髙橋天馬(東海大菅生高)の用具紹介|俺の卓球ギア#78

卓球人のこだわりグッズを紹介する「俺の卓球ギア」。

第78回となる今回は、8月11、12日で行われた東京都の高校総体代替大会『TOKYO Thanks match』で団体・シングルスで2冠を果たした髙橋天馬(東海大菅生高)の卓球ギアを紹介する。

髙橋天馬の卓球ギア

戦型
右シェーク裏裏
ラケット
インナーフォース レイヤー ZLC(FL・バタフライ)
ラバー
フォアテナジー05(特厚・バタフライ)
バックテナジー80(特厚・バタフライ)
こだわりのもの
イヤホン
チューブ
※ギアは2020年9月時点のもの

思い出は2019年茨城国体での一戦

髙橋は、東京都代表で出場した国民体育大会(国体)で少年男子5位に輝き、インターハイは3種目出場、東京都の高校総体代替大会『TOKYO Thanks match』では団体・シングルスでともに優勝を果たした実績を持つ。

写真:森薗政崇支援の高校生強化合宿での髙橋天馬(東海大菅生高)/撮影:ラリーズ編集部

自身の最も印象に残っている試合として、2019年の茨城国体をあげた。

「三重県戦の前出(陸杜)選手との試合が一番思い出に残っています。三重県に勝てばベスト8に大きく近づくという試合で相手のエースに勝てたのは自信に繋がりましたし、チームに貢献できたのはとても嬉しかったです」。カデット優勝経験もある前出を下した髙橋の活躍もあり、東京都は予選リーグを全勝で突破し、少年男子5位に入賞した。

写真:森薗政崇支援の高校生強化合宿での髙橋天馬(東海大菅生高)/撮影:ラリーズ編集部

また、髙橋は自らの卓球人生のターニングポイントは、「クラブチームのコーチである伊藤由宇さんとの出会い」と語る。

「小学生の時から中学生まで毎日夜遅くまで練習していただき、卓球の考え方や生活面での姿勢など色々なことを教えていただきました。今の自分があるのは伊藤さんのおかげだと思っています」と恩師への感謝を述べた。

王道の用具で安定した両ハンドドライブを繰り出す

安定した両ハンドドライブを持ち味とする髙橋の使用用具は、インナーフォース レイヤー ZLC(FL)にフォア:テナジー05(特厚)、バック:テナジー80(特厚)だ。「回転量」と「安定感」が用具選びのポイントだと明かす。

写真:森薗政崇支援の高校生強化合宿での髙橋天馬(東海大菅生高)/撮影:ラリーズ編集部

「インナーフォースZLCは球持ちがよく理想の弧線を出せるので安定感があります。テナジーは中学生の頃から使っていて、食い込みがよく回転量が出せます。また、体勢を崩して打っても台に入ってくれることが多いですし、勝負所は思い切ってプレーできます」。“王道”とも言える組み合わせから、髙橋の安定感あるプレーが生み出されている。

写真:森薗政崇支援の高校生強化合宿での髙橋天馬(東海大菅生高)/撮影:ラリーズ編集部

こだわりの愛用品は、イヤホンとチューブをあげた。「試合前はONE OK ROCKさんの曲を聴いて気持ちを高めています」。戦いに臨む前にイヤホンは欠かせないギアとなっている。

東海大菅生高で再び躍動

同級生の笠井智衆とともにチームを支えてきた髙橋だが、東海大菅生高へは高校1年の9月に転校してきた。全国中学校卓球大会シングルスベスト32の実績を持つ髙橋だが、高校入学直後は一時期卓球を辞めていたという。

写真:森薗政崇支援の高校生強化合宿での髙橋天馬(東海大菅生高)/撮影:ラリーズ編集部

高橋の両親と東海大菅生高卓球部の後藤由一監督がたまたま知り合いだったことから、新天地で再びラケットを握り、インターハイ3種目出場などの結果を残した。

「転校という事で、環境の変化や高体連の大会に半年間出られないなどモチベーション的に難しい面もあったと思いますが、本当によく頑張ってくれたと思います」と後藤監督も髙橋の成長に目を細める。

東海大菅生高は、髙橋、笠井の3年生コンビ、2年生の前原椿樹とメンバーが揃っていた今季、インターハイ団体上位入賞を目指していた。しかし、新型コロナウイルスの影響で3月の全国選抜、8月のインターハイと高校生の主要な全国大会は中止となった。

写真:笠井智衆(東海大菅生高)/撮影:ラリーズ編集部

11月の東京都新人戦、12月の関東選抜で団体優勝を果たし、チームは上り調子だっただけに後藤監督は悔しい思いを覗かせる。「うちだけではないのでしょうがないとは思いますけど、(髙橋、笠井を)高3の大会に出させてあげられなかったのは悲しいですね」。

大学卓球界での飛躍に向けて

だが、髙橋本人はすでに次のステージに向け、前を向いている。

9月末に行われた森薗政崇(BOBSON)支援の高校生強化合宿では、3日間に渡り強豪校同士でリーグ戦を行った。「強い選手たちと試合ができたおかげで通用する技術や普段の練習ではわからなかった反省点がわかり、大きな収穫と良い刺激を得ました」と合宿を振り返り、自身の成長の糧としている。

写真:森薗政崇支援の高校生強化合宿での髙橋天馬(東海大菅生高)/撮影:ラリーズ編集部

髙橋は「大学でも卓球を続けるので、まずはチームに貢献できるような選手になりたいです。またまだ個人戦では思うような結果が出ていない。(目標は)全日学でランクに入ることです」と今後の目標を力強く語った。

高校卒業後は関東学生リーグ1部校でプレーすることが決まっている髙橋。大学生活での更なる躍進に期待が高まる。

文:山下大志(ラリーズ編集部)

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