをはじめとする水回りの設備を新しくするだけでも部屋の印象はかなり変わります。リフォームと家賃アップをセットで考えるのが経営を安定させる秘訣。フルリフォームをすると一時的にお金はかかりますが、もし1~2割の家賃アップを見込めるようなら検討する価値はあるでしょう。

使用する目的を変える

物件自体は問題なくても、賃貸物件としての入居者がなかなか見つからない場合に、たとえば民泊に用途を変更するという方法もあります。民泊にはさまざまな条件があり、マンションの管理組合で禁止しているところや、そもそもそのエリアで民泊を禁止しているということもあるので、事前の確認が必要です。物件の立地によっては民泊のほうが将来性が見込めるケースもあります。

仲介会社を他社に変更する

入居者がなかなか決まらず空室が続く場合、物件そのものではなく入居者募集を担当する仲介会社に問題がある可能性もあります。もっと入居者を探す力のある仲介会社に変更することで入居者が決まることもあるので、他社に変更すべきか検討してもいいでしょう。

物件の管理を依頼するときは、賃貸業務に強いかどうか、退去者が出た場合はどのように新たな入居者を探すのか、ほかの管理物件の空室率が高くないかをチェック。管理にかかる費用や、入居者募集の際の広告料をはじめ、実費についても複数の会社で比較し、じっくりと検討することが重要です。

年月が経つと修繕費がかかることも考慮する

購入した時点で新築や築浅の物件でも、経年劣化は避けられません。入居者が決まらず長く空室が続く場合は、物件自体の魅力がなくなり、価値が下がってしまっている可能性があります。

放っておくと管理費をはじめ、維持費ばかりかかって赤字経営に……。賃貸物件として人気がないということは、売却しようとしても買い手がつかない可能性が高いといえます。物件の価値を維持するには、定期的に修繕などのメンテンナンスが必要です。思い切ってリフォームやリノベーションをすることで家賃のアップや物件価格の上昇を見込めることがあります。

どんな物件でも定期的に修繕費がかかることを想定して、余裕をもって自己資金を用意しておく必要があります。とはいえ修繕費は大金なので、慎重にすすめなければなりません。物件そのものの価値を取り戻すことで家賃や物件価格を上げられるならよいのですが、エリア自体に人気がなくなっている状況では修繕も無駄になってしまいます。

セミナーや相談会で学ぶ

不動産投資を検討しはじめたら、まずはセミナーや相談会に足を運んでみることをおすすめします。書店やインターネットでもある程度の基礎知識や情報を得ることはできますが、不動産投資についての最新情報や市場の動向までは知るのは難しいでしょう。

初心者向けに分かりやすく説明してくれる不動産投資セミナーを有効活用することで、トレンドや時代の流れを把握することができます。不動産会社が主催しているセミナーでは、特定の不動産投資のメリットばかりを強調するようなところもありますが、しっかりとデメリットも把握することが大切。

日々、生の情報と接しているプロの情報を活用しつつ、最終的に投資をはじめるかどうかは自分の判断で決めましょう。成功例、失敗例、メリット、デメリット、情報をバランスよく仕入れることが不動産投資における成功の一歩となるでしょう。

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