コロナの夏、危険な海域で水難事故多発 背景に遊泳自粛要請

 神奈川県内で今年7月~8月末、海水浴場が開設されない海域で水難事故に遭ったのは14人に上り、うち5人が死亡したことが28日、分かった。今夏は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、県内全25の海水浴場が開設されなかった。事故者、死亡者ともに前年を上回っており、第3管区海上保安本部(横浜)は、開設海域での遊泳自粛要請の結果、遊泳禁止海域などに出向いて泳ぐ人が増えたためとしている。

 一方、例年は海水浴場が開設される海域での死亡者はいなかった。県は3管やライフセーバーなど関係者による対策の成果と強調する中、より危険な海域に遊泳者が流れていた格好だ。

 3管によると、従来から海水浴場が開設されない海域での今夏の水難事故は、前年同期比5人増の14人。死亡者は2人増の5人だった。

 潮の流れが複雑だったり、急に深くなったりするなど危険な海域での事故が突出。8月19日には、平塚市虹ケ浜で伊勢原市に住む10代の男性3人が離岸流によって沖に流され、うち1人が死亡した。監視がない場所で飲酒の上、遊泳し、事故に遭うケースもあった。

© 株式会社神奈川新聞社