iPadは仕事でどこまで使えるか? 第15回 AirDropでiPadとMac間の「ファイル転送」を使いこなす

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ダイレクト・ファイル転送機能「AirDrop」

これまで、Appleのデバイス間でテキストなどのデータを自動的にコピー&ペーストする機能「ユニバーサルクリップボード」、そしてAppleデバイス間でアプリの作業を引き継ぐ機能「Handoff」を取り上げた。今回は、この流れでAppleデバイス間でファイルの転送を行う機能「AirDrop」を取り上げる。AirDropはユニバーサルクリップボードやHandoffよりも直接的でわかりやすい機能なので、すでに使っている方も多いはずだ。そこで、まずはその仕組みや使い方を整理してみよう。

AirDropはAppleデバイス間で直接ファイルを送受信するための機能で、Bluetoothで接続し、Wi-Fiで暗号化されたデータ通信を行う。Wi-Fiアクセスポイントやインターネットなどを経由せずに直接通信するというのがポイントだ。ファイルサイズの制限はなく、サイズの大きなデータも送受信できるという特徴がある。AirDropを使用する主な条件やデバイスは次のとおり。

AirDropは当初、iOSとmacOSの間に互換性がなかった。iPad/iPhoneとMacの間でAirDropを使用するには次のバージョンおよびモデルを満たしている必要がある。最近のデバイスであればだいたいこの条件は満たしているだろう。

では、AirDropを使ったAppleデバイス間のファイル転送方法を見ていこう。

自分のAppleデバイス間でファイルを転送する方法

手持ちのAppleデバイス、例えばiPadとMacBook Proの間で書類のやりとりを行う場合、先程の条件に加えて次の条件を満たしているとよい。

Apple IDでサインインしていなくても使えるのだが、同じApple IDでサインインしているとファイル転送の際にいちいち確認を求められなくなる。確実に自分の手持ちのデバイスであることが明らかな場合は、この設定になっているほうが便利だ。また、受信設定は「連絡先のみ」にしておきつつ、相互のデバイスに自分を登録しておくのも忘れないようにしておこう。通常の使い方をしているのであれば、この辺りの設定はすでに行っているんじゃないかと思う。

まず、iPadからMacへファイル転送を行ってみよう。iPadで転送したいファイル(画像、動画、PDF、オフィスデータなどなんでも)を選択する。選択方法はなんでもよい。普段使っているアプリで開けば、対象ファイルを共有する機能がどこかにあるので、そこからファイルの共有を実行する。すると次のようなダイアログが起動してくると思うので、次のスクリーンショットのようにAirDropの対象として表示されているデバイスをタップする。ここではMacBook Proをタップしている。

ファイル転送が開始されたら、次のようにプログレスバー(サークル)が進捗する様子を確認できる。

転送を受ける側のMacには次のような通知が表示される。

Finderで「ダウンロード」を表示させると、次のスクリーンショットのようにファイルが送信されてきていることを確認できる。このように、同じApple IDでサインインしたデバイス同士では、特に確認を求められることなく自動的にファイルの転送が実施される。

今度は、MacからiPadへAirDropを使ってファイルを転送してみよう。Finderで「AirDrop」を表示させると、次のスクリーンショットのようにAirDropで送信できるデバイスが表示されるので、これに対してファイルをドラッグ&ドロップしてあげればよい。

iPad側では次のような受信中を示すダイアログが表示される。

受信が完了すると次のようにファイルをどのストレージに保存するのかを聞かれる。このケースでは対応するアプリをインストールしてないので、「ファイル」あたりを選択してストレージに保存するといった対処をすればよい。

対応するアプリが存在するファイルを転送した場合は、次のように開くファイルが選択肢に表示される。次のスクリーンショットはPDFファイルをAirDropでiPadへ送信したケースだ。PDFを閲覧するためのアプリが候補として表示されている。

AirDropは転送するファイルに上限がないというのが特徴だ。通信状況が適切であればかなり大きなファイルも転送できる。これは動画データなどになってくると、効果を発揮しやすい。サイズの大きな動画データをクラウドサービス経由で同期するのは難しい。AirDropで転送するほうが簡単である。

自前のAppleデバイス間で書類や画像などを頻繁にデータ転送を行うようなケースでは、たぶんAirDropではなく何らかのクラウドサービスを使うだろうから、AirDropで頻繁にファイルのやり取りをするのは珍しいかもしれない。しかし、知っておいて損をするものではないのでこのやり方は覚えておこう。

他人のAppleデバイスと自分のAppleデバイス間でファイルを転送する方法

AirDropが真価を発揮するシーンのひとつが他人とのファイル転送だ。打ち合わせが終わった際または打ち合わせ中に、相手にPDFなどの資料を渡すといったことが行える。

あとでメールで資料を送付したり、USBメモリにファイルをコピーして渡すといったこともよく行われる。しかし、すでにUSBメモリのポートが用意されていないノートPCも増えているし、USBメモリでデータをやり取りするという時代でもなくなってきている。それに、会議が終わった後でまたメールを作成するという無駄な作業はぜひとも避けたい。その場でデータ転送して終われるならそのほうがいい。

こうしたケースでは、AirDropの受信設定を「すべての人」に変更してから上記操作を行う。送受信を行うために連絡先を追加したくないこともある。いったん受信設定を「すべての人」へ緩めれば、登録されていない相手ともファイルの送受信が可能になる。

AirDropの受信設定を「すべての人」にしておくと、AirDropを使う上では便利だ。受診時には確認が求められるので受け取り拒否もできる。しかし、この設定はセキュリティの観点からすると好ましい状態とは言えない。「すべての人」に変更してからファイルの送受信を行った場合、操作が終わったら「連絡先のみ」へ戻すのを忘れないようにしたい。

AirDropで第三者とファイル送受信

ある程度のサイズのファイルであれば、ユニバーサルクリップボードでもデバイス間でのファイル転送が可能だ。手持ちのデバイス間だけでファイルを転送するなら、ユニバーサルクリップボードだけでもよいんじゃないかと思う。

AirDropは転送するファイルサイズに上限がないこと、連絡先に登録していない第三者ともファイルの転送が可能なところがポイントだ。相手がAppleデバイスを使っていれば、その場で資料の受け渡しなどができる。便利な機能なので、使ったことがないのであればぜひ試していただきたい。

付録