インフルエンザワクチン接種増に備え…KMバイオ、生産量最多に コロナで関心高く

©株式会社熊本日日新聞社

インフルエンザワクチンの出荷を続けているKMバイオロジクスの配送センター=大津町(同社提供)

 新型コロナウイルス感染症の影響で、季節性のインフルエンザワクチンへの関心が例年以上に高まっている。65歳以上の高齢者への優先接種が10月1日から始まる予定で、今冬の接種シーズンが間もなく本格化。ワクチン生産を担う医薬品製造販売のKMバイオロジクス(熊本市)も出荷作業に追われている。

インフルエンザは新型コロナの症状と見分けがつきにくく、今冬は特に感染を警戒して接種希望者が増えるとみられている。

 このため、厚生労働省は国内のワクチンメーカー4社に増産を呼び掛けており、今冬の国内供給量は約3178万本(1ミリリットル換算、成人約6300万人分)となる見込み。昨年度比約7%増で、KMバイオは具体的な出荷予定量は明らかにしていないものの、同社の生産分も昨年度より同程度増える見通しだ。

 同社は2018年から、化学及血清療法研究所(化血研)のワクチン生産事業を引き継いでおり、現在のように4種類のウイルスに対応したワクチンを生産するようになった15年以降で生産量は最多となる見通し。

 インフルワクチンは国内ではウイルスを鶏卵で培養して増やし、精製して毒性や感染力をなくした不活化ワクチンが広く使われている。

 KMバイオでは例年、2月から8月上旬まで熊本市北区の熊本事業所で鶏卵を使ってワクチンの原液を製造。順次、充塡[じゅうてん]、包装作業をしている。

 今冬分については、9月12日から国家検定に合格した製品の出荷を開始。これまでに出荷予定分の5割の出荷を済ませており、11月中に終える計画だ。

 その後は医薬品卸業者などを通して全国の医療機関に届けられるといい、同社は「インフルエンザの流行抑制に貢献できればうれしい」と話している。(田上一平)