パナソニック、IoTによる連携機能を備えたエアコンと加湿空気清浄機の新モデル

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パナソニックは9月24日、ルームエアコン「Eolia X」シリーズと、加湿空気清浄機「F-VXT90」を発表しました。両製品ともパナソニックのフラッグシップモデルで、Eolia Xシリーズは11月21日から順次発売、F-VXT90は11月2日の発売予定です。

Eolia Xシリーズは、今まで捨てていたエネルギーを冷房に再利用することで、冷房をより快適に省エネ運転できるようになりました。F-VXT90は気流制御を見直して、従来製品と比べて1.5倍というパワフルな集じん性能を実現しています。両者の新機能として、Eolia XシリーズとF-VXT90のIoT連携も搭載しました。エアコンと加湿空気清浄機の連携機能は、パナソニックとしては初めての試みです。

Eolia X、今まで捨てていたエネルギーを冷房運転に活用

エオリアシリーズの人気機能に「エネチャージシステム」があります。2011年モデルから搭載しているパナソニック独自の機能で、運転中に排出された熱エネルギーを室外機に蓄えて、暖房エネルギーとして活用するというもの。

一般的なエアコンは霜取り運転時に暖房運転がストップしますが、エネチャージシステム搭載機は暖房しながら蓄えた排熱を使って霜取りができます。このため、一般的なエアコンほど室内温度が下がりません。

今回発表されたEolia Xシリーズでは、このエネチャージシステムがさらに進化。「新・エネチャージシステム」となり、暑い季節には活用されていなかった蓄熱エネルギーを、冷房時にも有効活用できるようになりました。

これまでの冷房は、室外機でキンキンに冷やした冷媒を室内機と循環させて、室内に冷風を送っていました。室外機の中で冷媒を冷やすコンプレッサーは、オンかオフ(冷媒を冷やすか冷やさない)しか選べないので、部屋が設定温度に達すると冷房運転をストップする必要があります。そして、部屋の温度が上がったら運転を再開するという繰り返しです。

定期的に運転が停止することで、2つのデメリットが発生します。

ひとつは「湿度」。冷房運転中はエアコンが自然に部屋を除湿しますが、冷房が止まると除湿できずに室内の湿度が上がってしまうのです。このため、部屋の温度は快適なのに、高い湿度で不快に感じることがあります。

もうひとつのデメリットが「省エネ性」。エアコンは運転開始時に一番パワーを必要とします。つまり、温度の上下とともに運転をオン・オフする運転方法は、余計なエネルギーを必要とするのです。

そこで新たに搭載された「新・エネチャージシステム」の登場です。エネチャージシステムは排熱を蓄熱する仕組みですが、新しいEolia Xは溜めた熱を使って、冷えた冷媒を少しだけ温めて室内に送り出します。

調理に例えると、従来のエアコンは常に強火でしか調理できなかったのに対し、新・エネチャージシステムは強火に加えて中火調理ができるということ。冷房スタート時は、部屋が冷えるまで最大パワーで冷やし、部屋が冷えたらやや低いパワーで部屋を冷やすことで、常に冷房が動いた状態でも部屋の冷えすぎを防ぐわけです。定期的な運転停止が必要なくなるので、湿度が上がる問題はありませんし、運転を再開するときの余計なエネルギーも不要。新Eolia Xの省エネ性能は、従来比で約10%アップしているといいます。

このほか、新モデルは室外機の放熱部品の耐久性を向上させたほか、コンプレッサー回転数をアップすることでパワーアップ。冷房の立ち上げスピードは従来製品よりも約15%早くなったそうです。

気流制御を一新、空気清浄能力がよりパワフルに

もうひとつの新製品、加湿空気清浄機「F-VXT90」は、気流制御の方法を大きく変えて従来製品より集じん量が大幅にアップしました。

2019年モデルの加湿空気清浄機フラッグシップモデル(F-VXS90)は、吹き出し口から左右2方向に気流を生み出す「ダブルフロー花粉撃退気流」を採用していました。一方で新製品のF-VXT90は、ルーバー形状がより複雑になり、3方向に立体的な気流を作り出す「3Dフロー花粉撃退気流」を搭載しています。

なぜ「花粉撃退」なのかというと、花粉はハウスダストの中でも特に重たく、床上30cmに溜まりやすい性質を持つため。花粉撃退気流というのは、重い花粉もしっかり吸引できる気流という意味があります。

パナソニックの空気清浄機フラッグシップモデルは、花粉などの有害物質に作用するイオン技術「ナノイーX」を搭載しています。新製品は、このナノイーXのOHラジカル量が従来のナノイーXから2倍に増加。これにより、花粉を99%抑制するまでの時間が従来の約半分になったといいます。また、スマートフォン用専用アプリでは、花粉やハウスダスト、PM2.5、ニオイ、湿度、運転音といった気になる度合いを入力することで、ユーザーに合った運転モードに設定できる「わたし流運転」機能が搭載されました。

エアコンと加湿器をIoTで連動させてより快適な空気に

今回、Eolia XシリーズとF-VXT90が同時に発表されましたが、2つ製品をIoT連携させることで、より効率よく部屋の空気をコントロールできます。

たとえば、冬は空気が乾燥しやすく、エアコンを暖房運転すると部屋がさらに乾燥することがあります。こんなときに新Eolia XとF-VXT90を連携しておくと、エアコン暖房と加湿空気清浄機を連動運転させることが可能です。

また、2つの新製品はいずれも、高濃度ナノイーXを発生する機能を搭載しています。高濃度ナノイーXをエアコンと空気清浄機からダブルで発生させることで、1台で運転するよりもすばやく花粉やニオイなどを抑制するわけです。

部屋の上部はエアコン、下部は空気清浄機が空気の清浄化を担当することによって(2台使い)、エアコンか加湿空気清浄機を単独で利用するよりも、集じん能力がアップするのも特徴です。パナソニックによると、空気清浄能力20畳相当のエアコン(CS-X401D2)と空気清浄能力40畳相当の加湿空気清浄機(F-VXT90)を併用して使用すると、単純に足し算しても合計60畳相当の集じん能力が期待できるといいます。

エアコンは除湿機能はあっても加湿はできない。反対に、フィルター式の加湿空気清浄機は、加湿はできても除湿は無理。エアコンと加湿空気清浄機の連携は、それぞれのメリットをうまく生かしていると感じました。2台を利用することで、ナノイーXが持つ花粉やカビ抑制能力がアップする点も面白いところです。毎日身体に取り入れる「空気の質」が気になる家庭にとっては、選択肢のひとつになるでしょう。