娘や息子のアルバイトに注意! 子どもが稼ぎすぎると親の負担が重くなる!?

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子どもはいつまでも親の扶養なの?

まず、子どもは学生の間、親の扶養家族に無条件でいられるわけでないことを覚えておきましょう。15歳までは義務教育期間中ですから、原則として添付書類は必要とされず、扶養家族のままで、社会保険上、そして税法上の問題はありません。

ところが、中学卒業後は、アルバイトをする子どもが、そのまま扶養家族のままでいるのか、それとも扶養を外れるのかは、健康保険組合、もしくは協会けんぽなどの規定に基づいて、判断されることとなります。

扶養家族の調査時に、アルバイトを頑張りすぎて収入が多すぎることを指摘され、「扶養家族から外れるなんて知らなかった」という無知が、扶養でいられる理由にはなりません。扶養家族の範囲内で働く条件としてポイントとなる金額は103万円、もしくは130万円です。

103万円は所得税法上の扶養家族の範囲で、130万円は社会保険上の扶養家族の範囲となります。会社に提出を求められるのは、健康保険のための「扶養」と所得税法上「扶養」でいるための添付書類であることを覚えておきましょう。

稼ぎすぎたかどうかを年末までにチェックする

年末前、できれば10月から11月ごろまでに、子どもの給料の合計を計算して、103万円以上(その年の1月からの合計)になっていたとしたら、その年、税金上の扶養控除はありません。

もしその年、保護者の給料から、毎月扶養親族を考慮した所得税が控除されていたとしたら、年末に所得税は還付されるのではなく、むしろ支払うことになるかもしれません。健康保険の扶養の確認は、夏ごろ添付書類が求められることが多いので、年末からしばらく猶予はあります。

ただ、確認された時に収入が多いことを指摘され、その時点でなく、さかのぼって扶養を外してくださいといわれることもあります。指摘を受ければ、扶養家族から除かれますので、国民健康保険や国民年金に加入する必要が出てきます。

いずれにせよ、子どもがアルバイトを始める時には、ひと月いくらくらい稼いで、1月から12月までに総額いくらになるのか、保護者も目を光らせておくべきでしょう。

あまりない事例ですが、社会保険は2年さかのぼることができますので、所得隠しなどが悪質だと判断されれば、最大2年分遡及(そきゅう)して健康保険等に加入し、その期間分の保険料を支払わなければなりません。また、その間に医療機関を受診していれば、いったん健康保険に治療費を返金し、改めて国民健康保険に請求するという、複雑な申請もしなければなりません。

学生納付特例は当然申請するべき?

年金についても触れておきましょう。20歳以上であれば、日本では国民皆年金皆保険です。必ず、どこかで保険制度や年金制度に加入する必要がありますので、20歳以上の学生であれば、ほとんどが学生納付特例を申請していることでしょう。

「学生納付特例」とは、申請が通れば年金の受給資格のための期間に算入されますが、その後、10年の間に遡及して納付しなければ、年金額には算入されない学生特有の制度といえます。

ただ、この学生納付特例を使うべきかどうかはケースバイケースです。

この制度が申請できる所得の目安としては、118万円 +{ (扶養親族の数) × 38万円 }で計算した額以下である場合です。

申請できる期間は、過去期間は申請書が受理された月から2年1カ月前(すでに保険料が納付済の月を除く)まで、将来期間は年度末まで申請できます。必要に応じて年度ごとに申請書を提出しましょう。

<申請の仕方・例>

令和2年5月に、平成30年4月から令和3年3月までの期間を申請する場合、

(1)平成30年度分(平成30年4月~平成31年3月)

(2)令和元年度分 (平成31年4月~令和2年3月)

(3)令和2年度分 (令和2年4月~令和3年3月)

以上の3枚の申請書が必要となります。

なお、この例の場合は、平成30年3月以前は時効により申請できません。過去期間は2年1ヶ月前まで申請できますが、申請が遅れると障害年金を受け取れないなどの不利益が生じる場合がありますので、すみやかに申請をしてください。

学生納付特例を使わない場合にも言及しておきます。

例えば、子どもの国民年金保険料を負担して、保護者の社会保険料控除を適用すると、保護者の所得税を下げたり、自営業者の場合には、国民健康保険料や介護保険料がさらに下げられる可能性もあります。

年金保険料を納付することで、子どもの将来の年金額も増加します。子どもだけではなく、家族全体の問題として、保護者が国民年金を負担するという選択肢も検討するべきでしょう。学生になれば、子どもは子どもで勝手にやると考えている保護者も多いでしょう。

ただ、働いてお金を稼ぐようになっても、子どもは子どもです。社会に出ていないということを考えれば、税金や保険についての知識がないのは当然です。「もう大人だから」と言わないでください。

アルバイトを始めて収入があるときには、いくら稼ぐと税金はかかるのか、徴収された所得税は還ってくることがある、一定の収入があると自分で社会保険料を負担することになる、などお金に関する知識がないのは当然です。親が一緒に勉強する気持ちで、お金に関する知識を子どもに教えていきたいものです。

執筆者:當舎緑

社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

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