菅政権の注目政策「携帯電話料金“4割値下げ”」実現の可能性は?

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声優としても活躍中の鈴村健一(月~木曜)と俳優の山崎樹範(金曜)、フリーアナウンサーのハードキャッスル エリザベスがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。9月23日(水)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「携帯電話料金“4割値下げ”の現実味」。菅総理大臣は先日、武田総務大臣と会談し、携帯電話料金の引き下げの実現に向け、改革を進めるよう指示しました。武田大臣は会談のあと、「1割程度の引き下げでは改革にならない」と話し、携帯電話各社の努力を促す考えを示しています。元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也さんにお話を伺いました。

(左から)鈴村健一、宇佐美典也さん、ハードキャッスル エリザベス

◆欧米諸国に比べて日本の携帯料金はなぜ高い?
鈴村:総務省の調査結果を見ると、イギリスやフランスの携帯電話料金は非常に安いんですよね。これはなぜなのですか?

宇佐美さん:これには理由があって、日本とヨーロッパの最大の違いというのが「4G」……今のところ1番新しい世代の携帯のネットワークのカバー率が違います。日本だとほぼ100%、日本中どこでも4Gが使えるのですが、ドイツやイギリス、フランスだと80%~90%くらいなのです。だから、日本はすべての人に4Gの接続を目指した結果、インフラ投資がかさんで料金が高くなっている、というところがあります。

鈴村:設備投資のお金がかかっているんですね 。ほかにも何かあるんですか?

宇佐美さん:前から言われていたことで、日本の携帯電話料金が高い理由としては、“料金プランの問題”があります。日本は、特に大手に、データ通信をあまり使わない人向けの料金プランがないので、携帯のデータ通信をあまり使わない人が割高になっている、という問題が指摘されていました。なので、そういう人たち向けになんとかしないといけないということで、「格安スマホ」が最近販売されるようになったわけなのですが、それでも依然としてシェアが10%程度と低いので、もうちょっと普及しないと……というところです。

鈴村:格安スマホってまだそこまでシェアが高くないんですね? 意外とみんな工夫しているイメージがあったけど。

◆携帯料金4割値下げで失うものもある?
鈴村:菅総理は2年前、「4割、値下げできる余地がある」と発言していましたが、「4割値下げ」は実現可能なのでしょうか?

宇佐美さん:やり方によってはできなくはないと思うのですが、その分、失うものもあります。例えば、今のうちから人口が少ない地域には「5Gを導入しません!」ということを宣言すれば、ある程度投資がおさまるので安くなるのですが、そうすると困る人も出てきますよね。だから、そのバランスが重要ですよね。

政府としても民間企業にこれだけ言うからには多少の努力も必要で、生活必需品というのであれば、消費税の軽減税率の適応などを議論するのが筋なのではないかと思いますね。

鈴村:これ、民間企業が政府から言われて対応をしなければいけないわけじゃないですか? すごく大変なことのような気がするのですが、企業だけが努力することで4割下げるというのは実現できるものなのでしょうか?

宇佐美さん:5Gの普及は総務省の政策レベルの話なので、総務省も企業と相談して「このレベルで抑えましょう」といった方針を決めないとできないことですよね。

鈴村:日本では大手3社が「競争する環境ができていない」ため「料金が下がらない」という見方をされています。これは「争ってはいけない」みたいな雰囲気があると思いますが、これについてはどう思われますか?

宇佐美さん:競争すれば料金が下がるという単純な話ではなくて、経済学上で「自然独占」という言葉があるのですが、設備投資がすごくかかる産業というのは参入者が増えすぎるとかえって設備投資が増えて、狭い市場をわけあって値段が高くなってしまうという問題が指摘されています。だから、電波や電力というのは、ある程度、参入企業数が減るのは仕方ないと言われているのですが、日本の場合は外から入ってくる可能性がない仕組みなのが問題で、普通だったら携帯の電波を使うには数千億円かかるはずが、政策的に700億円とかでおさまっているので、抑えているのに料金規制を何もしてこなかったことが問題だったのではないかなと思っています。

◆電力の自由化と同じような理由で一気に値段は下がらない?

鈴村:例えば、どこかの企業が「うちは一気に下げてみます!」みたいなことは、なかなかできないものなのでしょうか?

宇佐美さん:新しく参入しても設備が古い会社のものを使うことになるので、値下げの余地が限られているのです。結局、電力の自由化も、電気代がそんなに値段が下がらなかったですよね? それと同じような理由なんですよね。

鈴村:ちなみに、宇佐美さんは月々の携帯料金を意識して使われていますか?

宇佐美さん:私は友達が少ないので、そんなに電話もかかってこないので意識してなくてもおさまっています(笑)。

鈴村:(笑)。友達少なくないでしょ、絶対に! ……じゃあ、携帯電話の使用料金は「友達が少ないと安く済む」っていう話ですか?

エリザベス:そういうことなのか (笑)!?

鈴村:僕も携帯料金は下がってほしいと思いつつ、通信速度もどんどん速くなってきて、それが当たり前になってきています。どうせ使うなら性能がいいものを……という気持ちになってくるので、値下げのバランスと設備に関する機能のバランスの納得できる部分での値下げは必要だと思います。今後どうなっていくのか、注目したいですね。


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【番組概要】
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月~金曜6:00~9:00
パーソナリティ:鈴村健一(月~木曜)、山崎樹範(金曜)、ハードキャッスル エリザベス
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/one