大仏だけじゃない!鎌倉 高徳院の見所と楽しみ方【歴史・御朱印・おすすめランチまとめ】

「鎌倉の大仏って鎌倉駅にあるんじゃないの?」
「長谷寺にあるの鎌倉の大仏?」

鎌倉の大仏をあまり知らない人からすると、このような疑問を抱くことがあります。というのも、「鎌倉の大仏」という言葉が有名なので長谷駅にあるとは思わないようです。

長谷駅に大仏があるということを知っている私でしたが、それでも以前は知らないことがたくさんありました。

でも大仏は、調べて行った方が絶対に楽しめます!

ここでは大仏の魅力や、見どころ、楽しみ方などをご紹介していきます!大仏ができた背景や、歴史を知ればより鎌倉観光が楽しくなりますよ(^^)

 

【この記事を書いた経緯】

外国人の友人に鎌倉を案内したときのことです。

もちろん有名な観光スポットなので大仏へ連れてきたのですが、自分の英語力の問題以前に大仏に関する知識がなさ過ぎて全然説明できませんでした

悔しかったのでその後大仏のことについて調べたのですが、友人と大仏を見に行く前に調べておけばよかったと心底思いました。

なぜ調べて行けば良かったと思ったかはこの記事を読めば良くわかると思いますが、実は見どころは大仏だけじゃなかったんです。

鎌倉の大仏は「鎌倉大仏殿高徳院」にあります。大仏はただ大きいだけじゃない。胎内に入れるだけじゃない。

そして高徳院にあるの、は大仏だけじゃないということを知ってほしいです。

【観光前にチェックすると…もっと楽しめる!】

  • 歴史を知って大仏の偉大さを学ぼう
  • 高徳院内の大仏以外の見どころを事前に押さえよう
  • ランチ場所をあらかじめ決めておくと観光がスムーズ

 

鎌倉の大仏の歴史をひも解こう

津波にも負けない強い大仏

鎌倉時代について記されている『吾妻鏡』によると、造立されたのは1252(建長4)年で、僧浄光が寄付を集めて制作を行ったとされています。

誰が原型を考えたか等はっきりしていない部分が多いのですが、造立当時の見た目をほとんど崩していないことからとても価値があるとされています。

現在は露座(屋根のない所に座ること)の大仏として有名ですが、実は最初から外に座っていたわけではありませんでした。

『太平記』と『鎌倉大日記』によると、元々はお堂の中に大仏を収めていたのが1334(建武元)年と1369(応仁2)年の台風、1498(明応7)年の地震によって発生した溺死者200人にもなる大津波でお堂が損壊してしまい露座の姿になったそうです。

さすがにずっと外にいると荒廃が進んでしまうので、江戸時代中期に商人の野島新左衛門の寄進を受けた祐天によって1712(正徳2)年に復興、1737(元文2)年には養国が高徳院初代住職となり大仏修理を行いました。

以降大仏の鋳掛修復を行うようになり、修復が繰り返されています。

清浄泉寺高徳院という念仏専門の寺院を再興し、浄土宗関東十八檀林の筆頭であった光明寺の「奥之院」に位置付けました。

 

大仏の正体は阿弥陀如来

高徳院は正式には大異山高徳院清浄泉寺と言いますが、法然上人が開いた浄土宗の寺院です。善悪・男女・年齢・身分の差は関係なしに全ての人の救済を願う阿弥陀如来、それが高徳院の大仏です。

なので、鎌倉の大仏は正式には国宝銅造阿弥陀如来坐像と言います。覚えられなさそうですね(笑)。

「南無阿弥陀仏」は「阿弥陀如来に帰依します」「阿弥陀如来を拠り所にします」という意味で、唱えると誰でも御加護を受けることができると言われています。

外国人の友人と大仏を見に来たときにこの説明ができなかったことが悔やまれます!「南無阿弥陀仏」という言葉を鎌倉に観光に来た外国人のうち何人が唱えているんでしょうかね?ぜひ次機会があったら頑張りたいです。

 

大仏の胎内に入れちゃうの?

大仏の胎内には20円で入れ、もはや一種のアトラクションのようになっています。あまり広くないので順番待ちで並んでいることもあります。

胎内に入れるということは中が空洞になっているということなのですが、これは造り方を知ると納得できます。

絵で表すとこんな感じです。伝わって!笑

というわけで、大仏の背中には窓がついています。
胎内では写真を撮ったり国宝である大仏を直に触ることもできますが、暗いので足元には気を付けてください。危ないので自撮り棒はNG。ルールを守って胎内見学を楽しみましょう。

 

鎌倉の大仏の高さは?

台座を含む高さは13.35m、座っているときの高さは11.312mです。立ち上がると24mほどになります。立ちませんが。

重さは121tです。先ほど台風でお堂が壊れたと書きましたが、台風が来ても大仏の重さが121tもあればそう簡単に壊れないようです。

そのおかげで造立当時の姿を保ってられるんですね。奈良の大仏も有名ですが奈良の大仏は何度か作り直されているので、そういう意味で鎌倉の大仏は大変価値のあるものになります。

 

高徳院は大仏以外にもこんなに面白い

仁王像

18世紀初めに安置された阿形像と吽形像。寺院の門には決まってこの金剛力士像が置かれていて寺院内に敵が入らないように見張っています。顔は怖いですが、怖いのは守り神だからなんですね。

口をあけているのが阿形像で、怒りを表現しています。口を閉じているがの吽形像で、怒りを内側に秘めている状態です。

2011年に吽形像の頭部が破損してしまい、それを機に阿形像とともに修復作業が行われました。2014年から修復作業を終えたお二人が戻ってきて仁王門に立ってくれています。

色が鮮やかになった仁王像を見たときはビックリしました!修復作業ってすごいですね。修復前と修復後の写真や工程を高徳院のホームページで見ることができるので気になる人はぜひ見てみてください。

観月堂

大仏の奥にある観月堂です。15世紀中頃に現在のソウルである漢陽の王宮内に建てられたもので、1924(大正13)年に当時この建物を所持していた杉野喜精から移築・寄贈されました。

中に観世音菩薩立像を安置しています。この観世音菩薩は江戸後期の作品と言われています。

手水舎

普通の手水舎なのですが、外国人の友人を連れて行ったときに興味深そうにしていました。外国人の目を引くのは大仏だけじゃないんだなとここで学びました。

藁草履

大仏向かって右側の回廊に、常陸太田市松栄町を活動拠点としている松栄子供会から奉納された大きな藁草履があります。長さ1.8m、幅0.9m、重さ45kgもある本当に大きな草履です。

なぜこんなにも大きな草履なのかと言うと、「大仏様に日本中を行脚し、万民を幸せにしていただきたい」という想いが込められているからです。大仏用草履ということです。

奉納された時期は戦後間もない日本中が疲弊していた頃です。願いの強さによってできた藁草履が飾られているのでぜひ見て行ってくださいね。

礎石

大仏が造られた当時はお堂の中にあったと言いましたが、その堂宇は60基の礎石に支えられていました。現在は56基残っているので境内を歩いて探してみるのも良いですね。

蓮弁

大仏などの台座には蓮弁がついているものがあります。

この蓮弁は鎌倉の大仏にもついていて、当初は32枚製作する予定でしたが実際には4枚しか完成させられませんでした。

大仏像の背後に青銅製の蓮弁が置かれていて、寄進された方の案前が彫られています。

 

鎌倉大仏を見たら御朱印をもらおう

高徳院ではご朱印が2種類もらえます。「本尊阿弥陀如来」と「南無聖観世音」です。今まで話してきた大仏は「本尊阿弥陀如来」の方です。

高徳院は「鎌倉大仏殿跡」として国の史跡に指定されているので、「鎌倉大仏殿」とご朱印に文字や朱印が入ります。

高徳院の観月堂には、観音菩薩立像が置かれています。「南無聖観世音」というのはこの観世音菩薩を指しています。こちらは鎌倉三十三観音霊場の第二十三番礼所です。

大仏向かって右側にご朱印所があり、1件300円で授与してもらえます。受付時間は平日は9:00~15:30、土日祝日は9:00~15:00です。売店が手前にあるのですが、売店より先にご朱印所を閉めてしまうので気を付けてくださいね。

 

高徳院の最寄り駅と駐車場

最寄り駅は、江ノ島電鉄長谷駅です。長谷駅からは徒歩10分ほどで着きます。鎌倉駅からだと徒歩で30分くらいです。

駐車場は、障がい者用の駐車場のみあります。一般用の駐車場や無料の駐車場はないので、公共交通機関を使うか、近くの有料コインパーキングなどを使うようにしましょう。

大仏付近の駐車場は、近いほど混雑していて料金も高くなります。休日やイベント時は駐車場は満車も多くなるので注意が必要です。

そして駐輪場があるので、バイクや自転車で行くことも可能。

大型バスの駐車場は大仏前の信号機を渡ると並んでるので、そちらを使うと便利です。

鎌倉大仏から近くておすすめのお店3選

せっかく鎌倉に来たんですから、鎌倉らしく和食でランチできたら良いですよね。ここでは、高徳院から近い和食のお店を3店舗紹介します。

鎌倉土鍋ごはん kaedena.

開店前から並ぶほどの超人気店!土鍋でご飯を食べる機会なんでなかなかないですよね?私はお店の名前に惹かれてしまいました。昆布だしがごはんにしっかりと入っていて見た目以上の味です。おかずとの相性も抜群なのでぜひ行ってみて欲しいです。

■詳細情報
予約:ランチ 不可、ディナー 完全予約制
住所:鎌倉市長谷3-8-13 2F
アクセス:高徳院から徒歩3分 駐車場なし
料金:1500~2500円
営業時間:ランチ 11:00~(材料がなくなり次第閉店)、ディナー 完全予約制
定休日 月曜日

 

和食 空花

このお店は料理長が女性で店内の雰囲気や料理の盛り付けがとってもおしゃれ。見た目だけでも十分美味しそうなのですが、実際の味も素晴らしいです。健康にも気遣ったメニューになっているので健康志向の方にぴったり。美味しいごはんと散策で気分も晴れやかになれますよ。

■詳細情報
予約:可
住所:鎌倉市長谷3-8-17
アクセス:高徳院から徒歩3分 駐車場なし
営業時間:ランチ 11:30~16:00(L.O.15:00)、ディナー 17:30~21:00(L.O.19:30)
定休日 木曜日(予約が入った場合は営業します)

割烹・蕎麦 波と風

食べログでもTOP5000に入るほど、評価の高いお蕎麦と割烹のお店です。お蕎麦を食べたいと思ったらここのお店で間違いなし。店内で石臼を使って製粉しているので、香りがとっても良いお蕎麦が食べられます。ゆったりと過ごせるのでしたら、ぜひお酒とおつまみもぜひ楽しんでくださいね。

■詳細情報
予約:可
住所:鎌倉市長谷1-16-21 新倭人館2F
アクセス:高徳院から徒歩2分 駐車場なし
営業時間:ランチ 12:00~14:00(土日のみ営業)、ディナー 17:30~22:00
定休日 月曜日

まとめ

鎌倉の大仏の歴史を簡単におさらいしましょう。

台風・地震・津波に負けず、造立当時の姿を保っているので歴史的にとても価値がある大仏です。大仏のモデルは阿弥陀如来で、胎内が空洞になっているのは銅を流し込む工程でできたものです。

高徳院には大仏以外にも仁王像や観月堂などの見どころがあります。何も知らずに通り過ぎるのはもったいないですよ!

私は外国人の友人と鎌倉に行って歯がゆい思いをしましたが、日本人であっても歴史をわかった上で来ている人はそこまで多くないんじゃないかな?と思います。ぜひ観光の時に一緒に行った方に説明してあげてくださいね。

最後に、長谷は高徳院以外にも観光できる場所があるのでたくさん歩くと思います。そう考えるとなるべく近くでランチできると良いですよね。今回載せたお店を参考にランチ休憩を取りながら長谷を楽しんでくださいね(^^)

■鎌倉大仏殿高徳院 所在地・問い合わせ
住所:鎌倉市長谷4丁目2番28号
アクセス:江ノ島電鉄長谷駅から徒歩7分
電話番号:0467-22-0703
開門時間:4~9月 8:00~17:30、10~3月 8:00~17:00
拝観料:中学生以上 300円、小学生 150円、幼児 無料

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