人気ドラマ「半沢直樹」（TBS系）は２７日の最終回で、半沢（堺雅人）が進政党の箕部幹事長（柄本明）を完膚なきまでにたたきのめし、中野渡頭取（北大路欣也）と大和田取締役（香川照之）が半沢に東京中央銀行の未来を託すという形で幕を閉じた。最終回の視聴率は３２・７％（ビデオリサーチ調べ、関東地区）。ドラマの視聴率が３０％を超えるのは、２０１３年に放送された「半沢直樹」第１シリーズの最終回以来の快挙だが、それだけにファンの喪失感は大きい。そんな「半沢ロス」のあなたに、主要キャストにじかに触れあえる機会を紹介したい。（共同通信＝中村彰）
主演の堺はサントリーのコーヒー「クラフトボス」やビール「ザ・プレミアム・モルツ」、マクドナルドなどのＣＭが半沢ファンの心を癒やす。気になるドラマや映画、舞台などへの展開だが、所属事務所は「公式に発表できることはありません」としている。香川も東洋水産のカップ麺「QTTA」、トヨタ自動車などのCMに出演中だ。
主なキャストは舞台俳優出身が多く、放送終了後は舞台に打ち込む人も多い。
半沢らに土下座に追い込まれ、政治資金規正法違反、収賄などの容疑で逮捕される箕部を演じた柄本は、１２月１９日から来年１月９日の舞台「てにあまる」（東京芸術劇場プレイハウス）を演出、出演する。藤原竜也と親子の設定で、スリリングな心理戦を繰り広げるという。大阪・新歌舞伎座、愛知・刈谷市総合文化センター大ホールなどを巡演する。
箕部への巨額の不正融資の証拠書類を隠蔽（いんぺい）した紀本常務役の段田安則は１１月２日から２６日、東京の新橋演舞場の公演「女の一生」を演出、出演する。主役の大竹しのぶの夫役で、激動の時代を生き抜いた主人公を引き立てる。
中野渡頭取の特命を受けて、検査部部長代理という閑職にあえて身を置き、箕部の不正を追及していた富さんこと富岡義則を演じた浅野和之。段田とは野田秀樹主宰の劇団「夢の遊眠社」での仲間だ。１２月、東京・世田谷パブリックシアターで開催のニール・サイモン作、三谷幸喜演出の「２３階の笑い」に出演する。１０月半ばから、みっちり稽古を行うという。
「わびろ」の８連発や「お前の負けぇー」などの名せりふで半沢に立ちはだかった伊佐山証券営業部部長を演じた市川猿之助は１０月３ー４日、京都芸術劇場での「市川猿之助 藤間勘十郎 春秋座 花形舞踊公演」で、鍛え上げた踊りの腕前を披露する。残念ながらチケットは完売だ。
IT企業スパイラルの瀬名社長を演じた尾上松也は、NHKの朝の連続テレビ小説「エール」に出演中の山崎育三郎や、城田優とで１０月１０日、コンサート「IMY歌謡祭」（東京国際フォーラムホールA）で歌声を披露する。
中野渡頭取の失脚を狙ったが自らが失脚した三笠副頭取役の古田新太と、セントラル証券で担当の電脳雑伎集団の買収情報を伊佐山に漏らし銀行に戻った諸田を演じた池田成志の「悪役」２人はそろって１０ 月６ 日 から１１ 月 １ 日 に行われる「獣道一直線」（東京・PARCO劇場）に出演する。宮藤官九郎の作品で、河原雅彦演出。無関係と思われた３つの殺人事件に共通の女が浮上、取材するドキュメンタリー作家も事件の闇に巻き込まれていくストーリー。１１ー１２月、長野・松本、札幌、京都、福岡・久留米、高知、沖縄・浦添で巡演する。
このほか、一度は寝返ったが心を改める三木役の角田晃広が所属するコントトリオ「東京０３」は１１月１２日ー１５日、大阪のシアター・ドラマシティで単独公演「やな塩梅」を開く。
１０月の東京・歌舞伎座の公演には「半沢直樹」に登場した４人の歌舞伎俳優の出番はないが、１１月には猿之助が第一部「蜘蛛の絲宿直噺（くものいとおよづめばなし）」で五役を演じる。
昨年６月に歌舞伎座で上演された「三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち」を収録した映像がシネマ歌舞伎として１０月２日から全国の映画館で上映される。江戸時代にロシアに漂流した大黒屋光太夫が主人公。猿之助と、半沢と心の底で友情を結ぶ元証券取引等監視委員会検査官・黒崎を演じた片岡愛之助が出演する。松也も語りで参加している。愛之助は１０月１５日ー１８日、大阪松竹座の「GOEMON抄」に出演する。
各局のドラマでは北大路欣也主演のテレビ東京系「記憶捜査２」が１０月２３日スタート。これまで独特の存在感で脇役を演じてきて、今回、白井国交相役で一気にブレークした江口のりこは、日本テレビ系で１０月１４日スタートの「＃リモラブ」に精神科医役で登場。半沢と同期で情報通の渡真利を演じた及川光博も出演する。江口はTBS系で放送中の「キワドい２人」にも出演している。
