新庄剛志がNPBに復帰できる明確な理由 元ハム田中幸雄氏「僕なら絶対に獲る」

日本ハムで活躍した田中幸雄氏【写真:荒川祐史】

同じチームだったからこそ見えた人間性、技術力の高さ

昨年11月に現役復帰を宣言し、注目を浴びている新庄剛志氏。日本ハムで引退してから13年。トレーニングを積み、再びNPBの舞台を目指している。トライアウト受験後、獲得球団は現れるのか。「僕なら絶対に獲る」と真剣な表情で向き合うのは日本ハムの生え抜きスターで2軍監督なども務めた田中幸雄氏だ。同僚だったからこそ分かる、新庄氏の姿勢を聞いた。

現役生活22年間、日本ハム一筋でチームを支えてきた田中幸雄氏が、新庄氏と過ごしたのは2004年から06年の3年間。短くも濃厚なこの時間をミスター・ファイターズは忘れることはない。北海道移転初年度の盛り上がり、その2年後の自身初のリーグ優勝、日本シリーズ優勝、記念の胴上げ……この男がいなければ、実現することはなかった。

そんな新庄氏が打ち上げた現役復帰宣言。田中氏はその言葉に期待感を抱いていた。

「もちろん、年齢的なものはありますけど、体もきちんと鍛えている。1年間、試合に出る体力は厳しいのかなと考えましたけど、DH(指名打者)だってある。普通にずっと出られる方法はあると思います」

テレビ出演などメディアに登場する度、新庄の動きが目に留まった。遠投する姿やトレーニング風景、打撃をする姿も……手を抜いていないことはすぐに見て分かった。現役時代から派手さはあっても、陰で一生懸命、練習している姿を何度も目にしていた。その光景を思い返させた。

「半端な気持ちではないですよ。覚悟と自信を持っている。彼は手を抜くようなことはしない。 まずは実際に試合をする姿を見てみないとわからないですが、練習だけだったら、普通に打てる。打撃マシンや、遅いボールだったらOBの人もでも振りは遅いけど、打つことできるじゃないですか。新庄の場合、あれだけの体が鍛えていて、筋肉が残っている状態だったら、しっかりと打てると思います」

まだ、名乗りを上げる球団はない。48歳という年齢、前例にない挑戦を受け入れることは容易ではないだろう。しかし、田中幸雄氏は断言する。

プレーの結果や数字だけにとらわれないでほしい、ファンへの影響力を見てほしい

「テストを受けたりしているんでしたっけ? 僕だったら獲ります。フル出場は不可能でも、定期的にうまいこと使ったら、絶対に戦えると思います。ファンも増えて、盛り上がり、チームにもプラスになる。彼は普通の人とは違う特別な人間。彼の存在ってやっぱりすごく影響力がある。1年限定でもいいからやってもらいたいなと思っています」

一選手の“結果”として見てしまえば、若い選手にその一枠は使うべきだろう。「戦力」と一言で言っても、とらえ方は人それぞれだ。

「野球の成績、結果が全てじゃないところで見て欲しいです。彼がいるだけで、違う部分は出てきます。若い選手と同じとはいかないと思うけども、優勝するためにチームと本拠地のファンをもっと引き寄せ、盛り上げてくれるはず。期待するのは、プレーだけではないですね。もちろん、あの歳ですごい活躍をしてくれたら、めちゃくちゃ嬉しいですけどね」

北海道移転前、優勝争いをしなければ、あまりお客さんが入っていなかった日本ハム時代を田中氏はよく知っている。そして、2004年、新庄加入と共に、ファイターズ熱が高まっていくのを身を持って感じた。その熱が選手のモチベーションを上げ、チーム力を高めていったからこそ2006年の日本一と、温かいファンに応援される日本ハムが人気球団の一つになった。田中氏の思いは、新庄氏とともにプレーをしていたからこそ伝えたい重みのある言葉だった。

【動画】新庄剛志氏の現役復帰について、田中幸雄氏がインタで激白「僕なら絶対に獲る」と推す理由は?

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(Full-Count編集部)

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