レンジ上にものを置くのは危険。レンジ上収納で気をつけたいこと

家のキッチンに食器や調理道具が増えると、整理は大変になります。そんなときはレンジ上も収納に使いたくなりますが、不用意に物を置くのは危険です。注意点を知っていれば、トラブル回避に役立ちます。今回は、日々の暮らしでレンジ上を収納に活用する際、とくに気をつけたいことなどを紹介します。

電子レンジの上に物を積み重ねてはダメ

電子レンジの構造上、安全に使うためには上にある程度隙間を空けなければいけません。直接、電子レンジの上面に物を積み重ねるのは避けましょう。

天面、横、背面それぞれにスペースが必要

部屋に電子レンジを設置する際は、天面および横と背面に一定のスペースを空けておく必要があります。電子レンジは、マイクロ波で水を振動させることで発熱する仕組みの家電です。マイクロ波と水の作用で器具のなかに熱が生み出されると、食品が温められます。

この構造により、電子レンジは使っている間に器具が高温になる特徴をもっています。天面に物を積み重ねているとレンジの中身と一緒に温められて危険なため、器具の上には何も置いてはいけません。

電子レンジの使用中には天面だけでなく側面から背面にかけても全体が熱くなります。物が接触していると危険です。そのため電子レンジは、高さに余裕があり、横と背面にも隙間がある状態での設置が求められます。

各メーカーの必要スペースを確認する

実際に電子レンジを設置する際には、あらかじめ必要なスペースの確認をしましょう。主要メーカーが求めるスペースは、標準タイプであれば天面には少なくとも10cm以上の隙間が不可欠。ものによっては10~20cmほどスペースが必要です。

背面と両側面は、3~10cm以上の隙間を空ける必要があると言われています。器具のタイプによって多少の違いは見られますが、いずれも部屋の壁に触れる状態は避けましょう。設置場所によっては物を片付ける必要が生じますが、安全性を考えるなら電子レンジは十分にスペースの余裕がある場所で使用するのがおすすめです。

吸気口と排気口の位置にも注意が必要

電子レンジの設置時には、器具に備えられている吸気口と排気口の位置にも注意が必要。電子レンジには、吸気口と排気口が備えられています。これらは、器具を換気するための設備です。吸気口と排気口がふさがれていると、換気機能が適切に機能せず、発火や故障の原因になります。

トラブルを避けるには、事前にそれぞれの位置を把握しておく必要があります。何も知らないまま天面に布を敷いて横に棚などを並べると、電子レンジが換気できなくなり故障につながることがあります。

吸気口と換気口は、ホコリがたまった場合にも換気機能が低下します。日頃のメンテナンスも重要です。電子レンジの周りには不用意に物を置かず、定期的な清掃を心がけましょう。

電子レンジの上に物を置くならラックを活用しよう

電子レンジにそのまま物を置くのは危険が伴う行為です。ただ、キッチンに収納スペースが足りなければ、電子レンジの周りも有効活用したいところ。安全面に配慮した場合、電子レンジの上に物を置くなら、ニトリや無印良品などの生活雑貨店に売っているレンジ上ラックを使う方法があります。

ラックの種類は豊富であり、レンジ上に置くタイプやレンジを囲うように設置するタイプ、収納棚のあるレンジ台タイプなどが見られます。ここでは、それぞれの特徴を紹介します。

レンジ上に置くタイプ

小物をまとめて整理できるレンジ上ラック(ベルメゾンネットより)

このタイプは、その名の通りレンジラックを電子レンジの上に置くスタイルです。これを使えば、物を電子レンジに触れさせずに収納できます。基本的に、ラックは電子レンジの天面サイズに合わせて選びます。あまり広いスペースは確保できませんが、電子レンジの上でコンパクトに設置できるところが大きな魅力です。

これらの特徴から、レンジ上に置くタイプは、電子レンジの周りに十分なスペースがないときやラックに置きたい物が少ない場合に適しています。食品を温めるときに使うラップや掃除用のティッシュなど軽い小物類を置くくらいであれば、多くの場所を取らないこのタイプが妥当と考えられます。

レンジを囲うように設置するタイプ

Hanji/ハンジ 格子レンジ上ラック 幅85~110cm(ディノスオンラインショップより)

電子レンジの周りを全体的に囲うように設置するスタイルです。レンジラック全体は、側面に伸びる脚部がしっかり支えます。ラックをレンジ上に置かないため、多少は重い物を積んでも電子レンジには負荷がかかりません。

ラック上段にはトースターや小さなポットを置いても問題なく、調理家電を1カ所にまとめられるところが魅力。側面にフックがついている場合、収納力はアップします。このタイプのラックであれば、朝夕、時間に追われるなかでも効率的に調理作業を進められます。電子レンジの周りにラック脚部の入る余裕があるなら、おすすめのタイプです。

収納棚タイプのレンジ台

レンジ台(ニトリ公式通販ニトリネットより)

収納棚を備えているタイプのレンジ台です。ワイドサイズのレンジ台であれば、さらに収納力は高まります。調理家電には、炊飯器やトースターなど、さまざまな種類があります。こういった家電を電子レンジの上に並べられると、収納スペースの節約になります。

ただ、一通りの調理家電をまとめて置くとなれば、コンパクトサイズのラックだけでは不十分。そんな場合には、高い収納力を誇る収納棚タイプのレンジ台が適しています。収納設備が充実したレンジ台の場合、調理家電とともに食器類や調理道具も片付けられます。キッチンに物があふれているときには、このタイプのレンジ台を活用すると整理整頓に便利です。

レンジ上収納の選び方

レンジ上の収納アイテムを選ぶとき、とくに注目したいポイントはサイズ、耐熱性、収納力、耐荷重、デザインです。こちらではレンジ上収納の選び方を紹介します。

サイズを必ず測る

レンジ上ラックを活用する場合、電子レンジや収納スペースのサイズは事前に必ず測っておきましょう。サイズの事前チェックを怠ると、レンジの上に置いたラックが天面からはみ出る、あるいはラックの脚がレンジの横に入らないといった事態を招くことがあります。

伸縮機能のあるラックならサイズ間違いを起こしにくい

伸縮機能のあるラックなら、サイズ間違いによるトラブルを起こしにくいです。ラックを探しても、設置場所にぴったりと合うサイズが見つかるとは限りません。伸縮するタイプであれば高さや横幅を数段階に調整できます。

電子レンジの背が高い場合、ラックの棚を上げるとレンジ天面のスペースが確保できます。横幅を調整できれば、ラックの脚部が電子レンジや壁にぶつかる事態も避けられます。

耐熱機能があれば安心

レンジラックは、電子レンジからの熱で温められる可能性もあるため、耐熱機能があると安心。とくに、ラックを電子レンジの上に置くタイプの場合、直接触れるため耐熱機能は不可欠といえます。耐熱機能がないと、高温になったとき耐えられなくなり危険です。

それ以外のタイプであっても、ラックと電子レンジとの距離は近くなります。炊飯器やトースターを置いた場合、高熱でラックが変形すると事故につながるため、耐熱機能のあるタイプのほうが無難です。

収納機能の有無

レンジラックは、収納機能が多いほど調理関係のアイテムを整理しやすくなります。その意味で、収納機能の有無は見逃せない要素です。

電子レンジの周りに余裕があるなら、大きめのラックを置いても問題ありません。電子レンジから必要なスペースを空けられる場合には、収納棚のあるタイプが調理道具の片付けに便利です。

耐荷重も確認する

レンジラックがあれば、さまざまな調理家電を置くはず。ラックに小物類を少し置く程度なら、あまり耐荷重を気にする必要はありません。一方、重たい調理家電を並べるなら、耐荷重はしっかりと確認しておきたいところです。重量オーバーになるとラックの破損事故を招くことがあるため注意しましょう。

インテリアに合わせたデザインを選ぶ

レンジラックは、部屋に置いたらインテリアの一部となります。室内をおしゃれに演出するなら、デザインにもこだわりたいところ。レンジラックだけ目立ってしまうと、インテリアのバランスが崩れるかもしれません。部屋の雰囲気や自分の好みに合わせて選びましょう。電子レンジも、周りの家具とのバランスを考えて選ぶとなおいいです。

安さ重視なら100均を利用して簡単手作り

100均で安く揃えられるプチDIYアイテムなら、空いたスペースにぴったりなレンジラックを作れる

レンジラックの設置で値段の安さを重視するなら、100均を活用して手作りする方法があります。ダイソーやセリアのグッズであれば、DIYは比較的簡単です。さらに、自分で作ればサイズもぴったりなシンデレラフィットを目指せます。こちらでは、100均DIYでレンジラックを作る方法を紹介します。

ジョイントラックを使ったDIY

ダイソーの場合、ジョイントラックを使ったDIYがおすすめ。ラックづくりに使う主要パーツは、平面やバスケットタイプの棚、ポール、キャスター、固定部品などです。パーツによっては300円前後の商品もあります。

組み立て方は簡単であり、基本的にはポールに固定部品を取りつけてから、棚板をポールに通せば完成です。

ワイヤーラティスを使ったDIY

セリアの場合、DIYにはワイヤーラティスが便利。さまざまなサイズがあり、自宅の電子レンジのサイズに合わせて選びやすいです。ラックづくりで用意するパーツは、主にワイヤーラティスと結束バンド。これらに加えて、つっぱり棒やワイヤーネット用スタンドも組み合わせられます。

ワイヤーラティスでおおよその形を組み立ててから結束バンドで固定すれば、大部分は完成します。安定感を増したいときは、つっぱり棒で補強します。

すのこを使ったDIY

すのこも、DIYで簡単にラックを作れるグッズです。すのこは木製素材であり、DIYのスキルに応じていろいろなタイプのラックを作れます。ラックづくりを簡単に済ませたい場合には、すのこと結束バンドがあれば十分です。すのこを大まかに組み立てたら結束バンドで固定するだけで完成します。重量のあるものを乗せる場合は木工用ボンドや釘打ちをして補強しましょう。

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